IDF事務総長からの最新情報


酪農乳業の積極的な貢献
キャロライン・エモンド、IDF事務総長
 
世界の酪農乳業の専門知識のリーダーである国際酪農連盟は、世界の酪農乳業セクターに関連する問題について最新情報を提供する、IDFワールドの今号を発表することを嬉しく思います。

今年は、これまで以上に、栄養、健康、および持続可能な食事への酪農乳業の積極的な貢献を継続的に推進することの重要性が理解できます。増加する世界人口を養うことは、私たち全員が取り組まなければならない課題です。私は、他の多くの人々と同様に、単により多くのカロリーを提供するのではなく、栄養価の高い食品で人々に栄養を与えることに焦点を当てることが、この課題を解決し、国連の「持続可能な開発目標」を達成する唯一の方法であると確信しています。酪農は、飢餓ゼロ、健康、幸福などのSDGsに大きく貢献し、生計を立てて、人々を貧困から救い出すのに役立つことから、この取り組みにおいて重要な役割を果たしています。

今号のIDFワールドでは、持続可能な食料システムにおける酪農乳業の役割、さらにFAO畜産環境評価成績(LEAP)パートナーシップ、IDFの国際規格策定の優先事項に関する取り組みなどの中で実施されているエキサイティングな持続可能性イニシアチブに関する最新情報を提供します。もちろん、これらの重要な問題は、今年9月開催のIDFワールドデーリーサミット2019(イスタンブール)でも講演されるでしょう:本日もhttps://www.idfwds2019.com/から登録可能です 。

2019年は、世界への積極的な貢献について説得力のあるストーリーを持つ酪農乳業は、引き続き必要不可欠であり繁栄するセクターであることから、大きな挑戦と多くの期待をもたらしています。
ニュース

持続可能な食事における酪農の役割

1月に、EATランセット委員会は報告書を発表しました。それは、持続可能な食料システムによる健康的な食事に関するガイドラインを確立しようとしています。酪農乳業セクターは、ディベート(討論)へのどんな貢献も歓迎し、持続可能性は環境、社会経済的側面、および栄養を含む様々な要素を包含することを長い間認識してきました。健康で持続可能な食料を世界に供給することは、私たち全員が共有する目標であり、私たちは人々が健康であるために豊富な栄養源にアクセスできるようにしなければなりません。それは酪農乳業が重要な役割を果たすところです。IDF会長のジュディス・ブライアンス博士による最近のブログに、より詳しい情報があります。「 酪農乳業は持続可能な食事の重要な部分である三つの理由 。」

世界保健デーでデーリーマトリックスを祝う


世界に栄養を与える酪農乳業の重要性は、牛乳乳製品の栄養素と生理活性因子のユニークな組み合わせが、どのように乳の驚くべき健康上の利益を生み出すかを示す、「デーリーマトリクス」に関する最近のIDFブログ投稿でも強調されました。記事はここで読むことができます:「 世界保健デーのデーリーマトリクスを祝う 」。

酪農乳業セクターは食品廃棄物にどのように取り組んでいるのか


持続可能な食料システムをどのように構築するかということは、3月にナイロビで開催され、IDFが参加した、第4回 国連環境総会 でも討議の中心となりました。これらの対話において、食品廃棄物の削減は最優先事項であり、IDF環境常設委員会委員長のPierre Barrucand氏は、酪農乳業セクターの取り組みについて、そのサイドイベントで講演しました。より詳しい情報はブログで:「 酪農乳業セクターがどのように食品廃棄物に取り組んでいるのか」。

気候変動と世界の乳牛セクター


酪農乳業は、温室効果ガス排出強度と呼ばれる、乳1kg当りの排出量削減で大きな進歩を遂げました。国連食糧農業機関(FAO)とグローバル・デーリー・プラットフォーム(Global Dairy Platform)の 最近の報告書 によると、2005年から2015年の間に、酪農乳業セクターからの排出強度は約11%減少しました。同じ期間に、酪農生産量は30パーセント増加しました。この報告書のファクトシートは、 英語 スペイン語 で閲覧できます

IDFノルウェー国内委員会がデーリーロッテルダム宣言に署名


2月に、IDFノルウェー国内委員会、ノルウェー酪農協議会(Norwegian Dairy Council)、およびTINE株式会社が、人々と地球に広範な利益を生み出すための、酪農乳業セクターからの持続可能な開発への公約であるデーリーロッテルダム宣言に署名しました。IDF会長のジュディス・ブライアンス博士は、調印式に出席できたことを嬉しく思いました。ノルウェーの署名により、宣言は現在25カ国と2つの地域協会によって署名されています...続きを読む

国際規格策定の優先事項に関する進捗


IDFの優先事項の一つは、酪農乳業セクターの声が確実に届くために、栄養規格策定に関してコーデックスと協力することです。コーデックス栄養・特殊用途食品部会(CCNFSDU)は、あらゆる形態の栄養失調に取り組むための第2回国際栄養会議(ICN2)ローマ宣言からの政策提言を実施するために特定されたツールの一つです。直近のCCNFSDU会議では、利用可能な最善の科学を利用して、IDFは、トランス脂肪酸(TFA)の摂取量を減らすための政策の設定から、タンパク質源の窒素換算係数(NCF)の設定、すぐに使える治療食品のためのガイドライン作成まで、トピックスに関する見解を具体化させました。反芻動物のTFAと産業的なTFAを区別することの重要性に関するIDFの強力な主張(それが公衆衛生上のリスクであるという)に関する詳細な情報は、IDFのファクトシートに記載されています。IDFは、牛乳乳製品のNCFは6.38であるという科学的証拠を紹介する包括的なブリテンも起草しました。

コーデックスは、熟成チーズのための規格に整合化するための変更を採択し、国際貿易の問題を取り除きます


もう一つのIDFの優先事項は、食品添加物についての二つの認識されたコーデックス基準(食品添加物に関する一般規格(GSFA)、様々なコーデックスコモディティー規格)の間の食品添加物規定の調整です。目標は、異なる規定によって生じる混乱や貿易の中断を排除するために、規格を整合化させることです。IDFはこれらの問題を長い間認識しており、その高度な作業によって、コーデックス食品添加物部会(CCFA)は、2017年に13件のコーデックス熟成チーズ規格を検討することに同意しました。専門知識および支援のためのリソースの提供についてIDFの承認を得た後、第51回CCFA部会は最近、輸出向け熟成チーズの国際貿易の問題を取り除く、熟成チーズに関する13のコーデックス規格の規定の整合化に必要な変更を採択しました。IDFのブログ「 熟成チーズの規格を整合化させるための変更を採用し、国際貿易の問題を取り除く 」で、関連情報をお読みください

LEAP持続可能性イニシアチブ


IDFは、家畜セクターの持続可能性の向上に焦点を当てたイニシアチブである、FAO家畜環境評価成績(LEAP)パートナーシップにおける議長の役割を喜んで引き受けました。LEAPは、政府、NGO、および民間部門のメンバーで構成される複数のステークホルダーによるイニシアチブです。それは、家畜のサプライチェーンの環境成績(パフォーマンス)を監視するための包括的なガイダンスと方法論を開発します。

2019年の活動計画は、既存のLEAP持続可能性ガイドラインをすべての家畜セクターで路上テストするための包括的なパッケージを開発することです。目的は、そのガイドラインがあらゆる状況に容易に適用できるかどうかをテストすることと、同時に異なるLEAPガイドラインの使用を妨げる矛盾や問題に対処することです。この情報は、データの要求事項、および環境成績の評価に必要なツールを定義するのに役立ちます。LEAPは、採択を通じてこれらのガイドラインの認識を高め、使用を強化することを目的としています。続きを読む
最新のトレンド

デーリーUKが成功した広告キャンペーンを復活


デーリーUKと農業園芸開発委員会(AHDB)は、2年目となる彼らのパロディーの政府省庁キャンペーンである「酪農関連すごくおいしい省」で、公共サービススタイルの看板による宣伝と、初めて映画館での宣伝を始めました。Farmers Weekly紙によると、デーリーUKとAHDBは、キャンペーンが初年度のプラスの結果を受けて更新されたことを確認し、それは対象者の8%が牛乳乳製品消費量を減らす可能性が低いことと、11%が乳製品代替物へ切り替える可能性が低いことを示しました。次のようなより賢い看板が、ロンドン中で見られることを期待しています:

英国の乳製品が成功した広告キャンペーンを復活
イベント

IDF乳房炎会議2019、5月14〜17日、コペンハーゲン


英国の乳製品が成功した広告キャンペーンを復活
 
次回のIDF乳房炎会議は、2019年5月14日から16日までコペンハーゲンで開催されます。トピックスには、ロボット搾乳、搾乳管理、診断、乳房衛生、乳房炎管理、抗菌剤の使用、牛乳の品質、乾期、微生物叢・分子疫学、ならびに小型反芻動物が含まれます。学生および一日の参加費をご確認ください! ...登録はこちらから

シンポジウム:持続可能な食事における反芻動物の役割、6月21日、ブリュッセル


英国の乳製品が成功した広告キャンペーンを復活
 
6月21日、ベルギー食肉科学技術協会(BAMST)とIDFは、ブリュッセルで「持続可能な食事における反芻動物の役割」について議論するため、多くの専門家を呼び集めます。高レベルの国際的な講演者が、食肉および乳生産の栄養と環境への影響を正しく評価するために、最新の科学について報告します。講演者は、Frank Mitloehner教授(米国カリフォルニア大学デービス校)、Andrew Mente教授(PHRI、カナダ)、Michelle Cain博士(英国オックスフォード大学)、Andrea Bertaglio氏(イタリア、Carni Sostenibili)、Nico Peiren博士、Judith Bryans博士(IDF)他です。このイベントは、世界中の酪農乳業セクターおよびブリュッセルに拠点を置く他の組織からも聴衆を集めるでしょう。続きを読む

IDF / ISO分析ウィーク2019、6月21〜25日、プラハ

 
チェコ・モラビアン・ブリーダーズ社は、2019年6月21~25日にIDF / ISO分析ウィーク2019を開催します。本ウィークは、分析方法の分野における酪農科学者や専門家が最新の技術的および技術的発見に出会い、情報交換し、IDFワークプログラムの進捗およびIDF / ISO国際規格の発行に貢献する機会です。IDF / ISO分析ウィークは、2019年6月17~21日にICAR会議と併せて開催されます。ICAR会議では、酪農乳業の専門家が関心を持つ、乳の記録に関連するいくつかのセッションが開催されます。両方の重複するイベントは、実りある意見交換と刺激的な討論のための大きな可能性を提供します。続きを読む

IDFワールドデーリーサミット2019、9月23〜26日、イスタンブール


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トルコは、「Milk for Life(いのちのミルク)」というテーマで、次回のIDFワールドデーリーサミット2019を、9月23~26日にイスタンブールで開催します。今年最大の酪農乳業イベントの一つとして、このサミットは全酪農乳業チェーンから世界の約2,000人の参加者が見込まれています...ここに登録
出版物

IDF酪農乳業の持続可能性見通し 第一号


年次のIDF酪農乳業の持続可能性見通しでは、世界の酪農乳業セクターで行われている重要な持続可能な開発の取り組みを例示しています。本見通しは持続可能性の分野を巡る世界的な旅であり、進行中のプロジェクトと最新の研究を共有する機会を提供します。今年の後半に登場する次号にご注目ください。続きを読む

IDFブリテン495/2018:発酵食品における安全性が実証されている培養微生物の一覧表

 
IDFは最近、科学的研究が発酵食品での使用に安全であることを示した微生物学的食品培養物(MFC)の最新の一覧表を発表しました。一覧表は現在、酪農乳業セクターおよび他の多くの食品製品でみられる321の食品培養物、226の細菌および95の真菌を識別し、カタログ化します...続きを読む

IDFブリテン496/2019:低温殺菌の技術と乳の微生物学的および栄養的側面に対する影響

 
IDFの新しいBulletinは、乳の低温殺菌のいくつかの重要な技術的、微生物学的および栄養的側面の概要を提供し、このプロセスが牛乳の栄養特性に大きな影響を与えないことを再確認します。利用可能な最善の科学の評価から、低温殺菌牛乳の飲用は依然として牛乳の多くの健康上の利点を得るための最良の方法であると結論付けています...続きを読む
IDFについて
安全で持続可能な乳製品で世界を養う
 
IDFは、酪農乳業チェーンのすべてのステークホルダーのための科学的および技術的な専門知識の主要な情報源です。1903年以来、IDFは、安全で持続可能な乳製品を世界に提供する方法について世界的なコンセンサス(合意)に達するための酪農乳業のための仕組みを提供してきました。世界の乳製品が安全で持続可能であることを保証するために、IDFは酪農乳業セクターの科学に基づく規格の開発において国際的に認められた権威であり、正しい政策、規格、慣行および規制を確実にするために重要な役割を果たします。
©2019 IDF、無断転用禁止(仮訳:JIDF事務局、事務局注:仮訳の正確性、完全性、有用性等についてはいかなる保証をするものではありません。参考資料として扱い、内容に疑義が生じた場合は英文の原文をご確認ください。)

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