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良質な乳脂肪とビタミンA

バターには、良質な乳脂肪とビタミンAが豊富に含まれています。
バターの成分は約80%が乳脂肪です。乳脂肪は食用油脂の中で最も消化が良く、吸収率は95%以上にもなります。幼児や高齢者、胃腸の弱い人も安心して利用できる食品です。
脂溶性ビタミンであるビタミンAは、天然油脂中では最高の含有率です。バターにはレチノール(ビタミンA1)とβ-カロテンが含まれています。バターの黄色はβ-カロテンの色で、牛の餌となる牧草に含まれています。β-カロテンは摂取して体内でビタミンAに変わるので、プロビタミンA(ビタミンA前駆体)とも呼ばれています。ビタミンAは成長に欠かせない大切な栄養素で、肌や粘膜を健康に保ち、細菌に対する抵抗力を強めます。また、バターにはカルシウムの吸収を促進するビタミンDや、老化を防ぐビタミンEも含まれています[表3-7]。
表3-7 | バターの栄養(100g中)
  エネルギー
(Kcal)
水分
(g)
たんぱく質
(g)
脂質
(g)
炭水化物
(g)
カルシウム
(mg)
ビタミンA
(μg)
ビタミンB1
(mg)
ビタミンB2
(mg)
ビタミンD
(μg)
ビタミンE
(mg)
食塩相当量
(g)
有塩バター 745 16.2 0.6 81.0 0.2 15 520 0.01 0.03 0.6 1.5 1.9
食塩不使用
バター
763 15.8 0.5 83.0 0.2 14 790 0 0.03 0.7 1.4 0

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

バターのコレステロール

バター100gあたりのコレステロール量は210mgですが、食パン1枚に塗るバターは10gくらいで、コレステロールは21mgと少量です[図3-22]。コレステロール値が正常な人では、バターに含まれているコレステロール量は心配ありません。コレステロールの役割や性質をよく理解して、バランスのとれた食事を心がけることが大切です(コレステロールの役割や性質については「乳脂肪とコレステロール」を参照)。
図3-22 | 1食あたりのコレステロール量(mg)
1食あたりのコレステロール量(mg)
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」