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ミルクの仕事人 食人(しょくにん)インタビュー

「ミルクのおいしい使い方は?」ミルク使いが得意な洋菓子食人(しょくにん)に注目!

—ミルクの仕事人 食人(しょくにん)インタビュー—
ほわいと(2010・冬号より)

今回は、ウィーン菓子のパティシエにお話を伺いました。

牛乳・乳製品を使った料理を得意とする料理人といえば、パティシエもそのひとり。

そこで、牛乳・乳製品と洋菓子のおいしい関係について、神奈川県川崎市でウィーン菓子の人気店を営む横溝さんにお話を伺いました。


神奈川県川崎市 ウイーン菓子工房「リリエンベルグ」横溝春男さん
 

— 普段、お菓子作りで大切にしていることは?

お菓子を通して、人を喜ばせたいという気持ちが何よりも大切だと考えています。
そのために、リリエンベルグができることは「作りたてのお菓子をご提供し続けること」。

できたてにこだわるのもその通りですが、重要なのはそれを続けることです。
一般的に日もちするイメージのある焼き菓子も、2~3日しか店頭に並べません。
というのも、焼き菓子は焼きたての香ばしさが命。香ばしい風味はそれほど持続しません。

また、スポンジカステラは朝に焼いたもののみ販売。
ガトーショコラも一切冷凍せず、前日に焼いたものを翌日仕上げています。

冷凍したものには、できたての風味がありませんからね。
常においしいお菓子を召し上がっていただくためには、いかに鮮度を保つかということが重要です。

できたての香りを大事にしたお菓子こそが、リリエンベルグのお菓子作りと考えています。
 

— シェフおすすめの牛乳・乳製品を使ったお菓子は?

牛乳・乳製品を使ったお菓子は、たくさんあり過ぎて選ぶのが難しいですね。

ウィーン菓子の代表的なケーキ「ザッハトルテ」はいかがでしょう。
ザッハトルテはバター、チョコレート、小麦粉、メレンゲなどを混ぜ合わせた生地に、チョコレートアイシングをかけてコーティングしたパウンドケーキです。

泡立てた生クリームをケーキにたっぷりかけて召し上がってください。実に濃厚な味わいが広がりますよ。

また、ミルクキャラメルのコンフィチュールは、ご家庭でも簡単に作れるおすすめのジャム。

作り方は、牛乳、生クリーム、グラニュー糖にバニラビーンズを入れ、そのままじっくり煮詰めるだけ。
半分ぐらい煮詰まったら、ハチミツを加え、ひたすらペーストになるまで煮詰めます。

ヨーグルトやお好みのナッツを入れるなど、また違った味のミルクコンフィチュールを作ってみるのもよいですね。
 

— 洋菓子において牛乳・乳製品使いのコツは?

たとえばモンブランのマロンペーストは、栗を圧力鍋で炊き上げ裏ごしし、バターと少量の砂糖を入れて作ります。

ただ、栗の状態により、しっとりとせず、かたくなってしまうことがあります。そのような時は、生クリームではなく牛乳を使います。
生クリームのリッチな味わいは、逆に栗の風味を飛ばしてしまうので、牛乳の方が上手に素材の風味を残してくれます。  

ところが、ダックワーズの場合は違います。大粒の栗とマロンペーストを乗せ、その周りに生クリームをたっぷり搾ります。
口の中で、それぞれを混ぜ合わせることで何とも絶妙な味わいに。

それなら、初めからマロンペーストに生クリームを入れてもいいのではと思われますが、まるでおいしさが変わってしまいます。

これが、お菓子作りの面白いところですね。

リリエンベルグは、近隣の人たちに愛されるお菓子作りをモットーにしています。
ただ、ウィーン菓子をそのまま日本に伝えるのではなく、みなさまにおいしいと感じていただけるような独自のアレンジを加えています。

私たち作り手が舌を通しておいしいと思うものだけをお店に並べていくこと。それこそが本当の職人技であると考えています。


— 素材のうまみや香りなど、こだわり抜いたお菓子の数々。牛乳は、そんな繊細な洋菓子の世界を支えているんですね。

横溝さんのこだわり拝見

洋菓子作りのコツは引き算にあり!

リキュールや香料、何種類もあるフルーツなど、さまざまな材料を組み合わせることが多い洋菓子。
どんどん加えることで味が複雑になり、素材がもつ本来のおいしさが損なわれます。

おいしさに不要なものは迷わずすべて取り除く!これこそがリリエンベルグ流です。



一番おいしい時季のフルーツを

「できるだけ季節を感じるお菓子であってほしい」と語る横溝さん。
フルーツは、1年の中でもっともおいしい“旬”“はしり”の時季のものだけを使用するよう心がけているそうです。

気になるフルーツが見つかれば、すぐに取り寄せるほどのこだわりも。




道具へのこだわりもおいしさの秘訣

コンフィチュールを作る時に、実際に使用している鍋。
スイスのレマン湖付近の村で購入しました。

どんなに煮詰めてもあふれ出ない特殊な形状。
取っ手が熱くなりにくいため、中身が熱くても持ち運ぶことができます。

道具へのこだわりも、お菓子作りのポイントなのですね。


   
取材協力 :ウィーン菓子工房「リリエンベルグ」
神奈川県川崎市麻生区上麻生4-18-17 http://www.lilienberg.jp/
コンフィチュールについてもっと知りたい方は、横溝春雄著「リリエンベルグのコンフィチュール」(誠文堂新光社)をご覧ください。
 ※このインタビューは2010年時点のものです。
 下記から他の仕事人のインタビューもご覧ください。

2015年7月1日

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