第十八話 発酵の不思議(1)

元気くん一家のミラクルミルクライフ

日本初! 食育小説「元気くん一家のミラクル ミルク ライフ」の第18回です。

今回は、おいしい発酵食品のお話です。お父さんのお土産のヨーグルトもその一つ。そのほか身近にある発酵食品をさがしてみることになりました。

お土産はプレーンヨーグルト

出張から戻ったお父さんのお土産はビンに入ったプレーンヨーグルト。

おばあちゃんが「最近はビン入りは珍しいけど、おばあちゃんが子どもの頃はヨーグルトと言えばビンに入った甘いヨーグルトしかなかったんだよ。」

「え、そうなの?うちはプレーンヨーグルトが多いけど、今はいろいろなヨーグルトがあるよね。」と元気くん。

「ねえ、これ何て読むの?種類別・・・?」ビンを見ていた愛ちゃん。

「はっこうにゅう。どのヨーグルトも表示は発酵乳となっているの。」とお母さんが教えてくれました。

「発酵乳=ヨーグルトってことなんだ。知らなかった。」と元気くん。

「世界中には国やその地域で食べられている様々な発酵乳があるのよ。」

発酵とは

ヨーグルトを食べながら「牛乳がヨーグルトになると酸っぱくなるよね。それが発酵?」と愛ちゃん。

「そうよ。乳酸菌が乳成分の乳糖を分解して乳酸を作って酸味が出るの。」

お母さんが説明すると「食べ物が腐るのは菌のしわざだろう?」とお父さん。

「洗剤とかウェットティッシュとかに除菌て書いてあったよ。菌は悪者なんじゃないの?」と元気くん。

「人にとって菌が役立つ働きをしてくれるのが、発酵なの。冷蔵庫が無かった時代、食べ物が早く傷んでしまうでしょう。乳酸菌などの力を借りて発酵させることで食べ物が長持ちすることを見つけたのね。」

「こんなに美味しくもなる!」と愛ちゃんが言ったので、「いいこと言う。」と皆で拍手しました。

発酵食品の魅力

お母さんが「うちのキッチンにも発酵食品がいろいろあって、毎日食べているのよ。」というので、皆で出し合うことになりました。

では、まず愛ちゃんから順番に。

「納豆。大好き!」

「納豆は納豆菌だネ。僕が好きなのはチーズ!チーズも乳酸菌だよね。」

「そうね。他にもカビや独特の菌が発酵を助けるチーズもあるわ。」


「お父さんの大好物はビールだな。ワインや日本酒もいいね。」

「へえ、お酒も発酵食品なんだ。お酒も菌?」

「お酒は酵母よ。細菌と同じで目には見えないの。」


「あれ、パンも酵母で作るんじゃなかったかい?」とおばあちゃん。

「さすが、おばあちゃん。酵母が出す炭酸ガスで発酵させてふくらませるの。」

「今度、パン作ってみたいな。」と愛ちゃん。

「チーズを入れたパンが食べたいな。」と元気くん。


「おばあちゃんはご飯に漬けものの方がいいな。ぬか漬けも日本独特の発酵食品だね。」

「愛は辛くて苦手だけど、お母さんの好きなキムチも?」

「そう、韓国のお漬物よ。」
  • ■おうちにある発酵食品をみんなで探してみました

かつお節は世界一硬い発酵食品

「ホントにいっぱいあるね。他には?」

「かつお節は世界一硬い発酵食品なんですって。それから和食には欠かせない醤油、味噌、みりんもね。」

「美味しいご飯が食べられるのは発酵食品のおかげだね。」

「そうね。日本各地には魚介や漬け物、お茶などの珍しい発酵食品もあるのよ。」

「お土産のヨーグルトから、いろいろ勉強になったね。ヨーグルトやチーズのことをもっと知りたいな。」

「まだヨーグルトあるから、これを使って今晩お料理しようかしら。」

「賛成!愛ちゃん、一緒にお手伝いしよう。」


夕飯には「切り干し大根のピリ辛ヨーグルトあえ」が出ました。和え衣にヨーグルトと白みそと醤油が使われました。

管理栄養士のお母さんから

●「切り干し大根のピリ辛ヨーグルトあえ」レシピはこちら https://www.j-milk.jp/recipes/recipe/lnd6jg00000015th.html

世界中の発効乳についてまとめています。こちらもご覧ください。
●世界の発酵乳 https://www.j-milk.jp/knowledge/products/hn0mvm0000005nul.html
※このテーマは (2)ヨーグルト、(3)チーズに続きます。
管理栄養士・消費生活アドバイザー・フードコーディネーター 加藤明子
牛乳・乳製品の相談業務を平成6年より担当し、食育授業、料理講習会、勉強会等で講師を務めている。近年は小中学校における食育授業、学校栄養職員、教諭、PTA等の研修や講習会、大学での授業、フードコーディネーター養成講座の講師など、東京、埼玉、千葉、神奈川を中心に活動している。