牛乳容器のヒミツ

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牛乳容器のヒミツ

【MiLK talk】02/15
牛乳容器は、牛乳という液体の品質や栄養を守ることはもちろん、強度に優れ、運びやすくなければなりません。また、成分や期限表示など、製品の情報を伝える役割もあります。

牛乳飲用が広まった明治時代初期は、大きなブリキ缶から牛乳を柄杓(ひしゃく)ですくって量り売りをしていました。やがて、小さなブリキ缶(180ml)に入った牛乳を得意先に配達するようになりました。牛乳宅配のはじまりです。

びん容器

1889年(明治22)、細口で首の長いガラスびんが登場しました。その後、牛乳専用のガラスびんが使われるようになりましたが、かたちや色はさまざまで、栓も紙製、王冠、陶製のものを使用していました。

1928年(昭和3)、「牛乳営業取締規則」で、衛生面から牛乳の殺菌を義務づけるとともに、着色びんを禁止し、無色透明の広口びんに紙キャップをすることを定めました。

現在も使われている牛乳びんのはじまりです。最近では、持ちやすい軽量びんが増えています。
外表面に樹脂がコーティングしてあり、強度はこれまでのものと変わりません。 

紙パック

20世紀中頃になると、液体を紙で包むという画期的な容器が現れました。
アメリカで開発されたピュアパック(直方体)、スウェーデンのテトラクラシック(四面体)です。

紙の両面にポリエチレンがラミネートしてあるので、漏れを防ぎ、外から水分などがしみ込むのも防いでくれます。
また、容器を成型する時、ポリエチレンは熱で接着でき、他の接着剤を必要としないので衛生的です。

日本では、1956年(昭和31)に初めてテトラクラシックの容器が販売されました。
その後、東京オリンピックでの採用、スーパーマーケットの発展、学校給食への普及などで紙パックの牛乳は、急速に広まっていきました。 

リユースとリサイクル

びん容器は回収され、工場で洗浄・殺菌されると、再び使用(リユース)されます。軽量びんは傷つきにくく、90回くらいまでリユース可能になりました。

紙容器は、自治体などの回収で、トイレットペーパーやティッシュペーパー、ノートなどにリサイクルされます。

現在使われているびんと紙パックは、人々の健康を維持する牛乳を大切に包むために、さまざまな工夫と改良がされた、環境にやさしい容器となっています。 



ほわいと(2009夏)より