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ミルクの仕事人 食人(しょくにん)インタビュー

「牛乳と和食の相性はいかに?」 和食の道で55年の食人(しょくにん)に注目!

—ミルクの仕事人 食人(しょくにん)インタビュー—
ほわいと(2010・秋号より)

今回は、懐石料理でもてなす料理人にお話を伺いました。

牛乳・乳製品を料理に使うとなると洋食のメニューを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

そこで、和食料理と牛乳・乳製品の相性について、東京・新宿で懐石料理の名店を構える後藤さんにお話を伺いました。


東京・新宿 懐石「龍雲庵」 後藤紘一良さん
 

— 懐石料理とはどのようなものですか?

季節をとらえて、一番よい状態の食材を、そのままの持ち味をいかしてもてなす料理です。
華美な印象をおもちの方もいるようですが、余計な飾りはなく実にシンプルです。

そもそもお茶事にご招待したお客さまをもてなすものですから、献立も相手のことを考えて作ります。彩りや香り、あたたかいもの、冷たいものを織りまぜながら、全体の起伏に心を配って、ちょうどよいと喜んでいただけるものをと考えています。

懐石料理の勉強会も開いているのですが、若い人、お茶の先生、料理人とさまざまな人が参加されます。
懐石料理には、日本の伝統を今に受け継ぐ礼儀作法がありますから、料理や盛りつけなどの作法だけでなく、マナーを学ぶ面でも興味をもたれている方がいるようです。

— そのような伝統の料理に、牛乳・乳製品は登場しますか?

献立全体の起伏を考えた時に、料理人それぞれのもてなしの工夫として使うことはあるのではないでしょうか。
たとえば、チーズを包んで揚げたり、アワビをバターでソテーしたり、牛乳を茶わん蒸しに加えて味に深みを出すのもいいかもしれません。

私は以前、とあるテレビ番組に出演した際に、牛乳の炊き込みご飯を考案したことがあります。
だしの半分に牛乳を使い、白みそと酒で味つけし、具材には野菜や魚介類を使いました。
白くふんわりと炊き上がるご飯に、魚介の色が映えてとてもよいと思いました。
牛乳は今やこどもの時から慣れ親しんでいる味ですし、栄養価に優れている点からも和食に取り入れてよいと思います。

特に、みそとの相性はいいですね。互いのもつクセを消して、おいしいところを引き立て合える仲です。
赤みそ(八丁みそ)は渋み・苦みがあるので通常は白みそなどと合わせみそにして使いますが、牛乳と合わせるとまろやかになっていいと思います。
おふくろの味といえば、みそ汁。このみそ汁にも牛乳を使うととてもおいしいですね。

— ほかにはいかがでしょうか?

ごま豆腐を作る時に牛乳を練りこんで作るのもよさそうですね。
牛乳くずもちのような状態になるのですが、だしで割ったしょうゆにワサビを添えれば、気のきいた一品に。
黒蜜・きな粉を添えればデザートにもなります。

水無月という小豆とくずで作る和菓子があるのですが、そこに牛乳を加えてもおいしいと思います。

— さて秋を迎えて、後藤さん流にミルクを使った料理でおもてなしするとしたら?

そうですね。舞茸やしいたけなど、キノコがおいしい季節ですから、さまざまなキノコを取り合わせてミルク鍋というのはいかがでしょうか。

キノコからいいだしが出て、とてもおいしいと思います。肉や魚などは入れなくても十分。
柚子の香りを添えて「七茸ミルク鍋」なんて名づけて出したいですね。その考えで、炊き込みご飯にしてもよいかと思います。

料理を作っていてうれしいと思う時は、いい食材に出会い、それをどう料理しようかと考えてお作りしたものを、お客さまに喜んでいただけた時。
「おいしかった」という、そのひとことが何よりです。その時々の一番いいものを一番いい状態で味わっていただきたいと心を込めて作っていますから、残さず食べてもらえたらとてもありがたいと思います。


— 
食材を慈しみ、おいしく味わってもらいたいと心を尽くす和の料理。牛乳も同じ気持ちでお届けしています!

後藤さんのこだわり拝見

龍雲庵の名の由来となった一文

「龍となれ 雲自づと来たる」。
これは武者小路実篤による言葉。店名の由来になりました。

「龍が上をめざして昇っていけば、自然と雲が湧いて来るように周りや人がついてくる」という意味です。縁あって実篤直筆のこの書に出会い、お店に飾って15年くらいになるそうです。



故郷の酒蔵で仕込んだオリジナルの銘酒

後藤さんの故郷は飛騨高山。和食の道に入ったのも岐阜県高山にある宗和流本膳料理「洲ざ起」でした。
その故郷にある酒蔵、川尻酒造にてオリジナルの熟成古酒を作ってもらっています。その名も「龍雲」。後藤さんの熱い志にふれるかのような銘酒です。


その季節の一番いいものを取り合わせて

季節の素材にこだわるという後藤さん。
お店を飾る花や絵、しつらえなどからも、そのこだわりを感じます。

夏場の取材でしたのでナス、オクラ、トウモロコシなど夏野菜を使ってミルク料理を作ってくださいました。
揚げた野菜を、みそ風味のグラタン仕立てにして。

   
取材協力 :懐石「龍雲庵」 東京都新宿区新宿1-18-3 ルーツビル1階
懐石料理をもっと知りたい方へ。後藤紘一良著「やさしい懐石料理 弁当・点心」(旭屋出版)が出ています。
※ご紹介した料理は、普段お店で提供しているものではありません。
 ※このインタビューは2010年時点のものです。
 下記から他の仕事人のインタビューもご覧ください。

2015年5月8日

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