• 牛乳ができるまで
  • 乳製品の種類
  • おいしい活用法
  • 学校給食
  • 乳製品の歴史
  • 牛乳の栄養
  • ナレッジ
  • 気になる情報

ミルクの仕事人 食人(しょくにん)インタビュー

牧場で働く食人(しょくにん)に注目!おいしい牛乳を作るためのこだわりは?

—ミルクの仕事人 食人(しょくにん)インタビュー—
ほわいと(2009・夏号より)

今回は東京都で親子代々酪農を営む前田さんにお話を伺いました。

牛乳を生産する起点となる牧場。おいしい牛乳作りのためにどのような思いで酪農にのぞんでいるのか、お話を聞きに前田牧場を訪ねました。

前田牧場は、東京都多摩地域酪農家発の産地指定牛乳「東京牛乳」に参加されている牧場で、現在約50頭の乳牛を飼育。安心・安全な牛乳をお届けしたいと、日々取り組まれています。


東京都あきる野市 前田牧場 前田浩利さん
 

—さっそくですが、おいしい牛乳を作るために日頃どのようなことを心がけていますか?

 牛乳はこどもからお年寄りまで飲むものですから、何より安全なものをと思っています。
牛はしゃべれないですから、何かあった時には人が気づいてケアしてあげなければならない。
だから、世話をする時には牛たちの様子をうかがって、今日も元気かな、変わったことはないかなと見てまわっています。

もうひとつ大切にしていることが「ストレスを与えずにのびのびさせること」。

いいものを食べておなかが満たされ、日がな一日のんびりと過ごしている牛は乳の出もいいんです。
そのためには小さい時からの環境づくりが大事。人が来る度にビクビクする性格にならないよう、丁寧に育てて、人に慣れさせるんです。

うちの場合、牛舎が道路に面していまして、子牛の頃から道路側の窓を開放して通りがかる人とふれあえるようにしています。人とのふれあいを通しておだやかに、やさしく育つんですね。
通学途中のこどもたちや、近所のおばちゃんたちなど、よく声をかけていってくれます。

—この仕事のやりがいはなんですか?

 食育の授業にとのリクエストで、時々、地元の小学校に教えに行ったり、牧場にこどもたちが見学にやってきたりと、交流があるんです。

ある時、牧場見学に来たこどもが書いた作文を読ませてもらったことがありまして、中に「秋川があって、緑があって、牛たちのいるこの風景をいつまでも残してください」という一文があったんです。
その時にハッとして、あぁ牛がいて自然があって恵みがあるこの環境をしっかりと守っていかねばと思ったんです。こどもの気持ちにずっと応えていってあげたい。それはひとつのやりがいにつながっています。

それと「共進会」です。いわゆる乳牛の美人コンテストです。
共進会で「いい牛だなぁ」と評価されるのもうれしいですが、会場で東京都の仲間や全国各県の同じ思いの人たちと交流できることが面白いですねぇ。

—仲間同士の連携などもあるんですか?

 東京は酪農家軒数も、牛の頭数も少ないですが、みんな仲がいいですよ。
おたがい「よりいい乳牛を育てたい」というライバル同士でもあるんですが、いろいろな意見交換もしますし、結束力があると思います。

「東京牛乳」も地元の酪農家とメーカーとの連携から生まれた、地産地消のブランドといえます。

—では逆に、この仕事をしていて大変だなと思うことはありますか?

 うーん。やはり手間も時間もお金もかかる仕事にもかかわらず、なかなか利益として還元されないことでしょうか。景気の影響もあって消費者の方々も大変だとは思うのですが、水よりも安く牛乳が売られている時はちょっと考えてしまいます。
牧場見学に来たこどもの「この風景を守ってほしい」という願いも、継続できなければ残念ながら叶えることができませんよね。

乳牛は生まれてから乳が搾れるようになるまで約2年かかります。それまで、まず大事に育て上げなければ。
牛がいて、自然が守られて、そしてみなさんの食卓に毎日ちゃんとおいしい牛乳を届け続けることができるように、ぜひ理解していただけたらと思います。
 
—お話を聞いて、毎日の食卓に牛乳がある幸せをつくづく考えてしまいました。

前田さんのこだわり拝見

立派に育てた乳牛をさらに美しく

 美牛コンテストでは、体格や乳房のかたちなども見られますが、毛づやのよさも重要な見せ場。
丹精込めて育てた乳牛にさらなる愛情を注ぎながら、1ヶ月以上も前からキレイに磨きあげていきます。



共進会に向けた道具たち

 見事な美牛へと仕上げるために、こだわり抜いて揃えた道具一式。毛を刈り揃えるバリカンやはさみ、ツヤをだすスプレーやブラシ。
手塩にかける思いが伝わります。



人とのふれあいでおだやかな乳牛に

 地元の人々とのふれあいが、牛を人なつこく、おだやかに育ててくれます。
この日は、牛が大好きというお孫さんを連れた方が通りがかりました。子牛は興味津々、ボクはにっこり。



 ※このインタビューは2009年時点のものです。
 下記から他の仕事人のインタビューもご覧ください。

2015年3月1日

次へ

ページトップへ