日本の近代化と酪農生産の地域的広がり

2019年度酪農乳業産業史シンポジウム_札幌会場

開催日:2019年10月30日(水)/場所:札幌国際ビル貸会議室 8階 国際ホール

Jミルクでは、日本独自の乳の生産や利用の社会的文化的な展開過程への理解醸成を図り、酪農乳業の産業的価値を高めることを目的として、JRAの協力を得て、「酪農乳業産業史を活用した競争力強化事業」でシンポジウムを開催いたしました。2019年度に札幌市、大阪市、福岡市において、これまで収集した史料や知見等を活用して、特に近代日本における酪農生産が日本全国にどのように展開し、それぞれの地域的特徴についてテーマ別の講演ならびにパネルディスカッションを行った報告書を作成いたしましたので、ぜひご覧ください。

講演者プロフィール

講演①:「明治・大正のデーリィマンたち~北海道根室・十勝地域を中心に~」
講演者 ライター 小林 志歩 氏
京都市生まれ。筑波大学比較文化学類卒。新聞記者、モンゴルでの日本語教師を経て2002年、NPO法人モンゴルパートナーシップ研究所(MoPI)で遊牧民の暮らしを体験するスタディーツアーの企画運営に関わったのをきっかけに、現地の乳加工とその文化に興味を持つ。現在はフリーランスで、モンゴルや酪農をテーマに取材、地元紙等に寄稿している。

講演②:「明治維新における西洋型農業の導入と近代ミルク科学研究の始動」
講演者 信州大学名誉教授 細野 明義 氏
1963年、東北大学農学部卒業後、同大学院農学研究科修士課程修了後、信州大学助手(農学部)。同大学助教授を経て、85年教授。この間、NRC博士研究員としてカナダ国立食品化学研究所に留学。信州大学農学部長、岐阜大学大学院教授等を歴任。99年(財)日本乳業技術協会常務理事に就任、2003年同協会代表理事。国際酪農連盟日本国内委員会常任幹事を併任し、05年に退任。

パネルディスカッション:テーマ「北海道酪農の展開と地域的特徴を考える」
座長 酪農学園大学名誉教授 安宅 一夫 氏
1947年北海道生まれ。71年帯広畜産大学大学院草地学専攻修了。82年農学博士(東北大学)。71年酪農学園大学農学科助手、助教授、教授、酪農学部長(初代)、同大学長を経て2012年定年退職。米国コーネル大学客員准教授、中国・内蒙古大学客座教授、内蒙古民族大学名誉教授、新疆農業大学客座教授。

パネリスト 西日本食文化研究会主宰
 和仁 皓明 氏
1931年北海道生まれ。東北大学農学部、米国メリーランド大学大学院修士課程卒業。農学博士。雪印乳業株式会社勤務を経て、東亜大学大学院教授などを歴任。現在は「西日本食文化研究会」主宰を務める。乳の学術連合乳の社会文化ネットワーク幹事、酪農乳業史料収集活用事業推進委員会委員長。

ライター 小林 志歩 氏、信州大学名誉教授 細野 明義 氏

このシンポジウムの内容をまとめた報告書です。