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第45回 明治・大正期における 「牛乳・乳製品」論の系譜

2016年12月2日開催



 私たちの生活に牛乳が定着したのは、戦後の学校給食からと思われがちですが、果たして本当でしょうか?
 さかのぼること幕末の開国後、西洋食文化の影響により、乳製品も文明開化を象徴する食品として注目され始めます。1870年代以降、その正しい知識を解説する翻訳書が出まわり、なかでも牛乳は高く評価され、病気療養時の栄養補給品として、また母乳の代用品として利用する海外の考え方が方々で紹介されました。
 1880年代には、主婦を対象とした育児書や家政書、小児科医、産科医、助産師、看護師らを対象とした多数の指南書が上梓され、1890年代以降、小児科医や医学博士たちによって、牛乳の安全な利用法が詳述されるようになり、1900年代には、詳細な検査基準について学んだ著者たちによって、家庭向けに咀嚼された内容が伝えられました。
 さらに、1910年代には、児童の体格改良に適した優良食品として、学校や家庭での積極的な飲用・利用が奨励され、この傾向は1920年代にいっそう盛んになっていきました。明治・大正期、牛乳・乳製品が家庭に普及し、定着していく過程は決して順風なものではなく、時に危険視もされがちだった中で、そうしたイメージの払拭に挑み、日本の子供の未来を守ろうと、今日の家庭生活における乳製品摂取習慣への道筋をつけた先人たちの奔走の軌跡を、当時の文献を丹念に追うことで紐解いていきたいと思います。
(2016年12月2日開催) 

講師:東四柳 祥子
(ひがしよつやなぎ しょうこ)先生
梅花女子大学食文化学部食文化学科 准教授

主な略歴:2005年 国際基督教大学大学院比較文化研究科博士後期課程博士候補資格取得、2012年 梅花女子大学食文化学部食文化学科講師、2016年から現職。
(一社)日本家政学会食文化研究部会常任委員・地区委員(関西)
(一社)乳の社会文化ネットワーク乳の社会文化情報収集委員
農林水産省:「和食」の保護・継承に関する検討会委員(2015年まで)
和食文化国民会議調査・研究部会幹事
農林水産省:特定農林水産物等の名称の保護に関する法律に基づき意見を聴取する学識経験者会合総合検討委員(食文化担当)を務める。
 著書に、『近代料理書の世界』(ドメス出版、2008)(共著)、『日本食物史』(吉川弘文館、2009)(共著)、Japanese Foodways Past and Present( Univ of Illinois Press、2010)(共著)、『日本の食文化史年表』(吉川弘文館、2011)(共編)がある。

主要研究テーマ:比較食文化論、料理書文化の国際比較受賞歴:(一社)日本家政学会食文化研究部会 石川松太郎食文化研究奨励賞受賞(2012)、乳の社会文化ネットワーク 平成26年度「乳の社会文化」学術研究最優秀賞受賞(2015)

所属学会:(一社)日本家政学会食文化研究部会/日本家政学会
 

メディアミルクセミナーとは

メディアミルクセミナーは、主に、医学・栄養学・食品科学の専門家による栄養と健康をテーマにしたメディア向け勉強会で、年に3回程度開催されています。
セミナーでは、毎回、牛乳乳製品の持つ栄養健康機能についての最新の研究成果や知見も報告されています。
毎回のセミナーの内容は、下記のニュースレターとして取りまとめられています。
牛乳乳製品の栄養健康に関する最新の情報がご覧いただけますので、どうぞご活用ください。

2017年4月4日

第45回 明治・大正期における 「牛乳・乳製品」論の系譜 - 見直されたその価値と摂取意義 -

このセミナーの内容をまとめたニュースレターです。

■飛鳥時代に端を発する日本における乳製品史の幕開け
■明治期以降に乳製品事情が激変、注目される一方、人々にはとまどいも
■西欧の知識が翻訳で伝わり牛乳の育児における使用の推奨も
■大正期に入り、乳製品を家庭に取り込む動きも活発化
■児童期の牛乳飲用を勧める動きが活発化 学校での利用も盛んに

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