今後10年間、世界の生乳生産は年率1.8%で増加し、消費はアジアでのフレッシュ乳製品の増加と欧米でのチーズの伸びに支えられると予測(2025/8/20)
FAOとOECDが年次報告書「農業アウトルック2025-2034」を公表(7月15日)

今後10年間、世界の生乳生産は年率1.8%で増加し、消費はアジアでのフレッシュ乳製品の増加と欧米でのチーズの伸びに支えられると予測

FAOとOECDが年次報告書「農業アウトルック2025-2034」を公表(7月15日)

経済協力開発機構(OECD)と国連食糧農業機関(FAO)は7月15日、今後10年間の世界の農業の動向を作目ごとに見通した、年次報告書「農業アウトルック(Agricultural Outlook)2025-2034」を発表した。その中で、今後、中所得国の所得が上昇するにつれて動物由来食品の生産量と摂取量の増加が見込まれるが、世界的な栄養不足への対処と共に農業由来の温室効果ガス (GHG) 排出量を削減していくためには、農業生産性の向上による食料生産量のさらなる増加が必要であるとしている。
酪農分野については、報告書の第6章「酪農乳業および乳製品」において、「2025~2034年の世界の牛乳乳製品市場の展開と中期予測」を説明している。世界の乳製品の消費動向は、アジアで主にフレッシュ乳製品の消費が増加し、欧米ではチーズの消費は伸びるものの、乳製品全体では鈍化すると予測。生乳の生産量については、主に個体乳量(一頭当たり乳量)の増加に支えられて今後10年間にわたり年率1.8%で増加すると予測している。また、乳製品の三大輸出国・地域であるニュージーランド、欧州連合(EU)、米国を合わせると、生乳生産量の伸びは鈍化するものの、世界の乳製品輸出量に占める割合は70%近くになると予測している。
本稿では、第6章の中から、第1節「予測の要点」、第3節「市場予測」、第4節「リスクと不確実性」について紹介する。なお、理解しやすさへの配慮から一部を編集している。

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