地球にやさしく 温室効果ガスの削減

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牛乳ができるまでに排出される
温室効果ガスを知っていますか?

牛乳・乳製品が消費者のもとに届くまでには、いくつかの温室効果ガスが発生します。代表的なのは、二酸化炭素(CO₂)、メタン(CH₄)、一酸化二窒素(N₂O)の3つ。特にメタンや一酸化二窒素は、二酸化炭素よりも温暖化への影響が強いガスとして知られています。近年はそれらの温室効果ガスが「どこで、どれだけ出ているか」を細かく調べ、改善につなげようとする動きが広がっています。

気候変動が進むと、酪農乳業にもさまざまな影響が及びます。たとえば、気温上昇や夏の猛暑は乳牛に大きな負担となり、乳量の低下や体調不良を招くことがあります。豪雨や干ばつにより牧草の収量が不安定になったり、災害が起きて輸送の遅れやインフラ被害が生じたりするリスクも高まります。

日本全体で見ると、酪農を含めた畜産分野からの温室効果ガス排出量は総排出量の1%ほどと、大きくはありません。しかし、世界的に気候変動対策が求められる中で、環境保護と安定生産を両立できる仕組みづくりを進めることは、将来の酪農乳業を守り、社会で信頼を得ていくために欠かせない取り組みなのです。

日本の温室効果ガス排出量のグラフ 農林水産分野からの温室効果ガスの排出(2022年度)(CO2換算)のグラフ 資料:農林水産省「畜産・酪農をめぐる情勢」 「畜産由来」の排出量に占める各畜種の割合のグラフ 資料:農林水産省 「畜産・酪農をめぐる情勢」

温室効果ガスの発生源はどこ?

  • 酪農

    牛のイラスト

    乳牛

    牛のゲップや糞尿から

    酪農から排出される温室効果ガスのうち大きな割合を占めるのが、牛そのものから発生するガスです。牛が草を消化する際、胃の中で発酵が起きてメタンが生成され、それがげっぷとして排出されます。また、牛の糞尿からもメタンや一酸化二窒素が発生します。
    参考:農研機構「牛のメタン」

  • 乳業

    工場のイラスト

    工場

    生乳処理・加工設備から

    生乳を安全に飲め、流通させられるようにするためには、加熱殺菌や冷却、充填など、さまざまな工程が必要です。これらの作業に電気や熱源が使われるため、二酸化炭素が出ます。特にボイラーや冷却装置など、常に動き続ける設備は電力消費が大きくなりがちです。

  • 物流

    トラックのイラスト

    輸送

    車や船、倉庫から

    牧場から工場へ、工場から売り場へと生乳や商品を運ぶトラックや船は、走るために燃料を使い、二酸化炭素を出します。また、途中で生乳や商品を保管する倉庫でも、温度管理のための冷蔵設備が必要で、ここでも電力が使われます。

改善に向けた取り組み

飼料の改善

  • 酪農
  • 温室効果ガス
  • 環境

牛のげっぷや糞尿から出る温室効果ガスを減らすために、飼料を工夫する動きが広がっています。重要な栄養素であり温室効果ガスのもとでもある窒素が効率よく牛の体内に吸収されるように成分のバランスを整えた飼料や、牛の成育を促進し肥育期間を短縮することで結果的にげっぷや糞尿の排出量を減らす飼料、メタンを減らす飼料添加物などさまざまなものがあります。

糞尿処理方法の改善

  • 酪農
  • 資源循環
  • 温室効果ガス
  • 環境

糞尿を放置すると温室効果ガスが発生します。メタンを合成するメタン菌は酸素がない環境で増殖するため、糞尿を堆積したままにせず、攪拌や通気を行うことで、メタンの発生を抑えるとともに、良質な堆肥を得ることができます。逆に、あえてメタンを発生させ、それを燃料(バイオガス)として活用する方法も研究されています。

生産性の向上

  • 酪農
  • 温室効果ガス
  • 環境

乳牛の生産効率(1頭当たり乳量)が上がれば、乳量当たりの温室効果ガス排出量は減少します。そして、1頭当たりの生産効率が上がれば、それは飼養頭数の減少につながりますので、全体として温室効果ガス排出量を減らせることが海外の研究で明らかにされています。各国の生乳1kg当たりの温室効果ガス排出量が1頭当たり乳量と反比例的な関係にあり、途上国の酪農場での排出量が多いことが示されています。

工場の省エネ化

  • 乳業
  • 温室効果ガス
  • 環境

古い冷却設備やボイラーを省エネ型に交換することで、電力や燃料の使用量を大きく減らすことができます。また、作業のスケジュールを見直し、機械の立ち上げ回数を減らすことも有効です。照明のLED化や太陽光発電の導入といった小さな省エネ化の積み重ねも、工場全体の温室効果ガス排出量削減に繋がります。参考: 日本乳業協会「環境への取り組み

輸送の省エネ化

  • 流通
  • 温室効果ガス
  • 環境
  • 酪農
  • 乳業
  • 牛乳販売店

輸送時に発生する温室効果ガスの削減には、輸送距離を短くする工夫や、より省エネ性能の高い車両・輸送手段を使うことが効果的です。配送ルートの見直しや、電気自動車・ハイブリッド車の導入、燃費のよい運転方法の指導、船や鉄道の利用などが広がっています。

国際的な取り組みとの連携

Jミルクは、酪農乳業の持続可能性に関する国際組織「デーリー・サステナビリティ・フレームワーク(DSF*)」に加盟しています**。Jミルクは、毎年、日本の酪農乳業に関する統計情報をDSFに報告しており、2026年からは、日本の「温室効果ガスの削減」/「労働者の安全と権利」/「アニマルウェルフェアへの配慮」に関する実態のデータについてもDSFに報告することになっています。

DSFが目指す状態(温室効果ガスの削減)

  • 酪農乳業バリューチェーン全体の温室効果ガス排出量を測定している
  • 経済的に可能なあらゆる手段を取ることで削減されている

DSFへの報告内容(温室効果ガスの削減)

  • 活動事例の報告書を提出(2年ごと)
  • 国際酪農連盟(IDF)の方法で日本の酪農乳業の排出量を測定(3年ごと)

*DSFは、毎年、世界の酪農乳業の持続可能性に関する進捗データを集計・報告しています。2024年は、世界で公式取引された生乳の52%分について報告しています
  2024年の報告は、こちらからご確認いただけます。

**Jミルクは、「酪農乳業ネットゼロへの道筋(P2DNZ)」にも参加しています。P2DNZは、Jミルクが会員となっている国際酪農乳業組織「グローバル・デーリー・プラットフォーム(GDP)」が国連食糧農業機関(FAO)や国際酪農連盟(IDF)などと協力して立ち上げた、酪農乳業からの温室効果ガス排出を削減するための国際的な取り組みです。
  JミルクのP2DNZへの参加については、こちらからご確認いただけます。

社会的要求への対応への取り組み

人にやさしく
労働者の安全と権利の確保

産業の根本を支えるのは、現場で働く人々の力。酪農乳業の健全な発展のため、すべての人にとって安心・安全な職場づくりが求められています。

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牛にやさしく
アニマルウェルフェアへの配慮

牛たちの健康が、牛乳の品質と信頼の源。牛が牛らしく生きられる環境づくりは、持続可能な酪農を実現するために欠かせない視点です。

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