2023年の世界の生乳生産量は2年連続の低成長、乳製品貿易量は昨年並みで予測(2023/7/12)
FAO「食料アウトルック」2023年6月号より

2023年の世界の生乳生産量は2年連続の低成長、乳製品貿易量は昨年並みで予測

FAO「食料アウトルック」2023年6月号より

国連食糧農業機関(FAO)は、世界の農産物需給などの概況を見通す「食料アウトルック(Food Outlook)」報告書を毎年2回公表している。6月15日に公表された最新報告では、乳・乳製品の市場動向について、2023年の世界の生乳生産量を2年連続の低成長となる前年比0.9%増の9億4400万トンと予測した。これは、生乳生産が、アジア、北米を中心に増加する一方、欧州連合(EU)、オセアニアで減少する見込みのためである。また世界の乳製品貿易量は、2023年には約8500万トン(生乳換算)となり、昨年の水準から停滞すると予測した。これは国内産の増加と全粉乳の在庫増などによる中国の輸入減少により、中米、中東、東南アジアでの輸入増加が相殺されたことが主な要因である。一方で、多くの開発途上国では、厳しい経済状況、通貨安、外貨建取引の制限によって輸入が制約される可能性がある。最も広く利用されるインフレ指標である消費者物価指数(CPI)は、2021年以降、ここ数十年で見られなかったレベルまで上昇している。インフレの継続は、マクロ経済の長期的な繁栄を妨げる。また、重大なことは、食料価格の上昇が社会不安を招き、貧困や食料不安と闘う努力を無駄にしてしまうことであると警告している。

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