【Thinking Milk】
牛乳からできる意外なもの

ミルクを知ると、“暮らし方”が見えてくる。

牛乳からできる意外なもの

全16回(2005年夏~2007年「ほわいと」より)
牛乳からできるもの、いくつ知っていますか?
ヨーグルト、チーズ、バター、生クリーム、アイスクリームなど、これらは牛乳を加工してつくられる乳製品。

牛乳からつくるものといえば口に入るものばかり思い浮かべますが、実はほかにもいろいろあるのです。

ミルク繊維

シルクのような風合い

牛乳から取り出されたカゼインというたんぱく質に、アクリル繊維の原料になるアクリルニトリルを結合させてつくられます。プロミックスと呼ばれる繊維です。
シルクのような風合いと光沢があり、吸湿、速乾性に優れ、適度な保湿性があります。
1970年代に、シルクの代用品として、着物地用に開発されました。

現在でも、ミルク成分を配合した繊維は、タオルや下着など、肌ざわりの良さが求められる製品に生かされています。

ミルクプラスティック

象牙の代用品にも

カゼインから、ラクトロイドと呼ばれるプラスティックがつくられています。
染色が簡単で加工しやすく、磨耗や薬品に強いという特徴を持っています。

色、ツヤに優れ、ほかの樹脂にはない独特の魅力があり、印鑑やピアノなどの鍵盤、洋服のボタン、麻雀パイなどに使われています。
象牙の代用としても用いられています。

ミルクペイント

糊や絵の具に

カゼインはアルカリ液に溶かすと、もっとも強力な糊料のひとつになり、古くから利用されています。

建築材料の接着剤やペンキ、画材の糊や絵の具に使われます。

ミルクスキンケア

保湿性を生かして、化粧品や石鹸、入浴剤などに使われます。

たんぱく質のカゼインや乳脂肪などの乳成分には保湿性、吸水性があります。
古代エジプトの女王、クレオパトラが美肌のために牛乳風呂に入っていたのは有名です。
牛乳は大切な栄養源としてそのまま飲むだけではなく、ヨーグルトやチーズなど、いろいろな乳製品が作られています。
そして、乳製品以外にもこんなにたくさんの用途があるのです。
 
こんな食品はほかにはありませんよね。
 
 
j-milk magazine ほわいと 2005夏号より