牛にやさしく アニマルウェルフェアへの配慮
いま世界で求められている
「アニマルウェルフェア」とは
アニマルウェルフェアとは、動物を飼養している期間は、その動物の心と身体をよい状態にしていくという考え方です。その基本にあるのは、国際獣疫事務局(WOAH)が示す「5つの自由」。こうした考え方は世界でも広く浸透しています。日本でも、農林水産省が2023年に「アニマルウェルフェアに関する飼養管理指針」を策定し、こうした考え方の普及に取り組んでいます。
基本原則「5つの自由」
飢え・渇きからの自由
- 健康を維持するために栄養的に十分な食餌を与えられている。
- きれいな水をいつでも飲めるようになっている。
不快からの自由
温度、湿度、照明など、それぞれの動物にとって快適な環境を用意できている。
- 自由に身体の向きを変えることができ、自然に立つことができ、楽に横たわることができる。
- 清潔かつ静かで、気持ちよく休んだり、身を隠すことができる。
- 炎天下の日差し、雨風を防ぐことができる。
- キツすぎる首輪など苦痛のある飼育環境にいない。
- 身動きのできない狭い場所、糞尿まみれの状態、日よけのない炎天下、雨風や騒音などにさらされている、といった飼育環境は動物にとって好ましくはありません。
痛み・負傷・病気からの自由
- 怪我をするような危険物のある環境にいない。
- 病気にならないようにふだんから健康管理をしている。
- 痛み、外傷あるいは疾病の兆候があれば、十分な獣医医療が施される。
本来の行動がとれる自由
- 各々の動物種の本来の生態や習性に従った自然な行動が行えるようにする。
- 群れや家族で生活する動物は同種の仲間と生活でき、また、単独で生活する動物は単独で生活できる。
恐怖・抑圧からの自由
- 精神的苦痛、過度なストレスとなる恐怖や不安を与えず、それから守ること。
- 動物も痛みや恐怖、苦痛を感じることを理解し、もしその兆候があれば原因を特定して軽減に努めること。
データで見る
日本のアニマルウェルフェアの現在地
日本でも、指針に基づく適正な飼養管理や衛生管理など、アニマルウェルフェアに配慮した取り組みを現場で積み重ねていくことが欠かせません。農林水産省は、飼養管理指針から43の確認項⽬について生産者を対象に調査を実施し、アニマルウェルフェアを踏まえた取り組み状況の把握を行っています。
全項目の達成度
主な結果
指針に沿った飼養管理の実施状況をみると、43項目中29項目で「当てはまる」「やや当てはまる」が9割以上を占め、基本的な管理は広く行われていることがわかります。一方で、つなぎ飼い牛の運動機会の確保や、危機管理マニュアルの整備など、一部の実施率が低い項目は、改善に向けた対応が今後の課題となっています。
改善に向けた取り組み
国際的な取り組みとの連携
Jミルクは、酪農乳業の持続可能性に関する国際組織「デーリー・サステナビリティ・フレームワーク(DSF*)」に加盟しています。Jミルクは、毎年、日本の酪農乳業に関する統計情報をDSFに報告しており、2026年からは、日本の「温室効果ガスの削減」/「労働者の安全と権利」/「アニマルウェルフェアへの配慮」に関する実態のデータについてもDSFに報告することになっています。
DSFが目指す状態(アニマルウェルフェアへの配慮)
- 乳牛が注意深く扱われ、飢え、渇き、不快、苦痛、怪我、疾病がなく、通常の行動をとれている
DSFへの報告内容(アニマルウェルフェアへの配慮)
- 体細胞数(SCC)の12ヶ月間の平均値、標準偏差、測定回数(2026年まで)
- 「家畜の健康・福祉計画」の保持・毎年の見直し・実施している酪農場の総数(2027年以降)
*DSFは、毎年、世界の酪農乳業の持続可能性に関する進捗データを集計・報告しています。2024年は、世界で公式取引された生乳の52%分について報告しています。
2024年の報告は、こちらからご確認いただけます。