コロナ禍、資源高騰、ウクライナ情勢…
生乳サプライチェーンに起きていること

メディアミルクセミナー

2022年7月22日開催

 2021年冬から2022年春にかけ、処理不可能乳発生(生乳廃棄)の可能性について社会的な関心が広がりました。
 新型コロナウイルス禍で牛乳・乳製品の消費が落ち込む一方、生乳生産はコロナ禍以前からの業界を挙げた取り組みで増加しており、牛乳の需要が一時的に低くなる年末年始などには処理能力をオーバーする可能性があったためです。
 このことに関連し、さまざまな質問が寄せられました。「コロナの影響は2年も続いているはずなのに、なぜ2021年冬や22年春になって廃棄の可能性が取りざたされたのか」「今後も需給バランスが崩れる可能性はあるのか」、さらに「飼料穀物やエネルギー、さまざまな資材などの価格高騰の影響は」「ウクライナ情勢の影響は」……。
 上記のうち資源の高騰やウクライナ情勢などは、他の産業や家計も含めて、いま直面している課題ですが、酪農乳業には、「生乳サプライチェーン」ならではの特殊性もあります。
 そうした部分の疑問も含め、酪農乳業や生乳サプライチェーンの構造に詳しい清水池先生に、分かりやすく解説していただきました。

講演者 プロフィール

清水池 義治 先生
北海道大学大学院 農学研究院 准教授

2009年北海道大学大学院農学院博士後期課程修了、博士(農学)。
09年1月から名寄市立大学保健福祉学部教養教育部・講師、15年4月から同・准教授、16年4月から北海道大学大学院農学研究院講師、21年10月から現職。専門は農業経済学、食料農業社会学、農産物流通。
主著に『増補版:生乳流通と乳業』(デーリィマン社、15年)、『農業経済学事典』(分担執筆、丸善出版、19年)。
1979年生まれ、広島県出身。

第54回 コロナ禍、資源高騰、ウクライナ情勢…生乳サプライチェーンに起きていること

このセミナーの内容をまとめたニュースレターです。
  • 非常に繊細な需給調整が必要な生乳サプライチェーン
  • コロナ禍で生じた需給ギャップ。乳製品在庫の形で先送りにしてきたが限界に
  • 資源・生産資材高騰下での酪農危機。乳価引き上げの必要性
  • 酪農乳業の今後の課題とは。そして、私たちはどう向き合うべきか
メディアミルクセミナーとは
メディアミルクセミナーは、主に、医学・栄養学・食品科学の専門家による栄養と健康をテーマにしたメディア向け勉強会で、年に3回程度開催されています。
セミナーでは、毎回、牛乳乳製品の持つ栄養健康機能についての最新の研究成果や知見も報告されています。
毎回のセミナーの内容は、下記のニュースレターとして取りまとめられています。
牛乳乳製品の栄養健康に関する最新の情報がご覧いただけますので、どうぞご活用ください。