• 牛乳ができるまで
  • 乳製品の種類
  • おいしい活用法
  • 学校給食
  • 乳製品の歴史
  • 牛乳の栄養
  • ナレッジ
  • 気になる情報

ミルクに学ぼう

食育実践記 牛乳工場をたずねて

おいしさに安心をプラス 牛乳が出荷されるまで

牧場でしぼられた生乳が私たちの手元に届くまで、さまざまな工程で多くの人たちが仕事をしています。 今回は、須藤さんと加藤さん家族が日本ミルクコミュニティの野田工場を訪問。牛乳の製造ラインを見学してきました。 

「この車いっぱいに牛乳が詰まっているの?」生乳を運ぶタンクローリー車。

牧場でしぼって集められた生乳(牛からしぼったままの乳のこと)は専用のタンクローリー車で工場に運ばれます。勢いよく撹拌されると脂肪が分離してしまうので、タンクローリー車では生乳が撹拌されないようにドライバーはいつも静かな運転を心掛けています。

工場について最初にするのは計量です。運ばれてきた生乳の量は40tまで量ることができる計量器で、車ごと量ります。生乳を届け終わるとタンクローリー車は帰るときにもう一度ここで重さを量ります。そうすると工場に届けた生乳の重さがわかるという仕組みです。重さのデータはすぐにコンピューターに入力されます。 
 
▲朝、タンクローリー車が次々に牧場から到着。この工場では1日約10台のタンクローリー車が生乳を運んできます。
次に、検査用の生乳を少し抜き取って検査室へ。生乳に含まれる菌の数や風味など12項目の検査をします。この検査のすべてに合格して、はじめて生乳は工場の大きな冷蔵タンクに移されます。

「もし検査に合格しなかったらどうなるの?」と受入係のおじさんに質問してみると、「検査に合格したものしか受け取らないので、そのまま帰ってもらうしかないですね。」との答え。おいしくかつ安心して飲める牛乳作りのために、厳しい姿勢でのぞんでいるのです。 
 
▲牛乳ビンなら30万本分の大きなタンク。4℃まで冷やして貯蔵します。

安心な牛乳を作るために、働く人も機械も、工場内は清潔第一。

いったん冷蔵タンクに貯えられた生乳は、まず清浄機で遠心分離にかけられ、目に見えない小さなゴミまで取り除かれます。それから均質化という工程で、生乳中に含まれる脂肪の粒を小さくします。生乳を狭いすき間から強い圧力で押し出し、脂肪の粒を砕いて均一の小さな粒にするのです。「どうしてそうするの?」と質問するこどもたち。こうすることで、牛乳の脂肪分が上に浮いてくるのを防ぐことができ、同時に牛乳の脂肪がお腹のなかで吸収されやすくなるのです。

それから、130℃で2秒加熱する方法で生乳を殺菌します。「お鍋で沸かすみたいに温めるのかしら?」。工場では、熱交換プレートと呼ばれる金属板を何層にも重ね合わせた殺菌機に生乳と熱水を交互に通して、熱水の熱で生乳を加熱殺菌します。こうすると風味が保たれたまま殺菌ができるのです。殺菌後はすぐに4℃まで冷やされます。

生乳は栄養豊富なので細菌が繁殖しないために徹底した衛生管理を行います。空気に触れないように機械から機械へとパイプラインで移動させ、温度は常に4℃で管理しています。 
 
▲殺菌工程で使われる熱交換プレート。生乳はこのプレートとプレートのすき間を通り抜けている間に殺菌されます。

牛乳パックになってどんどん出てくる!1つのラインで1時間に14,000本の牛乳が生産されます。

殺菌後、はじめて生乳は「牛乳」と呼ぶことができます。冷却された牛乳は紙パックやビンに詰められます。

給食用などの200mlサイズから家庭用の1リットルサイズ、そしてガラスビンに入ったタイプまで、製造ラインごとに流れていきます。紙パックは充てん機のなかで組み立てられ、そこに牛乳が満たされ、次々に密閉されて出てきます。ラインを流れていく牛乳パックの多さと速さにびっくり。「本当は大きな1リットルパックなのに、広~い工場の中では小さいパックに見えるよ!」

出荷に向けたこれらの工程でも検査は行われます。それぞれの工程ごとに決められたサンプルを抜き出して検査にまわします。さらに賞味期限の日付などを印字し、重量をチェック。金属検知器による検査の後、出荷用のケースに収納して冷蔵倉庫で出荷まで保管します。

このように製造ラインは毎日朝の5時頃から夜遅くまで稼働しています。野田工場では牛乳だけでなく加工乳、乳飲料なども含め、1日に約320tもの量を生産しています。牛が休みなくお乳を出すように、それを引き受ける工場も毎日休みなく稼働して牛乳を作っているのです。そして、終業後には製造ラインの洗浄作業がはじまります。たくさんの牛乳を作る工場では衛生管理がとても重要ですから、こうした洗浄作業が毎日きちんと行われるのです。 
 
▲次々にあらわれる牛乳パック。夜には出荷され、翌日お店に並びます。

体験しての感想

●須藤さん親子(神奈川県在住)

「小さい頃から牛乳が大好きな子です。最近はお父さんも自分で作るコーヒー牛乳にこっているんですよ」「ストローを牛乳パックに自動でつける機械が面白かった。ほしくなっちゃった」(梓ちゃん)

●加藤さん親子(東京都在住)

「だいたい1週間に1リットルパックを4本ぐらい飲みます。牛乳にコーヒーやジュースを混ぜて凍らせるおやつ作りを楽しんだりしています」「いろいろなかたちの牛乳が作られているのが見られて面白かったです」(早紀ちゃん) 
 

食育コラム:「見学」を「体験」にする方法

 
管理栄養士
吉川直美さん
いつも飲んでる牛乳が、どうやって自分たちのところに届けられるのか?知ってはいても、実際に見たことがある人は意外に少ないような気がします。実は、私もその一人でした。ピカピカ光るタンクローリー車を、ときどき見かけたことはありましたが、工場に行ってみてはじめて「あっ!あれが牛乳を運んでいたんだ」と気づき、とても身近なものに感じました。

牛乳工場の見学では、こどもたちが製造工程の一部を体験できるところがなく、まさに「見学」なのですが、工場の中でどうして牛乳が見えなかったのか、その理由を考えてみるといいのかもしれません。お父さんやお母さんたちと、今日見たものについて会話することで、こどもたちにとって「見学」が「体験」に変わります。 
【取材・撮影協力】
日本ミルクコミュニティ株式会社 野田工場
千葉県野田市上三ケ尾字平井256-1 TEL.04-7122-2246(見学担当直通) 

2005年9月1日

ほわいと(2005秋)より

戻る

次へ

ページトップへ