j-milk magazine ほわいと 2007春
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ミルク解体新書 第8回 ヨーグルト学
発酵乳のひとつであるヨーグルト。爽やかな風味が特徴です。
含まれる乳酸菌の働きに期待して、健康づくりのために積極的に食べている人もいるようです。
牛乳だとお腹がゴロゴロするという人でも、ヨーグルトなら大丈夫。
その栄養や働き、味わいの魅力を知って、もっと毎日楽しんでみませんか。
■ヨーグルトは古くから親しまれてきた乳製品
ヨーグルトは、乳に乳酸菌を加え、発酵させた乳製品です。紀元前数千年、人間が牧畜をはじめた頃から作られています。原料は、牛乳だけでなく、水牛、山羊、羊など哺乳動物の乳が使われます。牛乳、水牛の乳から作るインドの「ダヒ」、馬の乳から作るモンゴルの「クーミス」など、世界各地で特色のあるヨーグルトが食べられています。

この「ヨーグルト」という言葉は、古代トルコの「乳から作った酸っぱい発酵乳」をさした「ユーグルト」が語源になっています。

日本でヨーグルトは、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」で、種類別「発酵乳」とされていて、成分の規格は、無脂乳固形分(牛乳から乳脂肪分と水分を除いた成分)が8.0%以上で、乳酸菌数または酵母数が1000万/ml以上と定められています。
■どのタイプでも栄養にすぐれたヨーグルト
ヨーグルトには、いろいろなタイプがありますが、成分規格が決められているので、どのタイプでも、たんぱく質やカルシウム、乳酸菌の効果は、ほぼ同じです。

食べるヨーグルト(糊状)
牛乳などを乳酸菌で発酵させただけのものをプレーンヨーグルトといいます。そのほか寒天やゼラチンで固めたり、フルーツを加えたデザート感覚のものもあります。

のむヨーグルト(液状)
発酵後、固まったヨーグルトを攪拌して液状にしたものです。

フローズンヨーグルト(凍結状)
発酵したヨーグルトを攪拌しながら、空気を混入して凍結したもので、冷凍保存中も定められた数の乳酸菌が生きています。

製造方法は、種類によって異なります。原料をタンクで発酵させてから、容器に充てんする「前発酵タイプ」と、原料を容器に充てんした後に発酵させる「後発酵タイプ」の2つのタイプに分けられます(図1 ヨーグルトの製造方法)。

ヨーグルトの製造方法
■さまざまな特徴をもつ乳酸菌
ヨーグルトを製造する上で、なくてはならない乳酸菌は、糖類を分解して多量の乳酸などを生成する細菌の総称で、1857年にパスツールによって発見されました。

乳酸菌は、広く自然界に存在し、人や動物の消化管にも生息しています。みそ、しょうゆ、漬物、チーズなども乳酸菌の働きを利用して作られています。

ヨーグルトの製造に使われている乳酸菌は、ブルガリア菌、サーモフィルス菌、ビフィズス菌、アシドフィルス菌などです。

乳酸菌の種類ごとにさまざまな特徴をもつため、乳酸菌の組み合わせ方により、製品ごとに風味や味、機能などが変わってきます。
ヨーグルトの中の乳酸菌(球菌と桿菌)
■ヨーグルトの乳酸菌による効果
乳酸菌には、いろいろな効果がありますが、代表的なものには、次のようなものがあげられます。

(1)整腸作用…消化管の有害菌を抑え、菌叢(きんそう)を正常にする。腸内腐敗を抑える。消化管の運動 を促進して便通を整える。

(2)消化吸収の促進…牛乳を乳酸発酵することにより消化吸収を促進する。

(3)免疫力を高める…病気に対する抵抗力をつける。

(4)アレルギー症状をやわらげる…花粉症など。

また牛乳を酸性にすることで保存性を高め、風味を高める効果もあります。

乳酸菌は、胃酸や胆汁酸の影響を受けて、腸まで生きて届くことができないものと、生きて腸に届き効果を発揮するものがあります。しかし死んでしまった菌も、有害物質を吸着して排出させたり、免疫機能を高めてウイルスや病原菌からカラダを守ったり、体内で有効に働きます。
■ヨーグルトの栄養価
牛乳は、それ自体栄養価の優れた食品ですが、ヨーグルトは乳酸発酵により、牛乳にはない機能性が加わった食べものに変化しています。

ヨーグルトに含まれるたんぱく質は、乳酸発酵により一部分解されているので消化吸収しやすく、また、乳糖の一部も分解されているため、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロする人にもおすすめです。

またヨーグルトは、ビタミンCが少なく食物繊維は含まれませんから、フルーツとの組み合わせはおすすめです。味わいの相性も抜群です。ただし、生のキウイフルーツ、パパイヤ、パイナップルなどには、たんぱく質分解酵素が含まれ、その酵素の働きにより、苦みを感じることがあるので、これらのフルーツと組み合わせる場合は、すぐに食べるようにしましょう。
■いろいろな食べ方で、毎日おいしく健康に
ヨーグルトはそのまま食べるだけでなく、爽やかな風味を生かしたさまざまな料理に利用されます。

ヨーグルトとフルーツやシリアルの組み合わせは、栄養学的にもすぐれているので、朝ごはんには最適です。

また、ドレッシングの材料として使うと、カルシウムの摂取量を増やせるだけでなく、エネルギーを抑えることができ、食物繊維が豊富な野菜をおいしく食べられます。

カレーなどの煮込み料理に加えると、ヨーグルトの爽やかな風味により、味わいをまろやかにすることができます。

調理に使うと、肉や魚の臭いを吸着したり、漬け込むことでやわらかく仕上がるなどの効果があります。

■ヨーグルトのおいしさを保つ保存方法
乳酸菌は、温度が高いと活動が活発になって酸度が高くなり、味が酸っぱくなったり、水分(ホエー)が分離する原因になります。10℃以下の冷蔵庫で保存すると、乳酸菌は活動せず、風味を長く保つことができます。

ヨーグルトの上部に出てくる水分はホエー(乳清)といい、たんぱく質やミネラル、ビタミンなどの栄養分が豊富に含まれています。牛乳のたんぱく質(カゼイン)が乳酸によって固まっていたものが、振動を加えたり、スプーンなどですくったときに、そのつなぎめが切れて分離してしまうことにより出てきます。冷蔵庫では、ドアポケットに入れると、開閉の振動でホエーが出やすくなりますのでご注意を。ホエーは捨てずに、ヨーグルトと混ぜて食べましょう。

ヨーグルトの体内での効果は、毎日続けて食べることで得られるもの。楽しみながら毎日の食事の中にヨーグルトを取り入れていきましょう。
プロバイオティクスの力にご注目
最近よく聞く「プロバイオティクス」。プロバイオティクスとは、「人の健康に有益な働きをする生きた微生物」のことです。抗生物質(アンチバイオティクス)に対する言葉で、共生(プロバイオシス)が語源です。プロバイオティクスの代表的なものが乳酸菌です。乳酸菌にはおなかの調子を整える、免疫力を高める、アレルギー症状を緩和する(花粉症)、有害菌を抑制する(ピロリ菌)などさまざまな効果があります。「おなかの調子を整える」などのカラダへの効果が認められたヨーグルトには、厚生労働省が認めるトクホマークが。トクホマークにも注目しながら、自分のカラダにあったものを選んでいくのもよいでしょう。
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