戦前の樺太、現在の中国東北部にあたる満洲・チチハルで日本人移民の経営指導に携わり、終戦後は北海道庁で開拓行政を担当した著者が、開拓地の実際について回顧して記述したエッセイです。23頁には、樺太に著者が赴任した昭和9年頃の集団入植地の状況について、23頁に「富栄では、すでに150頭近い乳牛がおり集乳所の経営をして、ルタカの製酪工場にクリームが毎日運ばれていた。大富は、産乳は全然自家用で、種牛の種付け料もまんぞくに払うのがいない」と地域差があることや、25頁に「こめんどくさい乳牛を飼って、毎日一里も集乳所に運ぶひまだれして、一升八銭で売ったとこで、とっても百姓は引き合うものではない」など人々の心情を記しています。59頁からは、昭和13年から終戦後の21年までの満洲での体験を記述、乳牛を北海道から持ち込み、優秀な農家を畜産指導員として派遣して酪農に従事させた実態などを紹介しています。
タイトル | 辺境農業の記録 |
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著者 | 須田政美 |
出版社 | 北海道農産漁村文化協会 |
史料所在地 | 帯広市図書館 |
年 | 1957年(昭和32年) |
都道府県 | 北海道 |
分類 | 技術・衛生・家畜 |
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