2021年 年頭のご挨拶

お知らせ

Jミルク会長 川村 和夫

 新年あけましておめでとうございます。Jミルクの川村でございます。
 年頭にあたり、新年のご挨拶を申し上げます。
 また、皆様方には、日頃から、Jミルクの事業に対してご支援とご理解を頂き、心よりお礼申し上げます。

 さて、昨年は、新型コロナウィルスのパンデミックという、私どもにとって、全く経験のない事態に遭遇しました。多くの行動が制限され、日々の暮らしも仕事のスタイルも大きく変化しました。
 こうした中、食生活に目を向けると、加工食品や外食向けの需要が大きく減少する一方で、家庭内での消費が増加し、牛乳乳製品の消費構造が大きく変化しています。飲食店、ホテル・宿泊業など、同じ食品を扱い我々の大切なお客様でもある事業者の方々が大変ご苦労されていることに心が痛みます。同時に、家庭内消費がもっとも安定した市場であり、今後はこの市場をさらに大切に位置付け、拡大することが重要であると、改めて痛感致しました。

 日本でも、もう少しすると、ようやくワクチン接種が始まりますが、依然、新型コロナウイルスの感染拡大がいつ頃に収束するのか全く不透明です。また、ほぼ1年にわたり、われわれは、これまでとは異なった生活環境のもとに置かれていますが、この経験が、人々の価値観、今後の食品の消費や食事のスタイルにどのような影響を与えるのかについて注視することが重要だと思います。Jミルクの調査や国内外の様々な研究情報などをみますと、間違いなく、コロナ前とコロナ後では、ずいぶん違った世界になるのではないかと感じます。

 近年、人類は感染症を克服したと言われてきましたが、残念ながら、甚大な被害をもたらす世界的なパンデミックに襲われました。そして、新しい感染症のリスクは、今後、ますます高まっていくと言われています。
 われわれの産業は、食料や栄養の安定供給を通して、人々の生活と生命に対し大きな責任を負っています。したがって、地球温暖化によって頻発する自然災害、そして新しい感染症、さらにはグローバル化など、これまでにない大きなリスクの出現を予測し、わが国の酪農乳業を、持続可能で変化に強い産業に改革することが必要です。
この課題は、新型コロナを通して、より重要で緊急性の高いものになりました。

 さて、Jミルクは、本年、第4期中期3か年計画がスタートします。
この中期3ヵ年計画は、すでにお示しした提言「力強く成長し信頼される持続可能な産業を目指して~わが国酪農乳業の展望ある未来に向けた戦略ビジョン~」の目標年度である2030年度までの10年間の最初の3か年と位置づけられます。
 「成長性」だけでなく、「強靭性」「社会性」を備えた産業を目指すことが、このビジョンの特徴です。
 戦略ビジョンに示した行動計画を実現するため、Jミルクは、単なる情報提供にとどまらず、必要な情報を集め、分かりやすく整理したものを迅速に提供し、そのオープンな活用を通して業界内の情報交流を促進する、「情報プラットホーム」としての機能を強化していきます。
 また、業界内の共通課題の解決に向けた「提案・調整・合意」までのプロセスを、透明性を確保しつつ適切に管理するといった役割を担っていきたいと思います。

 したがって、事業推進にあたっては、乳の学術連合の研究者、国際関連組織との連携により、国内外の幅広いネットワークを強化し、エビデンスベースの専門性の高い知見を集積し、オリジナルな情報開発を進めます。
 また、デジタルシフトを進め、迅速で効率的な情報提供に努めます。
 さらに、業界内での情報交流を促進し、新しいアイディアが創出され、これが、酪農乳業関係者による共同行動へと発展するよう、ステークホルダーとの関係を強固なものにします。

 第4期中期3カ年計画の推進にあたっては、特に、次の4つの課題に重点的に取り組んで参ります。
 第1の課題は、酪農生産基盤の強化です。酪農と乳業が共同して牛乳乳製品の市場の成長を支えるとともに、家族酪農の安定を基本に、様々なタイプの酪農経営がその特徴を発揮し、持続可能で安定した国内生産基盤の強化を推進することです。
 第2の課題は、需給・流通の安定と競争力の強化です。市場経済や気候変動・自然災害等の外部環境の変動性が高まる中で、弾力的な需給調整のための業界の協調的な取り組みを進めるとともに、グローバル化が強まる中で、競争力強化の取り組みを推進することです。
 第3の課題は、市場拡大・需要基盤の確立です。商品の高付加価値化、乳利用の多様化をさらに促進し、国内の牛乳乳製品市場を拡大するとともに、乳の総合的な価値を高め、生乳需要基盤の確立を図ることです。
 第4の課題は、酪農乳業の多面的価値の見える化と持続可能性の強化です。SDGsなどの新たな社会的な流れを踏まえつつ、社会の要求に応え消費者から信頼され共感される産業を目指し、酪農乳業の価値の見える化と持続可能性の改善・強化を図ることです。

 Jミルクは、今後とも、業界発展のために真に力を発揮できる組織を目指して参りますので、本年も、引き続き皆様のご支援ご協力を頂きますよう、お願い申し上げます。

 最後になりますが、本年は丑年です。酪農乳業の全ての価値は、乳牛と人間の共同作業によって生まれます。この産業の価値の大切さと素晴らしさを、消費者の皆さんにしっかりとお伝えできる良い一年になることを祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。
 本年も宜しくお願い申し上げます。
以上