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免疫力パワーアップ

「免疫」のしごと

ウイルスなどの異物だけでなく、肉体的疲労や精神的疲労など、さまざまな刺激から私達のカラダを守る免疫。それは、かぜなどの病気を治す「回復力」であったり、がん細胞などをやっつけてカラダを守る「抵抗力」であったりします。

免疫は大きく分けて2つ。生体内常設の防衛部隊ともいえる「自然免疫」と、これだけでは防ぎきれなくなった緊急時に発進するハイテク部隊の「適応免疫」とがあります。

では、これらの『免疫力』を十分に発揮し、より良く維持していくために必要なこととは?『免疫力』アップを助ける、ベストな乳製品とのつきあい方も交えてご紹介します。 
 

あなたの『免疫力』をチェック!

免疫力を左右する要素は、大きく分けて6つあります。

「心の健康」「栄養バランス」「睡眠」「運動量」「労働環境」「住環境」。
次の項目の中から該当するものをチェックして、あなたの今の免疫力レベルを調べてみましょう。
〈参考〉「免疫力チェック!」監修 上野川修一(ソフトマジック) 

さてあなたの免疫力レベルは?

 
身体的にも精神的にも良好な健康状態ですね。免疫力はきちんと発揮されているようです。ぜひ現状を維持してください。今の健康状態に貢献しているポイントが、どこにあるかを意識しておくと良いでしょう。

まずまず健康。免疫力レベルもひとまず大丈夫。ただし、バランスをくずさせる要因も見え隠れしています。たとえば、仕事や運動などで急なストレスを抱えたときの対処法など、日頃から改善策を考えておくと良いでしょう。

キケン信号が点滅しています。免疫力を低下させる要因をいろいろ抱え込んでいるようですね。生活改善の必要があります。抗酸化物質を積極的に摂ったり、規則正しい生活を心掛けるなど、今日から早速はじめましょう。

疾病予備軍となる可能性が高い状態です。免疫力を低下させる、疲労とストレスなどがたまっていませんか?ときには専門家のアドバイスも取り入れるなど、十分な対策と健康への意識改革を行った方が良いでしょう。

免疫力をアップさせるには↑

免疫力を高めるカギは「食」にあり

人の免疫の働きに関係するさまざまなカラダの器官の中で、最大の免疫器官が腸管です。実際、免疫の機能を支配するリンパ球の約60%以上が腸管に集中しており、抗体全体の60%は腸管でつくられています。

この腸管をいかに丈夫に保ち、ベストな腸内環境を保つ食生活を心掛けるかが、つまり免疫力アップにつながっていくのです。

免疫の働きは、低下すると感染症やがんになりやすく、また免疫の働きが異常になると自分自身を攻撃し、アレルギーや自己免疫疾患といったやっかいな病気になってしまいます。

免疫力を高めるためには、その働きを正常に働かせ、かつ理想的にパワーを発揮できるような食生活を取り入れていくことが必要なのです。 

20歳前後がもっとも免疫力が高く、加齢とともに低下

年齢を重ねるごとに免疫系の働きは低下します。また年齢に関係なく過度のストレスや環境物質のなかにも、免疫力に影響するものがあります。

免疫力を高めること。すなわち、抗体やナチュラルキラー細胞、貪食細胞(体のなかに侵入してきた病原性の微生物をそのまま細胞内に取り込み解体してしまう働きのある細胞)などの免疫細胞の働きを高めることが求められます。

まず免疫の基礎体力となるのが、たんぱく質です。「クスリよりも一杯のミルク」。つまり、カラダの基礎体力で細胞の力を甦らせるためには、クスリよりもミルク中のたんぱく質がまず必要ということです。

ビタミンの中ではE・C・Aが十分でないと免疫力を正常に保つことはできません。ビタミンEを十分量摂取することによって高齢者の免疫の働きは向上します。

また亜鉛やセレンなどのミネラル(金属)も摂ることで免疫力は回復。さらに、免疫の働きを高めバランスを正常化するのに乳酸菌があります。 

アレルギーも「食」から予防することに期待

国民病ともいわれる花粉症などのアレルギーは、遺伝的な要因プラス環境的な要因によって、免疫の働きのバランスがくずれた状態をいいます。このアレルギー状態を、食べ物で正常に戻してやろうという試みがさかんに行われています。

たとえば、ヨーグルト。このヨーグルトに含まれる乳酸菌が、私たちのカラダをアレルギーの起こりにくい免疫の状態にすると考えられています。何事も予防する試みが肝心です。今日からでも毎日のヨーグルト習慣をはじめられてはいかがでしょうか。 
 

おいしく『免疫力』を高めてくれる強い味方、ヨーグルト

腸内環境を整えてくれるヨーグルトパワー

免疫系の重要な器官である腸のなかには、数百種類・100兆個もの菌がすんでいるといわれています。

これら腸内細菌は、種類ごとに集まってグループをつくる性質を持っており「腸内フローラ」などと呼ばれます。

この腸内フローラには、乳酸菌など人の健康のために有益に働く善玉菌と、ウェルシュ菌や大腸菌など有害物質をつくりだす悪玉菌とがあり、常に腸内で戦い合っています。健康維持のためには、腸内の細菌バランスを善玉菌優勢に保つことがとても大切なのです。

善玉菌の代表は、ビフィズス菌やラクトバチルス菌など。腸内の調子を整えるお手伝いをしてくれます。

ヨーグルトにもこの善玉菌が多く含まれています。

栄養価としては牛乳とほぼ同じですが、発酵の作用によってヨーグルト独特の爽やかな風味が生まれるのが特徴です。

さらに、ブルガリア菌などの乳酸菌の働きによって、乳糖がすでに分解されているため、消化吸収率がとても高く、乳糖不耐症の人が食べてもお腹がゴロゴロしないといった利点もあります。

また、肌荒れの予防などの美肌効果も、女性にとってうれしい食品です。 
 

ビフィズス菌を活性化するオリゴ糖もいっしょに

ヨーグルトを食べるときには、ビフィズス菌の働きを活性化するために、ぜひオリゴ糖といっしょに摂るように心掛けてください。オリゴ糖は、悪玉菌には利用されにくく、ビフィズス菌だけに栄養を与えてくれます。

オリゴ糖が多く含まれる食品としては、きな粉・ゴボウ・玉ネギ・ハチミツ・ニンニク・バナナなどがあります。

また、便秘体質の改善には、食物繊維を含む食品と組み合わせるのがおすすめです。穀類・豆類・イモ類・野菜・果物・海藻などといっしょに摂ると良いでしょう。 

調理の際にはなるべく加熱しないのが理想的

 ヨーグルトパワーとして魅力なのは、やはり乳酸菌。この乳酸菌は熱に弱く、調理する際にはなるべく加熱しないのが理想です。

ただ、乳酸菌は死んでしまっても菌体成分としての働きは残りますから、免疫力を高めたり、腸内をきれいにしたりする働きは期待できます。

一日最低100g以上食べることを目標に、毎日の食生活習慣にヨーグルトをプラスしてみてください。

 

ワンポイントコラム

プロバイオティクスの力を高める、プレバイオティクスとのいい関係。

プロバイオティクスとは、体に有益に作用をする生菌のことです。腸内の善玉菌は、その代表選手です。その研究の先鞭は、ロシアの生物学者メチニコフにあるといって良いでしょう。
彼は、ブルガリアに長寿者が多いことに着目し、ヨーグルトを食べているからであるという「ヨーグルト長寿説」を発表したことでも有名です。

今や、プロバイオティクスの研究は進み、ヨーグルトに関してもそれぞれ独自の機能性をいかした、いわゆるトクホ食品(特定保健用食品)が数多く市場に出まわっています。

このプロバイオティクスの栄養源となるのが、オリゴ糖などのプレバイオティクスで、両方を上手に組み合わせて摂ることが、プロバイオティクスのメリットを享受するポイントにもなるのです。 

ヨーグルトを使ったアイディア料理で免疫力がぜんパワーアップ!

彩りヨーグルトサラダ
●マヨネーズを少な目にプレーンヨーグルトを加えて、エネルギーもセーブ。
●ビタミン類・ミネラル類を含んだ野菜といっしょに免疫力アップ。

画像クリックでレシピサイトへ

 海幸のヨーグルトあえ
●海藻やニンニクなど、オリゴ糖が含まれる食材も盛り込んで。
●さっぱりとした口当たりが、夏の食卓にもぴったり。

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 ヨーグルトキッシュ
●バターの風味やチーズのうま味とヨーグルト。乳製品をバランスよく活用。
●カロテンを豊富に含み、ビタミンC・Eも豊富なカボチャとの組み合わせ。

画像クリックでレシピサイトへ

監修:上野川 修一(かみのかわ・しゅういち)さん

Profile
942年東京生まれ。東京大学農学系大学院農芸化学専攻修了。東京大学大学院農学生命科学研究科教授を経て、日本大学生物資源科学部食品科学工学科教授、東京大学名誉教授。日本農芸化学会会長、日本食品免疫学会会長。2000年度、日本農芸化学会賞受賞。研究分野は食品免疫学、食品機能学など。 著書は「免疫と腸内細菌」(平凡社新書)、「食品とからだ 免疫・アレルギーのしくみ」(朝倉書店)、「賢い食べ物は免疫力を上げる」(講談社+α新書)、近著に「食品の学」(東京化学同人)などがある。
  

2005年6月1日

ほわいと(2005夏)より

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