第九話 牛乳を飲んで身長を伸ばそう(前篇)

元気くん一家のミラクル ミルク ライフ

日本初! 食育小説「元気くん一家のミラクル ミルク ライフ」の第9回です。

おうちでできるミルクスイーツ。きょうは和風に、牛乳でこねた白玉に挑戦します。牛乳のカルシウムで、愛ちゃんや元気くんたち育ち盛りにぴったりのおやつです。

第九話 牛乳を飲んで身長を伸ばそう(前篇)

日曜日の午後、お父さんとお母さんは出かけてしまい、元気くんも野球の試合です。

愛ちゃんはおばあちゃんとお留守番、皆が帰ってきたら食べようと2人でキッチンでフルーツ白玉を作ることにしました。
ボウルに白玉粉を量って入れます。

「白玉粉って大きい粒があるのね。」
「もち米から作るんだよ。牛乳は栄養がある分、水よりもしみ込むまで時間がかかるから牛乳を回し入れて、しばらく置いておくのがコツなんだって。愛ちゃん、牛乳を入れて。」

仲良く並ぶと、
「あれ、おばあちゃん、背が縮んだ?」
「え~、やだわ、怖いこと言って。愛ちゃんが伸びたんでしょ。」
「そうかも。春休み終わって学校に行ったら、先生にも背伸びたネって言われたんだ。うれしかったよ。」

弾力が出るまでこねるのがコツ!

10分ほど経ったので、テーブルで牛乳を入れた白玉粉をこね始めます。
まずはおばあちゃんが見本を見せます。

「さあ、こうやって手のひらを使って、山を作って押し込んで、また山を作るのを繰り返すんだよ。」
「うん、やってみる。」

様子を見ながら、おばあちゃんが牛乳を少しずつ足していきます。

「そろそろ良さそうだね。鍋のお湯も沸いたよ。」

白玉がひとかたまりになり、弾力が出たので、愛ちゃんはおばあちゃんに習って、直径2センチに丸めると親指で凹みを付けて、できた団子を並べていきます。
おばあちゃんは、ゆでるのを担当、鍋に団子を入れていきます。

「毎日一緒にいるからすぐには気付かないけど、大きくなったよ。そのうち、おばあちゃんは抜かれちゃうね。」
おしゃべりをしながら、どんどんお団子ができていきます。

白玉団子をシロップにつけて冷やします

「不思議—。沈んだお団子が浮き上がってくるんだネ。」
「浮き上がったら、すぐに取らないで、30秒くらいたったら、穴あきお玉ですくって、水につけとくの。見ててあげるからやってみる?」

最後の団子を愛ちゃんが取って、ザルを使って水をしっかり切って、作っておいたレモン入りのシロップに団子を入れます。

「こうしておくと、シロップがしみ込んで、美味しくなるんだよ。」

イチゴとキウイ、缶詰のパイナップルも食べやすい大きさに切って、準備完了。
皆が帰ってくるまで団子とフルーツを冷蔵庫で冷やします。

元気くんも背が伸びました

チャイムが鳴ったので玄関へ。
「試合勝ったよ!初めてピッチャーで投げたんだ。」
元気な声が響きます。

部活を頑張っている元気くん、中学生になって、お母さんの身長を超えました。
玄関でお父さんも一緒になりました。

「でかい靴だなぁ。」
とお父さん。
靴のサイズはお父さんよりも大きくなりました。

「2人とも身長がこの1年でずいぶん伸びたな。」
「うん、僕は8センチくらい伸びたよ。」
「すごーい。愛は何センチかな?」
「あー、お腹すいた」
と元気くん。

「フルーツ白玉、おばあちゃんと作ったんだよ。早くお母さんも帰って来ないかなぁ。」

※このテーマは次回に続きます。お楽しみに。

管理栄養士のお母さんから

おいしいフルーツ白玉の作り方はこちら

季節のフルーツをトッピングすれば、見た目も華やかに!

キウイはたんぱく質分解酵素があるので、盛りつけは食べる直前にしましょう。

パイナップルも生は酵素がありますが、缶詰は加熱しているので、苦くなりません。

身長の伸びのグラフ

グラフでみると、小、中学生時代の身長の伸びが著しいことがわかります。この時期にはしっかり栄養をとりたいものです。
管理栄養士・消費生活アドバイザー・フードコーディネーター 加藤明子
牛乳・乳製品の相談業務を平成6年より担当し、食育授業、料理講習会、勉強会等で講師を務めている。近年は小中学校における食育授業、学校栄養職員、教諭、PTA等の研修や講習会、大学での授業、フードコーディネーター養成講座の講師など、東京、埼玉、千葉、神奈川を中心に活動している。