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生乳生産量

図1-16「日本の生乳生産量の推移」の通り、2015年度の日本の生乳生産量は741万tで2011年度に比べ12万t減少しています。地域別でみると、2015年度は北海道で2.1%増加しましたが、都府県では0.1%の減少となっています。
図1-16 | 日本の生乳生産量の推移
日本の生乳生産量の推移
出典:農林水産省「牛乳乳製品統計」

国産生乳の用途別乳量と国内総需要量

国産生乳の生産量(2015年度)は約741万tで、このうち約54%の401万tは飲用向けに、残りの約45%の334万tは加工品向けなどに利用されました[図1-17]。
国内の総需要量(2015年度)は1,189万tで、そのうち国産生乳が約62%、輸入乳製品(生乳換算)は約38%となっています[図1-18]。
国産生乳(2015年)の仕向けの内訳は、飲用等向が約401万t、生クリーム等向が約127万t、チーズ向が約43万t、脱脂粉乳・バター等向が164万tとなっています。北海道では乳製品向の割合が高く、都府県では飲用等向の割合が高くなっています[図1-19]。なお、国産生乳の仕向け順は、賞味期限の短い製品が優先され、①飲用等向、②生クリーム等向、チーズ向、③脱脂粉乳・バター等向の順になっており、生乳生産量の増減や飲用等向、生クリーム等向、チーズ向の需要の増減が、最終的に脱脂粉乳・バターの製造量や在庫量に影響を与えるといった生乳需給構造になっています。
図1-17 | 国産生乳の生産量と用途(2015年度)
国産生乳の生産量と用途(2015年度)
出典:農林水産省「牛乳乳製品統計」
図1-18 | 国内総需要量(2015年度)
国内総需要量(2015年度)
出典:農林水産省「平成27年度食料需給表」

注1 「国内生乳生産量」にはこのほか自家消費や欠損分の生乳約6万tが含まれる
注2 「国内総需要量」は「国内生乳」と「輸入乳製品」の合計から輸出量の約2.5万tおよび在庫増加量の約12.5万tを差し引いた値である

図1-19 | 国内の生乳需給構造(2015年度)
国内の生乳需給構造(2015年度)
出典:農林水産省「牛乳乳製品統計」、「平成27年度食料需給表」

注1 「 乳の国内総消費量」は「国内生乳」と「乳製品輸入」の合計から輸出量の約2.5万tおよび在庫増加量約12.5万tを差し引いた値である
注2 「 国内生乳生産量」には、「飲用等向」「生クリーム等向」「チーズ向」「脱脂粉乳・バター等向」以外に、自家消費や欠損分の生乳約6万tが含まれる
注3 「 飲料等向」には、牛乳等に仕向けられたもののほかに、「生クリーム等向」「チーズ向」「脱脂粉乳・バター等向」以外の用途に仕向けられた生乳約6万tが含まれる

column3
バター不足が発生した要因は?
牛乳乳製品の需給において、最近話題となっているのがバター不足の発生です。
スーパーなどの小売店での欠品発生や販売個数制限、原料バターが入手できない中小の製菓・パン業者の不安感など、社会的に大きな関心を集めています。
不足の主な要因は、生乳生産量の減少に伴う国産バターの生産量の減少です。
バター不足を受け、国家貿易制度によるバターの追加輸入も実施されてきました。
不足が続いたため、国はバター輸入の判断時期と手法を見直しました。また、バターから代替品の輸入調製品や植物性油脂への需要シフトが生じ、バター需要そのものが減少するという事態も生じています。