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牛乳の気になるウワサをスッキリ解決!

ウワサ17 牛乳のたんぱく質がカルシウムの吸収を阻害する

ウワサ17 牛乳のたんぱく質がカルシウムの吸収を阻害する

 

牛乳のたんぱく質は、小腸でカルシウムの吸収を促進します。

● カルシウムを摂取しやすくするカゼインミセル 
牛乳に多く含まれるカルシウム(リン酸カルシウム)の約60%は、牛乳中では「カゼインミセル」(*1)というコロイド粒子(*2)に組み込まれる形で存在していると考えられています。 

カゼインミセルは、牛乳の主なたんぱく質であるカゼイン(αs1、αs2、β、κ)の集合体であるサブミセルがコロイド性リン酸カルシウムにより架橋される形で存在するモデルが提唱されています。カルシウムはカゼインと結合すると沈澱することなく、カゼインミセルの形で液体内で分散していられます。「乳」は、吸収されにくいカルシウムをこのような形にすることで、母乳を飲む子がカルシウムを摂取しやすいようになっているのです。 

● カゼイン由来のCPPが、小腸でカルシウムの吸収を助ける 
牛乳のたんぱく質は、小腸内でもカルシウムの不溶化を阻止し、吸収を助ける働きをしています。カゼインには、「CPP(カゼインホスホペプチド)」(*3)と呼ばれるアミノ酸のセリンがリン酸化されたペプチド領域があります。私たちが牛乳を飲むと、小腸下部でカゼインが酵素によって分解されて、このCPPが腸内で生成します。

一方、摂取されたカルシウムは、胃の中で可溶化され、一部は小腸上部で吸収されますが、大部分は小腸下部まで移動してリン酸と結合し、不溶化して吸収されにくくなってしまいます。マイナスに荷電したCPPは、この小腸下部でプラスに荷電したカルシウムイオンと結合します。するとカルシウムは沈澱しなくなるので、小腸から吸収されます。この仕組みが、牛乳がカルシウム吸収性の高い食品である大きな理由の一つと考えられています。 

牛乳のたんぱく質については、「ウワサ8」もご覧ください 

用語 
*1 ミセル:分子間の力によって多数の分子が集合したもの。 

*2 コロイド粒子:分子やイオンよりも大きい分散粒子をコロイド粒子といい、これが気体・液体・固体に浮遊しているものをコロイドという。食品では牛乳、バター、マヨネーズなど。ほかに霧、煙、塗料なども。 

*3 ペプチド:2つ以上のアミノ酸が結合してできた化合物の総称。 

参考資料 
・ 小野伴忠. 乳たんぱく質におけるカルシウム動態とその応用. Milk Science. 2005, 54(2), 53-62. 
リンク先から他の「ウワサ」をご覧いただけます。

2014年12月18日

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