第3回 腸内細菌による乳糖の発酵分解の差が乳糖不耐症を招く

メディアミルクセミナー

2003年6月20日開催

牛乳を飲むと下痢を起こす——たしかにそう訴える人は少なくありません。その原因は「乳糖不耐症」、つまり牛乳に含まれている乳糖は人の体内で分解されにくく、そのために下痢が起きると説明されてきました。ところが、実際にどれほどの量の乳糖を摂るとお腹をこわすのか、具体的なデータは不足していました。長年オリゴ糖や糖アルコールの代謝・消化吸収の研究を続けてこられた県立長崎シーボルト大学大学院の奥恒行先生はこの点に注目。乳糖をどの程度摂取すれば下痢を誘発するのか?乳糖を分解する酵素ラクターゼには、体内でどの程度の乳糖を分解する能力があるのか? 疑問を解明するための実験を重ね、新たに「乳糖の消化分解には大腸の腸内細菌も大きく関与しているのではないか」という画期的な結論を導き出しました。乳糖不耐症の謎の解明には大きなヒントになる研究成果です。
(2003年6月20日開催)
講師:奥 恒行(おく・つねゆき)先生
県立長崎シーボルト大学大学院教授。保健学博士。福岡県生まれ。昭和48年東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。東京大学助手、講師、米国コーネル大学ニューヨーク州立獣医大学留学などを経て平成11年より長崎シーボルト大学大学教授。同15年より現職。日本栄養改善学会常任理事、人事院健康専門委員などを務める。著書に『機能性食品で現代病に克つ』(講談社)『現代栄養科学シリーズ総集編』(分担執筆・朝倉書店)ほか。 

メディアミルクセミナーとは

メディアミルクセミナーは、主に、医学・栄養学・食品科学の専門家による栄養と健康をテーマにしたメディア向け勉強会で、年に3回程度開催されています。
セミナーでは、毎回、牛乳乳製品の持つ栄養健康機能についての最新の研究成果や知見も報告されています。
毎回のセミナーの内容は、下記のニュースレターとして取りまとめられています。
牛乳乳製品の栄養健康に関する最新の情報がご覧いただけますので、どうぞご活用ください。
このセミナーの内容をまとめたニュースレターです

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