第21回 味の発見、チーズとパンのマリアージュ-1

連載コラム ミルクの国の食だより

コラム、「ミルクの国の食だより」の第21回をお送りします。
今回から4回にわたって、フランスのチーズとパンについて詳しくご紹介します。

フランスのチーズは350-400種

1年365日、毎日違う種類を食べられるほどたくさんあるフランスのチーズ。実際には350~400種、作られているといわれます。
せっかくフランスに居るのだから、いろいろ試してみたいとは思っていても、星の数ほどの中から自分好みの味のものを探し出すのは、チーズ初心者の私にとっては至難の業。
見た目や匂いで判断してしまい、ついつい食べなれたものばかりをリピートして、バリエーションがなかなか広がらず残念な思いで過ごしていました。
そんな折、私にぴったりのチーズ講座を見つけました!
■1re Biennale Europeenne de l’Artisanat 展覧会会場の様子

専門職の技術を紹介する展覧会

王家や貴族の時代に築かれた壮大な職人文化の国としても知られるフランス。
この国では、伝統技術や手工業などの職人技術にかかわる人々をアルティザン(Artisan)と呼び、ほとんどがその専門職の国家ディプロム(免状)を取得し、職人組合(Chambre des métiers) などに属して独立して仕事をしています。その様々な分野(食品業、建設業、製造業、サービス業)におけるアルティザンが、自らの仕事内容やそれにかかわる技術を紹介する展覧会-1re Biennale Européenne de l’Artisanat*-がリヨンで開催されました。
食品業なら、パン職人、菓子職人、チーズ専門店など、建設業は大工や左官職人ら、製造業では家具職人、金具職人、時計職人など、サービス業では自動車整備士、印刷屋、美容師、仕立て屋など、など、多種多様なアルティザンが集いました。
この展示会を通して、子どもたちは個々の職業を知るきっかけに、また、若い人たちは興味のある職業につくために受ける講座などの情報を得たり、何より実際にその道のプロに直接話しを聞くことができることで、大人にとっても新しい発見につながります。一方、職人たちは仕事の機会を得たり、職人同士の情報交換の場にもなり、国家としてアルティザンの仕事を幅広く保護し、奨励する活動のひとつになっています。
■バターで作る造花のデモンストレーション

チーズとパンの勉強会

その展示会の一画で、Les Atelieres du gouts, accords fromages et pains(味のアトリエ、チーズとパンの調和)と称された講座が開かれました。
フランスの職人たちの手で丹精こめて作られたチーズたち。
チーズだけかと思ったら、いっしょにパンについても勉強できるとのこと。チーズとワインのマリアージュ(相性)は日本でもよく知られていますが、パンとのマリアージュもあるんですね。
フランスでパンといえば、一般的に細長くて固いバゲットのことをさしますが、ものによって小麦粉の種類が異なったり、シリアルやナッツ、ドライフルーツが入っているものなど、チーズに負けず劣らずそのバリエーションは豊富。
チーズだけでなく、お気に入りのパンを見つける手立てになれば楽しみ倍増です!
■子供向けのデモンストレーションや大人向けの講座が充実。小さなシェフが作るのはチョコレート菓子。試食もある食品業のブースは大人気です
* 主催:Chambre des métiers et de l'Artisanat du Rhōne、後援:商業・手工業・消費・社会的連帯経済担当長官
※このテーマは次号に続きます。お楽しみに。
管理栄養士 吉野綾美
1999年より乳業団体に所属し、食育授業や料理講習会での講師、消費者相談業務、牛乳・乳製品に関する記事執筆等に従事。中でも学校での食育授業の先駆けとして初期より立ち上げ、長年講師として活躍。2011年退職後渡仏、現在フランス第二の都市リヨン市に夫、息子と暮らす。