国連気候変動会議「COP28」の閉幕にあたりIDFとGDPが共同声明を発表しました

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国連気候変動会議「COP28」の閉幕にあたりIDFとGDPが共同声明を発表しました

世界の酪農乳業界を代表する組織である国際酪農連盟(IDF)とグローバル・デーリー・プラットフォーム(GDP)が、2023年11月30日から12月13日まで開催された国連気候変動会議「COP28」の閉幕にあたり共同声明を12月21日に発表しました。
IDFとGDPは、農業食料システムにおける複雑な状況を乗り越え、栄養ニーズ、持続可能性、および気候変動対策の間の調和を達成するため、情報に基づいた政策決定に支えられた本セクターの関係者と主要な利害関係者との協力を提唱するとしています。

IDF・GDP共同声明(COP28閉幕)仮訳

アラブ首長国連邦で開催されていた国連気候変動枠組条約締約国会議 (COP28) が12月13日に閉幕したことを受け、国際酪農連盟(IDF)とグローバル・デーリー・プラットフォーム (GDP) は、その結論を共有したいと思います。

世界の栄養の安定供給を損なうことなく、急速な人口増加の時代に気候変動へ対処するためには、栄養・経済・社会面の持続可能性、および農業食料システムにおける気候変動対策を含むバランスのとれた戦略を維持する必要があります。

温室効果ガス (GHG) 排出量の削減は、世界の酪農乳業セクターの優先事項の一部であるのと同時に、酪農乳業セクターが継続してもたらす栄養的・社会的な利益を確保するものでもあります。私たちは、本セクター全体およびバリューチェーンに沿った協力を促進し、最も大きな影響をもたらす行動に集中しています。

すべての気候行動(気候変動対策)の戦略は、あらゆる年齢層、特に小児期、青年期および老年期における健康的で栄養価の高い食事のために、牛乳乳製品を含む陸生動物性食品が重要であることを認識すべきです。このことは開発途上国において特に重要であり、飢餓と闘いSDG2を達成するための取り組みには牛乳乳製品を含めるべきです。なぜなら牛乳乳製品は、品質の高いタンパク質、カルシウム、マグネシウム、セレン、リボフラビン、ビタミンB5およびビタミンB12などの必須栄養素を供給する上でかけがえのない役割を担っているからです。

酪農家や生産者が、持続可能で気候に優しい農業ソリューションを実行するために積極的な努力をしていることを認識することは重要です。「酪農乳業ネットゼロへの道筋(Pathways to Dairy Net Zero)」のイニシアチブは、企業、業界団体、政府、学術機関を含む200以上の組織に支持されています。さらに、世界の酪農乳業セクターは、気候行動の目標に沿った持続可能な生産を確実にするために、ますます革新的な方法(イノベーション)を取り入れ続けるでしょう。

世界の酪農乳業セクターはGHG排出を削減するコミットメントを果たしつつありますが、私たちだけではそれを実現することはできません。私たちには、転換を加速させるために、農家や酪農乳業セクターにインセンティブを与えるような政治的・制度的枠組みが必要です。具体的には、より多くの研究に資金を提供して新しい技術とソリューションの承認を合理化して迅速化し、意義のある排出削減のためのツールを農場で採用するための資金を提供することによって、GHG排出に対する農場でのソリューションの開発と展開における障壁を取り除く政策が必要です。

IDFとGDPは、農業食料システムにおける複雑な状況を乗り越え、栄養ニーズ、持続可能性、および気候変動対策の間の調和を達成するため、情報に基づいた政策決定に支えられた本セクターの関係者と主要な利害関係者との協力を提唱します。


詳しくはCOP28の以下の公式サイドイベントをご参照下さい。

● IDFおよび欧州乳業協会(European Dairy Association)の共催イベント:
「気候変動の時代に動物性食品はどのように世界に栄養を届けるか」
 https://www.youtube.com/watch?v=fjnw8Ii7YuE

● GDP、持続可能な牛肉のための国際円卓会議(Global Roundtable for Sustainable Beef)、カナダ畜牛協会(Canadian Cattle Association)、および牛肉とラム・ニュージーランド(Beef + Lamb New Zealand)の共催イベント:
「世界の畜産の持続可能性向上による農家主導の適応・緩和策」
 https://www.youtube.com/watch?v=smi06Mxby_o
(2023年12月21日発表)

共同声明の原文は下記リンク先からご覧ください