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ミルクに学ぼう

食育実践記 ミルクはいろんなおいしさに

バターやチーズ、アイスクリーム…牛乳から作られるおいしい仲間たち

毎日飲んでいる牛乳も、いざ原料となると、さまざまな乳製品に姿を変えて、ひと味違うおいしさに。では、牛乳はどのような工程を経て、それぞれの乳製品になるのでしょう。今回は杉本さんと佐藤さん親子が、静岡県にあるオラッチェ牧場の工房を見学し、乳製品の手作り体験に挑戦しました。

工房を見学しよう!

着替えて帽子をかぶり、靴をはきかえたら準備はOK!清潔な工房の中へ
この工房では、牧場内の牛舎でしぼられた牛乳を使ってチーズとバター、アイスクリームを製造しています。作るところが見学できると、こどもたちはさっそくワクワクの顔。

アイスクリームは、まず、牛乳と砂糖などの材料を大きな機械に入れて混ぜ合わせます。フリーザーで凍らせながらさらに混ぜ合わせ、最後にカップへ充てんすれば、おなじみのカップアイスのできあがりです。

チーズ工房ではカマンベールチーズ作りを見学。チーズのもとになるもの(カード)を型詰めして水分(ホエー)を取り除いたら、スプレーで白カビを吹きつけていきます。これを32℃の発酵室で一晩寝かせ、さらに二段階の熟成室へ。中まで柔らかくなったらできあがりです。

バターは、クリームを大きなドラムのようなバターチャーンという機械に入れ、ぐるぐると回して作られます。回っているうちにバターのもととなるかたまりと水分(バターミルク)に分かれます。クリームをぐるぐる回すだけでバターができることに、こどもたちは感心!


▲チーズが静かに熟成されている熟成室を見せてもらいました。湿度を一定に保つため、床には水がはってあります。

乳製品を作ってみよう!

おいしくできるかな? 自分の手で作るのって疲れるー!
ここでは乳脂肪分45%以上の生クリームを使って作りました。生クリーム約80mlを清潔なビンに入れてしっかりふたを閉め、上下に振りながら作ります。工房では大きな機械がぐるぐる回っていた工程です。

少しずつ脂肪の粒が現れると「あ!粒になった」とうれしそう。これは乳脂肪の粒子がくっついて大きな粒になったものなのです。15分ほど振り続けると、粒はさらにくっつきあって大きなバターのかたまりになりました。最後まで「一人でやってみる」と振り続けた晃一君もやっと完成!思わず「手が疲れた~」

作りたてのバターはクラッカーにつけて味見。分離した水分のバターミルクも味見をしてみたら「あれ!牛乳の味がするよ」。これは脂肪が除かれた無脂肪牛乳だからです。





■アイスクリームを作ろう!
次は大好きなアイスクリームに挑戦!「がんばるぞ~」とはりきるこどもたち。ボウルに卵1個を割りほぐし、生クリーム200mlと牛乳100ml、砂糖小さじ5杯程度を加え、よく混ぜ合わせます。そして凍らせておいたアイスクリーマーの中へ。最初は少しずつ凍っていくので、ゆっくりとハンドルを回します。トロリとした液体が、だんだんとアイスクリームらしくなってきました。全体が凍ってハンドルが重くなってくると、こどもたちはさらに力を込めて回します。右の次は左へと交互にハンドルを回していくうちに空気が混ぜ込まれ、やがてフワフワとなめらかなクリーム状に。いよいよ完成です。「自分で作ったアイスクリーム、とってもおいしい!」と桃香ちゃんも満足顔。




■カッテージチーズを作ろう!
カッテージチーズは本来、酵素や乳酸菌の働きで作られますが、手作りタイプのカッテージチーズは牛乳とレモン汁を使って作ることができます。

まず、牛乳600mlをあたためたら、フツフツしてきたところでレモン汁大さじ3杯を加えて混ぜます。すると酸の力で牛乳の中のたんぱく質がかたまりだしました。火を止めかたまりができた牛乳を布巾でこして、軽くしぼっていきます。まだ少し熱いので布巾の端と端を持って、緊張した表情でしぼるこどもたち。そして布巾を広げて見ると、かたまりが。これがカッテージチーズです。「ちゃんとチーズの味がするね」

オラッチェ牧場のおじさんのおすすめで、細かく刻んだドライフルーツやナッツ、ハチミツを加えて、特製チーズペーストを作ってみました。

こした牛乳の残りはカルシウムがたっぷり含まれる「ホエー」という液体です。「どんな味だろう?」と飲んでみたら、レモンを使っているのでちょっとすっぱい味。そこで、ひと工夫。レモンやオレンジなど果汁を加え、ハチミツで甘みをつけたらおいしいドリンクに変身しました。

 



乳製品を食べくらべてみよう!

混ぜたり、あたためたり。牛乳からいろんな食べ物ができました
牛乳を使っていろいろな乳製品の手作りに挑戦したこどもたちは、完成した作品を前に大満足。どれもとってもおいしくできあがりました。作る工程でも次々におもしろい発見がありましたが、さて味くらべをしてみると…。

まず晃一君と桃香ちゃん、それぞれが作ったアイスクリームを食べくらべしてみました。すると、まろやかさや風味などどちらも違った味わいです。「同じように作ったのに、味が違って不思議」と桃香ちゃん。お母さんともども、何で違うのかしらとしばらくワイワイ。他にも、チーズはカマンベールチーズとゴーダチーズ、カッテージチーズなどを食べくらべして、食感やコク、香りなど、それぞれが持つ味わいに「私はこれが好き」などと感想を披露しました。

日頃から親しんでいる乳製品は、牛乳の性質を利用して凝固させたり、発酵熟成させたりして、おいしく栄養豊富にした昔の人の知恵が生きている食品です。毎日の食卓でも、その乳製品がどうやってできたのか、こどもたちといっしょに考えてみるのもいいですね。


体験しての感想

 ● 佐藤さん親子
「料理好きでよくレストランごっこをして遊んでいます。お手伝いも得意だから今日は楽しかったのでは」 
「機械の中で牛乳を混ぜる大きな羽が回っているところがおもしろかった!」(桃香ちゃん・5歳)

▲桃香ちゃん・5歳

● 杉本さん親子
「牛乳はコーンスープに入れて飲むのがお気に入り。チーズも好きなので手作り体験ができて良かったです」
「作っているところが見られたカマンベールチーズはお父さんも大好き。いつもおつまみにしているよ」(晃一くん・6歳)

▲晃一くん・6歳

食育コラム:「伝えたい」ほど楽しい体験 管理栄養士 吉川直美さん

 「工場で作るもの」と思っていたアイスクリームやバターも、変化しながらできあがっていく様子を見届ける手作り体験は、おとなもやってみたくなるほどの楽しい体験です。

この工房の敷地内には牛舎があったので、牛さんからしぼられたお乳が、おいしい乳製品になることを実感できたようです。

お友だちにその様子を伝えたくて描いた絵は、そんな「伝えたい」気持ちにあふれています。楽しい体験は、誰かに伝えたくなるもの。おとなになるまでに、そんな経験がたくさんできるといいですね。

▲桃香ちゃん作
体験後に描いて、お友だちに披露しました。


【取材・撮影協力】
伊豆丹那の酪農王国オラッチェ 静岡県田方郡函南町丹那349-1
TEL.055-974-4192(代) http://www.oratche.com
※ 工房見学は特別な許可をいただいて行っております。通常は入れません。
※ カッテージチーズ作り体験は、オラッチェでは行っておりません。

2005年12月1日

ほわいと(2005冬)より

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