2020年 年頭のご挨拶

お知らせ

Jミルク会長 川村 和夫

新年あけましておめでとうございます。年頭にあたり、新年のご挨拶を申し上げますとともに、Jミルクに対する日頃のご支援とご理解に心よりお礼申し上げます。

昨年も深刻な豪雨・台風の襲来により、わが国におけるミルクサプライチェーンに甚大な被害が及ぶとともに、台風襲来の前後で、北海道からの生乳輸送が太平洋航路・日本海航路で欠航を強いられ、飲用原料乳の需給が大きく混乱する結果となりました。

都府県における生乳供給が現状水準であれば、北海道からの原料乳供給に強く依存することになりますので、同様の需給混乱の状況が続く恐れがあります。引き続き強い危機感を持って、今後の対応を進めることが重要です。

こうしたなか、Jミルクでは約1年間に及ぶ業界内の協議を経て、「提言−力強く成長し信頼される持続可能な産業を目指して〜わが国酪農乳業の展望ある未来に向けた戦略ビジョン〜」を取りまとめ、今後の目指すべき日本の酪農乳業のあるべき姿、連携して取り組む戦略視点、求められる協働行動や政策支援の方向性を明らかにしました。併せて、牛乳乳製品の国内自給率の向上、次世代酪農家へ安心して意欲的に酪農経営を発展させて欲しいというメッセージも込め、業界自らの2030年度目標を最大で800万トンに設定したところです。

本年は、Jミルクの第3期3カ年計画の最終年度にあたります。3カ年計画の達成に向け、継続して事業を推進していきますが、併せて、提言の着実な実行を通して、業界課題と解決に尽力して行きます。

当面する最重要な国内酪農基盤の強化については、家族経営の安定を基本に、規模や経営形態など多様なタイプの酪農経営がそれぞれ特徴を活かして、持続可能な経営を構築し継続していくよう、乳業からの財源で5年間継続する「特別対策」について「牛」から「人」に焦点を移した内容に組み替え、取り組みを強化して行きたいと考えております。

また、TPP11、日EUEPAに続き、日米貿易協定の発効により、乳製品輸入の増加、急速な市場の国際化に対処するため、牛乳類や液状乳製品などのフレッシュな製品の生産拡大を進めるとともに、国産のチーズやバターなどの評価をさらに高めるよう、国産の生乳や牛乳乳製品の総合的な品質を、世界で最も評価されるようにするといった、強い戦略的な意思と行動が求められます。

ミルク本来の美味しさ実現のため、生乳風味の評価の方法や基準について検討を進めるとともに、実際に酪農乳業の持続可能な機能をSDGsなどの視点から再評価した上で、環境負荷の低減、自然エネルギーの利用、健康な家畜飼養などについて、改善可能な部分を洗い出し、それぞれの地域、農場の条件などを踏まえつつ、着実な取り組みを進め、産業の存在価値を高めることが重要です。
 
また、本年は、東京オリンピック・パラリンピックに合わせ、東京で「世界栄養サミット」の開催がありますので、この時期に、乳の学術連合と共催でジャパン・ミルク・コングレスを開催し、牛乳乳製品の持つ栄養・健康価値をアピールしたいと思います。

最後になりますが、昨年4月から、JIDF事務局がJミルクに統合され、2年目を迎えます。品質等の国際規格、酪農乳業政策、家畜福祉、酪農の持続可能性、環境問題などの諸課題に対する国際対応を世界水準に引き上げることを目指し、世界の動きにスピーディに対処できる質の高い活動へと転換を図りたいと考えています。

Jミルクは、迎える新しい時代においても業界一致協力の場を創生し、共通課題の解決に努め、業界発展のために真に力を発揮する組織を目指して参りますので、本年も、引き続き皆様のご支援ご協力を頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。