【Thinking Milk】バターのおいしさのヒ・ミ・ツ

🔻2005年掲載

バターのおいしさのヒ・ミ・ツ

料理にバターを使うとキッチンに香りが広がって、食欲をそそります。
そして、口に含むとバターならではの風味が味わえます。
そのおいしさはどうして生まれるのでしょう?

300種以上ある芳香成分

原料である牛乳の脂肪を集めたものがバターで、80%以上の脂肪を含んでいます。その脂肪の主成分、脂肪酸が加熱によって揮発し、香りが生まれます。室温に戻すだけで軟らかくなるほど溶けやすく、加熱によって揮発が起こりやすいのも特徴です。しかし、バター全体の香りや風味は脂肪酸によるものだけではなく、さまざまな微量の芳香成分が存在し、それらがからみ合って生まれます。この芳香成分は300種以上あるというのですから驚きです。バターの香りは、けっして人工的に作れないというのもうなずけます。他にも次のような性質を利用して菓子作りにも使われ、いろいろなおいしさが味わえます。 

クッキーやパイ生地がサクサク

小麦粉をこねるとたんぱく質のグルテンが粘りを出しますが、バターは小麦粉の中に薄い膜を作ってそれを阻止し、組織を滑らかにします。この性質を「ショートニング性」といいます。

ケーキ生地がふっくら

バターを撹拌すると大量の空気が細かい泡となって抱き込まれるのが「クリーミング性」です。ケーキがふっくら焼けたり、最近はやりのロールケーキに使われるバタークリームがおいしいのもこの理由です。 

折り込みパイやデニッシュパンが層状に

外から加えられた力で、生地のなかでバターが薄く延び、粘土のように自由にかたちを変えられるのが「可塑(かそ)性」です。サクサクした食感になる秘密はこれだったのです。バターで焼くとほどよい焦げ色がつき、ツヤが出ます。仕上げに加えればコクも出ます。
バターの特性を知って、大いに活用しましょう。
j-milk magazine 「ほわいと」2005冬号より
【Thinking Milk⑥】ミルクを知ると、“暮らし方”が見えてくる。
全16回(2005年~2007年掲載)