元気な1日は朝食から - その1

連載コラム ミルクの国の食だより

コラム、「ミルクの国の食だより」の第64回をお送りします。今回は朝食のお話です。フランス語で朝食の語源は「断食を断って摂る食事」なのだそう。この言葉は朝食の大切さをよく表していますね。

夏時間の到来

太陽が輝きを増し始め、暖かな日ざしがやわらかく降り注ぐ早春のリヨン。
草木も芽吹き、朝早くから黒つぐみが澄んだ声で歌うのを聞くと、春が近づいて来たことを肌で感じさせてくれます。

3月最後の日曜日になれば、時計の針を1時間進めて夏時間となり、本格的な春の到来です。

過ごしやすい気候を迎え、冬が明けた開放感で心弾む一方、この1時間の違いにより生体リズムが狂い、「時差ぼけ」状態に陥って眠気やぼんやり感、疲労感などの気分変調を感じる人も少なくありません。特に影響があるのは子供たちや高齢者など、日頃規則正しい生活を送っている人たち。

我が家でも毎年のことなので、習慣化された食事の時間や就寝時間を少しずつずらしていったりして調整していますが、この「時差ぼけ」にカラダが慣れるまで数日から1週間、時には数週間かかることもあります。

たった1時間の差ですが、太陽が人間に与える影響が大きいことを感じずにはいられません。
  • グラフ1「1週間のうち1回以上朝食を欠食する人の割合」
    大人約20%、子ども約30%(3~11歳25%、12~14歳40%)が朝食を食べていない

朝食 = 断食を断って摂る食事

息子たちが通っている学校でも、ここ最近、朝食を食べないで登校する子どもが目立つそうです。

というのも、今年度(2018年9月~)は公立学校の時間割が変わり、12時からが昼休み。
昼食を家庭に戻って食べる児童と、そのまま学校で給食をとる児童がいます。

児童が給食を摂る食堂のスペースには限りがあるので、学年ごとに食事時間をずらして利用されます。最初のグループは12時から食べられますが、二番目のグループの子供は午後1時過ぎまで昼食をとることができません。
昼休みが11時半からだった以前の時間割では、遅くとも12:30には全員給食を食べられていたので、されほど大きな問題にはなっていませんでした。

朝食を食べないで登校した子どもたちは疲れが目立ち、授業に集中できず、11時を過ぎる頃には、胃痛や低血糖などの生理的困難に陥ることも。

前夜の夕食から半日以上食べ物をとっていない状態では無理もありません。

フランス語で一日の始まりに「断食を断って摂る食事」という語源をもつ朝食。
その意味をきちんと理解する必要がありそうです。
  • グラフ2「児童の朝食の欠食率」
    ほぼ毎日食べていない児童が40%以上も
※このテーマは次号に続きます。
管理栄養士 吉野綾美

1999年より乳業団体に所属し、食育授業や料理講習会での講師、消費者相談業務、牛乳・乳製品に関する記事執筆等に従事。中でも学校での食育授業の先駆けとして初期より立ち上げ、長年講師として活躍。2011年退職後渡仏、現在フランス第二の都市リヨン市に夫、息子と暮らす。