10年の活動総括

◆ 乳和食の認知理解を広げる(2013年~)

● 乳和食は、和食に牛乳を使うことへの忌避意識があるなか、開発者で料理家・管理栄養士の小山浩子先生とJミルクとの二人三脚で、乳和食の普及活動を2013年より開始しました。

● レシビ開発や書籍「目からウロコのおいしい減塩 乳和食」(主婦の友社発行、社会保険出版社編集)発刊などの普及するためのコンテンツ開発、酪農乳業関係組織、日本高血圧協会、日本栄養士会等と連携して認知及び価値理解を広げるための研修会や調理講習会などを実施してきました。

● また、高齢者を対象に乳和食の活用を広げるため、病院や介護施設などの活用ニーズにあわせて大量調理などでも活用できる「スチコンレシピ」を開発し、大量調理講習会なども厨房機器メーカー等とも連携して行いました。

 

◆ 地域での主体的な普及活動の広がり(2017年~)

● 小山先生の調理法研究によりレシピも初期の活動から進化し、乳和食での牛乳の利用方法や定義も明確化され、2018年には書籍「やさしい、おいしい はじめよう乳和食」(日本実業出版社)を出版。関連したコンテンツも刷新しました。

● 地域における普及を目的とした講習会では、各地域の活動ニーズにあわせて自治体・関係組織などが実施主体となり企画・運営され、Jミルクはその運営サポートや小山先生を講師として派遣する役割にシフトしていきました。

● 乳和食の普及活動が全国各地に広がるなか、これらすべての講習会開催ニーズに対応するためには、地域に根差し、継続的に乳和食指導ができる講師育成が必要との方針から、指導者育成講習会、講習会の企画・準備・運営、講演等で活用できるツール開発を実施し、その活用を促しました。
 

◆ 乳和食普及が自走される環境整備(2020年~)

● これまでの活動成果は、現在、全国で乳和食普及や指導する「乳和食パートナー」が600人以上となったことや、コロナ禍においては、新規で多くの自治体や栄養士等から乳和食を活用したいという依頼が増加するなど、コロナ禍においても地道な普及活動が全国で行われたことです。

● また、デジタル化にも対応した e-ラーニング、「みんなで乳和食」などのレシピ開発を通した学習機会なども整備してきたことで、コロナ禍でも乳和食の普及活動を行うことができました。
 
● メディアからの問い合わせやテレビ・新聞・雑誌・ネット媒体等での乳和食の紹介も継続的にされており、特に2021年度の年末年始には処理不可能乳の発生が懸念されるなか、農林水産大臣が記者会見で消費拡大と乳和食の活用を促したことは、その存在価値が社会的にも認められ、「乳和食」が一般化されたことの成果といえます。
 
● さらに最近では全国展開する料理教室などが、乳業会社と連携し乳和食の講座を設ける活動や、業界内外の企業が牛乳の利用方法を提案する際に乳和食を積極的に活用するなど、全国で乳和食の主体的な普及活動が自走される環境が整ったといえます。

【乳和食の使命とビジョン】

 乳和食が果たすミッション(使命)は、日本人の栄養や健康にかかる食生活の課題解決に牛乳が貢献することです。また、将来的に描く未来像は、「乳和食」という言葉なくても、日常的に家庭の食卓に並ぶ料理に牛乳が利用される状態になり、日本の食文化に“乳食”を定着させることが最終目標です。そのためには、全国の「乳和食パートナー」と連携し、地域での継続性・連続性のある地道な普及活動を推進していきたいと思います。 

2024年04月25日