ウワサ11 牛乳にご飯は合わない、学校給食には必要ない

牛乳の気になるウワサをスッキリ解決!

ウワサ11 牛乳にご飯は合わない、学校給食には必要ない

栄養や食育の観点から、もっと慎重に議論すべき問題です。

和食のご飯に牛乳は合わないので、給食のメニューからはずす──。このような話題がマスメディアなどで取り上げられています。

● 学校給食の目的や意義を見直して
学校給食は、子どもたちの発育と健康の保持増進のために永年にわたり研究され、工夫されて、日本人の体力や体格の向上に役立ってきました。その中でも「牛乳」は栄養生理学上の重要な位置を占めています。

成長期の子どもたちにとって、通常のおかずだけで必要なカルシウムやたんぱく質を十分に摂取できるかどうかは疑問です。というのは、学校給食のない日は児童のカルシウム摂取量が基準値よりも3.5割不足しているというデータが、文部科学省からも示されており、給食で牛乳をやめると、さらにカルシウム不足を招く大きな危険性が生まれます。また、牛乳は命の大切さや生産者の苦労に対する感謝の気持ちを育む教育のための身近で有効な教材として、食育活動の中でも評価されています。

こうしたことを踏まえ、学校給食で牛乳の提供をやめるかどうかは、栄養や食育の観点から慎重に検討するべき問題です。 

● どんな食材も受け入れられるのが日本食 
日本の食事は、ご飯に和・洋・中華などのおかずや乳製品、果物など、どのような食材も組み合わせることのできる幅広さを持っています。このように多様な食材を組み合わせることができる「柔軟性」が、「日本食は栄養バランスが良い」といわれるゆえんでもあります。
日本の食文化の特徴は、その長い歴史の中で、他の地域や民族の食文化が融合して形成されてきました。特に、明治維新以降は、近代化や洋風文化の受容に合わせ、それまで禁忌されてきた肉食や牛乳の利用が始まりました。

学校給食は、そのような日本食の歴史や文化を確認する場でもあります。牛乳の提供が、学校給食におけるごはんの推進に相反するという理屈は、学校給食のあり方を制約的にするものです。
食事をするときにどんな飲み物を飲みたいかは、その人の好みが大きく関わってくる問題なので、和食の一汁三菜に牛乳が合うかどうかを議論しても結論は出ないでしょう。

いずれにしても、食生活は、私たちの生活や人生を豊かで充実したものにするとともに、健康維持にとって大変重要な要素です。食文化や栄養など、幅広い総合的な視点で議論することが必要です。

もっと知りたい! 牛乳を和食にプラス。「乳和食」でもっとヘルシーに!

日本食の代表は和食です。
和食は栄養バランスが良く、脂肪分も少ないことから、健康食としての認識が世界的に広がりつつあります。しかし、醤油や味噌など塩分の多い食材が使われるため、どうしても摂取塩分量が多くなってしまい、塩分の過剰摂取が課題となっている日本人にとっては、改善が必要です。

その一方で、減塩食は、味が薄く、食事として物足りないことが悩みの種です。 
そこで、牛乳が本来持つ「コク」や「うま味」を料理にプラスして、塩分を減らしてもおいしくいただける調理法として新しく提案されたのが「乳和食」です。

現在、乳和食は、日本人のカルシウム不足の改善や、高齢者で不足しがちなたんぱく質を補えるというメリットもあり、日本栄養士会や日本高血圧協会などでも普及の取り組みが進められています。

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