文献の要約
- 脂質に含まれるリノール酸、EPA、DHAなどの脂肪酸と、動脈硬化やコレステロール値との関連を明らかにしている。
- 動脈硬化を引き起こす要因は、LDL(悪玉コレステロール)そのものではなく、LDLの酸化が問題であることがわかった。
- リノール酸のコレステロール低下作用は、総エネルギー摂取量に占めるリノール酸の比率が15%を超えるとHDL(善玉コレステロール)が低下することがわかった。
【参考文献】
「脂質栄養学の最前線〜脂質栄養と動脈硬化〜」
●国立健康・栄養研究所臨床栄養部 近藤和雄・岩本珠美
*出典:日本油化学会誌 第46巻 第10号(1997)《P133〜141》より
ここがポイント!
動脈硬化予防というと、そのひとつとして「コレステロールの多い食事を控える」ことが取り上げられがち。
ところが、この研究によると動脈硬化を引き起こすのはコレステロールそのものではなく、LDLが酸化して変性してしまうのが問題だとしています。
酸化変性してしまうと、本当の悪玉になってしまうのです。
LDLの酸化を防ぐためには、ビタミンE、β-カロテン、ビタミンCなどが活躍しますが、n-3系の脂肪酸であるEPAやDHAの効果も見逃せません。
エスキモー(イヌイット)に動脈硬化が少ない理由として、EPAやDHAの値の高さも指摘されています。
この研究報告からも、バターなどに含まれるコレステロールそのものは、過剰摂取しない限り直接動脈硬化とは結びつかないこと、バランスのよい脂肪酸摂取とn-3系の脂肪酸のメリットが実証されています。
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