オーストラリア、制度改革から業界再編へ(2021/3/17)
乳価決定での「行動規範」導入から1年

オーストラリア、制度改革から業界再編へ

乳価決定での「行動規範」導入から1年

オーストラリアの酪農乳業界に、昨年、新たな生産者乳価決定の仕組みが、酪農生産者と乳業会社にとって強制力のある行動規範(Code of Conduct)として導入された。その結果、原料乳の供給契約において、乳業会社からの一方的な乳価変更が禁止になっただけでなく、事前に公開することが求められるなど、透明性の高い仕組みが整備された。オーストラリアの酪農乳業界は過去約10年間、寡占化した小売業界の購買力の強さによって年度終了直前になっての乳価の大幅引き下げなどを経験し、これが酪農家の離農につながっていると指摘されていた。社会や政界に危機感が広がり、高まった世論を背景に、生乳流通の構造を変えることとなった乳価形成の新たなこの仕組みについて、業界の流れをひもといてみる。

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