牛乳の気になるウワサをスッキリ解決!

いつの頃からでしょうか、牛乳にまつわる「ウワサ」が聞こえてくるようになりました。それによると、「牛乳は体に悪いもの」らしいのですが・・・。

そんなウワサを聞いて不安になってしまったら、ぜひこのページを参考にしてください。

スッキリ解決! 牛乳の気になるウワサ

  • ウワサ19~24 平成27年度生乳需要基盤確保事業 独立行政法人農畜産業振興機構 後援
  • ウワサ25~31・ちょっと気になる基礎知識「疫学研究」って? 平成30年度生乳需要基盤確保事業 独立行政法人農畜産業振興機構 後援
  • ウワサ32~33 2020年度生乳需要基盤確保事業 独立行政法人農畜産業振興機構 後援

監修
東北大学  名誉教授 齋藤忠夫 先生
女子栄養大学  教授 上西一弘 先生
国際生命科学研究機構 副理事長 桑田有 先生

牛乳の「気になるウワサ」とは?!

「ウワサ」が記載されている本と、その当該箇所を示します。

ウワサ1 ホモゲナイズされた牛乳の乳脂肪は“錆びた脂”、ウワサ2 超高温瞬間殺菌で乳脂肪は酸化する
・新谷弘実著『病気にならない生き方』(サンマーク出版、2005年)
p.105:『市販の牛乳は「錆びた脂」ともいえる。』
p.106:『ホモゲナイズすることにより、生乳に含まれていた乳脂肪は酸素と結びつき、「過酸化脂質」に変化してしまいます。』
p.108:『超高温にされることによって、過酸化脂質の量はさらに増加します。』

ウワサ4 牛乳のナトリウムはカルシウムを排出するから牛乳を飲むと体内のカルシウム量が減る
・新谷弘実著『病気にならない生き方』(サンマーク出版、2005年)p.73:『カルシウムをとるために飲んだ牛乳のカルシウムは、かえって体内のカルシウム量を減らしてしまう』

ウワサ5 牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になる
・新谷弘実著『病気にならない生き方』(サンマーク出版、2005年)p.70:『牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になる』

ウワサ6 「世界4大酪農国」では骨折や骨粗鬆症が多い
・新谷弘実著『病気にならない生き方』(サンマーク出版、2005年)p.73:『牛乳を毎日たくさん飲んでいる世界四大酪農国であるアメリカ、スウェーデン、デンマーク、フィンランドの各国で、股関節骨折と骨粗鬆症が多いのはこのためでしょう。』
 
ウワサ7 市販の牛乳を子牛が飲むと死ぬ
・新谷弘実著『病気にならない生き方』(サンマーク出版、2005年)p.70:『市販の牛乳を(中略)子牛に飲ませると、その子牛は四、五日で死んでしまうそうです。』
 
ウワサ8 牛乳は胃の中で固まるので消化が悪い
・新谷弘実著『病気にならない生き方』(サンマーク出版、2005年)p.69:『牛乳ほど消化の悪い食べ物はないといっても過言ではありません。』『牛乳に含まれるタンパク質の約八割を占める「カゼイン」は、胃に入るとすぐに固まってしまい、消化がとても悪いのです。』
 
ウワサ9 牛乳はアトピーや花粉症の原因
・新谷弘実著『病気にならない生き方』(サンマーク出版、2005年)p.72:『日本ではここ三十年くらいのあいだに、アトピーや花粉症の患者が驚くべきスピードで急増しました。(中略)その第一の原因は、(中略)学校給食の牛乳にあると考えています。』
 
ウワサ10 ヨーグルトの乳酸菌は胃で死滅するため効果なし
・新谷弘実著『病気にならない生き方』(サンマーク出版、2005年)p.75:『ヨーグルトの乳酸菌は、胃に入った時点でほとんどが胃酸で殺されます。(中略)腸まで届いたとしても、はたして常在菌と手を取り合って働くことが本当に可能なのでしょうか。』
 
ウワサ11 牛乳はご飯に合わない、学校給食には必要ない
・幕内秀夫「給食で牛乳をやめて何が悪い」(『新潮45』特集 狂ったニッポン)
ご飯中心のメニューになると、牛乳が合わないのは当然ではないでしょうか。家庭や会社ではご飯と一緒に飲む人がいないのに(自分の嗜好で飲む人はいるかもしれませんが)、どうして学校給食ではご飯に合わせて牛乳を飲む必要があるのでしょうか。
・「生活習慣病を予防する食生活」(山梨医科大学名誉教授 佐藤章夫)
新・学校給食法は7つの「学校給食の目標」を掲げている。目標の6番目に「我が国や各地域の優れた伝統的な食生活についての理解を深めること」 とある。昼食の「ごはんとおかず」に「牛乳」をかならず添える食事が「伝統的な食生活についての理解を深めること」つながるのか。「ごはん+おかず+汁もの」に「牛乳」はまことに奇妙な組み合わせである。
 
ウワサ12 粉ミルクは赤ちゃんの体に悪い
・「1日2食健康法」(松井二郎)第3章 牛乳をやめる 母乳がわりに粉ミルクを与えるなどというのは子供に少しずつ毒を盛っているのと同じであるからただちにやめるべきである。
・「日本人だけが信じる間違いだらけの健康常識」(生田哲著/角川oneテーマ21)p.111: 子牛を急激に大きく成長させる牛乳を、ゆっくり成長するヒトの赤ちゃんが大量に飲まされれば、どうなるでしょう。栄養過剰となり、消化不良を起こします。過剰な栄養素は体外に排泄されますが、腎臓に大きな負担がかかるため、病気の原因になります。
 
ウワサ13 牛乳のたんぱく質は「異種たんぱく質」であり、アレルギーを引き起こす
・「日本人だけが信じる間違いだらけの健康常識」(生田哲著/角川oneテーマ21)p.106: 牛乳のタンパク質はヒトにとって異種タンパク質ですから、これが血液に入るとアレルギーを引き起こします。
 ・「子供を病気にする親 健康にする親」内海聡著/マキノ出版 p.85 カゼインは粒子が小さいため、腸の機能が弱っていると腸壁を素通りし、血液に入り込みます。体が必要としないこの異質のたんぱく質が血液に入り込むことで、アレルギー性疾患を発症するようになります。
 
ウワサ14 牛乳は乳がんの原因になる
・「日本人だけが信じる間違いだらけの健康常識」(生田哲著/角川oneテーマ21)
p.119 :牛乳と乳製品を多く摂取すると、細胞を増殖させるエストロゲンやIGF-1(インスリン様成長因子1)が血液中で上昇するのです。IGF-1は正常細胞でも、がん細胞でも細胞分裂を促進します。このため、細胞をがんに導いたり、がん細胞をさらに増やし悪化させたりするのです。
p.122 :牛乳に含まれるエストロゲンとIGF-1が、乳がんを発症させる張本人なのです。
 
ウワサ15 そもそも牛乳は高カルシウム食品ではない
・「子供を病気にする親 健康にする親」内海聡著/マキノ出版 p.86:そもそも牛乳は、カルシウムをそれほど含んでいません。牛乳とほかの食品のカルシウム含有量を同量の重さで比較すれば、小魚や煮干しは22倍、ヒジキは14倍、ワカメは7倍、ゴマは10倍、切り干し大根は5倍、大根の葉は2.5倍となります。
・「牛乳はモー毒?」真弓定夫監修/美健ガイド社 p.35:実は野菜や海草にはカルシウムが牛乳よりも沢山含まれているんです。牛乳100gの中にはカルシウムが110mg含まれています。これが大根の葉っぱだと260mg、2倍以上になります。小松菜1.5倍/こんぶ6.5倍/わかめ7倍/切り干し大根5倍/ひじき14倍/煮干し22倍
 
ウワサ16 日本人のほとんどは、牛乳を飲むとおなかをこわす
・「日本人だけが信じる間違いだらけの健康常識」(生田哲著/角川oneテーマ21)p.104:日本人の大多数は、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロします。人類の大多数である東洋人や黒人といった有色人種では、この乳糖不耐症がほとんどです。むしろ牛乳を飲んでお腹を壊さない人が少数派なのです。
・「1日2食健康法」(松井二郎)人類の長い歴史の中で酪農民族であるヨーロッパ人は乳糖を分解できる小腸が形成されていったが、農耕民族の日本人は牛乳を飲む必要がなかったため乳糖を分解するような腸にはならなかったのだ。こういうと日本人が劣っているように思われるかもしれないがそうではなく、牛乳を飲めてしまう民族というのが世界的には例外なのである。牛乳は、日本人の体には合わない食品だ。
 
ウワサ17 牛乳のたんぱく質がカルシウムの吸収を阻害する
・甲南回生松本クリニックHP「ドクター’sボイス」2012年2月24日 牛乳のカルシウムはカゼインという牛乳に多く含まれるタンパク質と結合しているため、さらに吸収されにくくなっています。
 
ウワサ18 牛乳は「脱灰」を促進、骨を弱くする
・「食べない生き方」(女子力向上委員会)牛乳には、動物性たんぱく質が非常に多く含まれています。動物性たんぱく質を過剰に摂取すると骨からカルシウムが溶け出す脱灰が促進されます。脱灰を促進するもう一つの原因はマグネシウム不足です。牛乳は酸性食品である事に加え、マグネシウムはほとんど含まれておらず、カルシウムとマグネシウムの比率が極端に悪いため、二重の意味で脱灰を促進しやすくするのです。
 
ウワサ19 現代の牛乳は薬漬けで満身創痍の牛から搾られており、質が悪い
・「じつは危ない食べもの」南清貴/ワニブックスPLUS新書 p.72:現代の農業は、そんな牧歌的なものではありません。まるで工場のように、一定の品質の商品を、低コストで続々と生産することが求められているのです。牛乳の場合、品質の基準は乳脂肪率です。3.5%以上の濃度でないと、メーカーが買い上げてくれないといいます。ここで問題になるのが、原乳の季節変動。自然に近い放牧で育てられた牛は、夏になるとみずみずしい牧草を食べるので、水分が増える分だけ脂肪率が3%まで下がります。下がるのが自然なのです。でもそういう飼い方では「品質がばらつく」と評価されるわけです。そこで登場するのが人工的な穀物飼料。中身はトウモロコシです。
-中略-
トウモロコシは、牛に適したエサではないのです。なのに無理をして食べさせますから、当然、体がおかしくなります。人間でいえば胃炎や胃もたれのような症状は当たり前。免疫力も落ちるので感染症にかかりやすくなる。そこで飼料には、はじめから抗生剤や胃薬を配合します。成長促進用のホルモンを投与して成長を早め、生産性を高めるのも常套手段。運動はさせません。血中脂質を高めてメタボ状態にすれば、乳脂肪率が高くなるのです。もちろんそんな育て方をした牛は、長生きできません。
-中略-
そんな薬漬けで満身創痍の牛が、質のいい牛乳を作れるでしょうか。ありえないことでしょうが、現代の生産管理では問題にならないのです。乳脂肪率が3.5%を上回っていれば高品質なのですから。
 
ウワサ20 牛乳を飲んでいる最近の子は早く成長が止まる
・「牛乳は子どもによくない」(佐藤章夫著/PHP新書)
p.188:最近の小学生・中学生は給食で毎日牛乳を飲まされているが、牛乳を飲んだからといって子どもの最終的な身長が高くなるわけではない。牛乳を飲んでいる最近の男の子は、牛乳を飲まなかった昔に比べて、早く大きくなって早く成長が止まってしまうのである。
p.189:最近の男の子の思春期が早まっている。思春期は精巣の発育に最も重要な時期で、男の子の思春期は精巣が大きくなることで始まる。最終的な精子の数を決定する精巣のセルトリ細胞数は思春期に著しく増える。〜中略〜前思春期〜思春期に取り込まれる牛乳中の女性ホルモンが成人男性の生殖能力(精子数)に与える影響を注意深く見守る必要がある。
p.192:かつては14歳を過ぎても身長が伸びていたのに、最近(2005年)の女子の身長は14歳を過ぎるとほとんど伸びなくなる。最近の女の子の思春期は、1950年頃に比べて1〜2年早く始まり、終了(初潮の到来)が早い。つまり、最近の女の子は、男の子と同様に、昔に比べて早く成熟してしまうのである。
p.193:早熟の一番の理由は、子どもの食べものが戦後の食糧難の時代に比べて格段によくなり、成長が促進されたからである。さらに、1960年頃から摂取量の急増した乳・乳製品中に含まれている女性ホルモンが思春期の到来に与えた影響を無視することはできないだろう。
 
ウワサ21 日本人に、カルシウムは足りている
・「牛乳は子どもによくない」(佐藤章夫著/PHP新書)p.175:この豊かな国日本で、平均値として不足している栄養素などあるはずがない。栄養学者は何を根拠にカルシウムが不足していると言っているのか。ただ単に「厚労省の摂取基準に比べて少ない」と言ってきたに過ぎない。健康政策を支える栄養学者が「カルシウムが足りない! 日本人に足りない栄養素はカルシウムだけ」と言い続けてきたから、日本人は「足りないのはカルシウムだ! もっとカルシウムを摂らなくては」と洗脳されてしまった。その背景には牛乳・乳製品を「売らんかな」の商業主義が見え見えである。
 
ウワサ22 市販の牛乳には「女性ホルモン作用」がある
・「牛乳は子どもによくない」(佐藤章夫著/PHP新書)
p.58:牛乳中の女性ホルモンは熱に強いので、加熱滅菌によって分解されない。したがって、市販の牛乳は女性ホルモン(数百pg/mLの卵胞ホルモンとその数十倍の黄体ホルモン)を含んでいる。
p.60:牛乳のホルモン作用は環境ホルモン(外因性内分泌攪乱物質)などと呼ばれる化学物質のホルモン作用に比べて桁違いに大きい。とくに、前思春期の子どもは性ホルモンの影響を受けやすい。
p.63:現在の日本の前思春期〜思春期である6〜14歳の子どもは平均して1日300gの乳・乳製品を摂っており、私たちが測定した市販牛乳の硫酸エストロン濃度は378pg/mL(0.378ng/mL)であった。この数値を採用すると1日当たりのエストロン摂取量は110ngに達する。
この300gという摂取量は2010(平成22)年の国民健康・栄養調査の数値で、実際の乳・乳製品の摂取量はこの1.5倍の500gにのぼると推定される。すなわち、エストロンだけで計算しても、現在の日本の子どもたちは体内生産量と同等量あるいはそれ以上の女性ホルモンを乳・乳製品から毎日摂りつづけているのである。
p.238:牛乳ホルモンの問題は現世代(乳がんと前立腺がん)だけでなく次世代以降にまで影響がおよぶ可能性もある。問題の性格と大きさがぜんぜん違う。学校給食の牛乳を再考することが食育の最優先事項である。
 
ウワサ23 牛乳にはIGF-1が含まれている。離乳期を過ぎた人間は飲んではいけない
・「牛乳は子どもによくない」(佐藤章夫著/PHP新書)
p.80:IGF-1は70個のアミノ酸からなるポリペプチドで牛乳には4-50ng/mLのIGF-1が含まれている。*2)牛乳中のIGF-1が直接吸収されるのかあるいは他の牛乳成分がIGF-1の生成を促すのか分からないが、牛乳によって血液中のIGF-1が増えることは周知の事実である。
*2)
Collier RJ, Miller MA, McLaughlin CL, Johnson HD, Baile CA. 
Effects of recombinant somatotropin (rbST) and season on plasma and milk insulin-like growth factors I (IGF-I) and II (IGF-II) in lactating dairy cows. 
Domest Anim Endocrinol 2008; 35:16-23.
p.82:赤ん坊の細胞分裂を刺激するようにデザインされた物質を、離乳期を過ぎた人間が口にしたらどうなるか。ミルクに含まれているIGF-1は、細胞の分裂増殖が最も盛んなときにその力を発揮する(すなわち、子どもでは乳児期と思春期。おとなではがんに罹ったとき)。離乳期を過ぎた人間は牛乳などを飲んではいけないのである。
 
ウワサ24 牛乳・乳製品が心筋梗塞を招く
「牛乳は子どもによくない」(佐藤章夫著/PHP新書)p.206:牛乳を介して大量のカルシウムを日常的に摂取すればどうなるか。過剰のカルシウムはそのほとんどが吸収されずにそのまま糞便中に排泄されてしまう。吸収されて血中濃度が高くなると、身体は急いで腎臓を通して尿中にカルシウムを排泄する。かくして血液中のカルシウムが9mg/dL前後の一定範囲に保たれている(ホメオスタシス)。平衡を保つ過程で血液中のカルシウムは身体の軟部組織に沈着することがある。とくに傷ついた組織あるいは異物の付着した組織に沈着しやすい。動脈硬化という傷をもつ血管は、カルシウム沈着の格好の標的となる。血液中のカルシウムはとくに血管内膜へのコレステロールなどの侵入によって形成される肥厚斑(プラーク)の周辺部に好んで沈着する。心臓を養う血管(冠動脈)のプラークにさらなるカルシウム沈着が起こって次第に管腔が狭まる。これが虚血性心疾患の始まりである。冠動脈の血流が途絶えると、心筋梗塞を起こす。