第15回 ビオ乳の一日(2) -フランスのビオ乳-

連載コラム ミルクの国の食だより

コラム、「ミルクの国の食だより」の第15回をお送りします。
第14回に続き、ビオ乳をとりまく状況をお伝えします。

ビオ乳の生産地

フランス全土で現在、ビオの生産者は25,000農家、作付面積は106万ヘクタール。そのうち1/3が畜産農家で、酪農家(山羊、羊含む)は3,424戸、ビオ農場全体の14%を占めます。
ビオ牛乳の四大生産地域圏は、フランス国土の北西に位置するペイ・ド・ラ・ロワール、ブルターニュ、バス=ノルマンディー、そしてスイス国境に位置するフランシュ=コンテ。この地域でビオ牛乳*¹の57%が生産されています。
また、ビオ羊乳はロックフォールチーズで知られるアヴェロン県に集中し、ビオ山羊乳はスペインに近いアキテーヌ、ミディ=ピレネー、ポワトゥー=シャラントが生産の中心となっています。
■フランスのビオ乳の代表的な生産地域圏
:ビオ牛乳  :ビオ山羊乳  :ビオ羊乳

ビオ乳市場は拡大中

年々拡大の一途を辿る、フランス・ビオ乳市場。
特に2010年から2011年にかけて、有機農業に転換した酪農家が増えたことでビオ乳の生産量が飛躍的に伸びました。
その結果、ビオ乳の輸入量を大幅に減らしても、フランス国内でビオ乳製品製造に必要とする十分な乳量を確保できるまでになったのです。
ビオ乳の生産量増加に伴い、物流が整備され、店舗においてビオ乳を使った乳製品が増え、かつ消費も増えたことで、2013年はビオ乳製品の価格はわずかながら低下しました。
このことは、有機農法による製品市場の拡大に、乳製品*²が大きな役割を果たすことを示唆しています。
現在、フランス全土でビオ乳の生産量は46万トン*³で、乳全体の生産量(2,447万トン)の1.9%を占め、売上高は6億ユーロになります。

ビオ乳製品の種類

ビオ乳から加工される乳製品は、大きく7区分になります。
  • 飲用乳(lait de consommation)
  • ヨーグルト及び発酵乳(yaourts et laits fermentés)
  • クリームを使ったデザート類(crèmes dessert)
  • フレッシュチーズ(fromages frais)
  • バター(beurres) 
  • クリーム(crèmes fraîches)
  • 熟成チーズ (fromage affinés)
■熟成チーズ 
■ヨーグルト
■バター
*¹ビオ牛乳・・・ここでは牛の生乳のこと
*²乳製品・・・飲用乳を含む、生乳から加工される乳を使ったすべての製品を指します
*³ビオ乳の生産量46万トン・・・うち、ビオ牛乳 44万7000トン、ビオ羊乳 1万200トン、ビオ山羊乳 3,100トン (2012年)
 
※この記事に関する参考資料
■CNIEL(Centre National Interprofessionnel de l’Economie Laitière) 
ENJEUX POUR LA FILIERE LAITIERE BIOLOGIQUE (有機酪農の課題)(PDFファイル)
Economie laitière en chiffres
※このテーマは次回に続きます。お楽しみに。
管理栄養士 吉野綾美
1999年より乳業団体に所属し、食育授業や料理講習会での講師、消費者相談業務、牛乳・乳製品に関する記事執筆等に従事。中でも学校での食育授業の先駆けとして初期より立ち上げ、長年講師として活躍。2011年退職後渡仏、現在フランス第二の都市リヨン市に夫、息子と暮らす。