給食のチカラ

親子でもっと話そう!ミルクのこと

もうすぐ新学期。こどもたちの健やかな成長を願い、明るく元気に登校してもらいたいものですね。
そんな成長期のこどもたちの健康を支えているのが「学校給食と牛乳」です。
学校給食は、こどもたちにとっては楽しい食の経験であり、おとなにとっては懐かしい思い出です。
今どきの学校給食事情を読み解きながら、親子でその大切さを改めて考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか?
さらに、こどもが牛乳をもっと大好きになるヒントも紹介します。

学校給食とこどもに関するアンケート

小学生のこどもをもつお母さんに聞いてみました
■こどもは学校給食が好きですか?
■学校がない日でも家で牛乳を飲ませていますか?
■牛乳は学校給食に必要だと思いますか?
  • [資料]ほわいと「学校給食とこどもに関するアンケート」より n=206

学校給食に欠かせない牛乳の存在

小学生のこどもをもつお母さんを対象に、学校給食とこどもに関するアンケートを実施。
親子で対話しながら、学校給食について考えていただきました。
学校給食が好きかどうかの質問では、94.7%がYesと回答。
ほとんどのこどもが楽しみにしているようです。
次に、「牛乳は、学校給食に必要だと思いますか?」と尋ねてみると、親子ともに約9割が必要と考えているよう。
学校給食が大好きなこどもたち。そこには牛乳が欠かせない存在なんですね。

こどもに必要な牛乳!だけど家ではなかなか

さらに、牛乳は学校給食に必要と考える理由を聞きました。
すると、こどもは牛乳がもつ栄養を理解しているし、カラダづくりに必要と感じているよう。
また、親は、学校給食を通して牛乳の飲む量を増やし、飲む習慣を身につけてほしいと願っているようです。
一方、「学校がない日でも家で牛乳を飲ませていますか?」では、約3割の親がこどもに「ほとんど飲ませていない」「飲ませていない」と回答。
必要と感じながらも、家ではなかなか習慣化されていないのが実情。
学校では残さず飲み、家でもしっかり飲む習慣をつけてほしいですね。

元気なこどもを育む「給食パワー」

こどもたちが思い描く、理想の学校給食の絵を大募集。こどもの自由な発想から、未来の学校給食のかたちを想像してみるのもよいですね。
さっそく、こどもたちの理想の学校給食メニューをのぞいてみましょう。
もちろん理想の学校給食は大好きなおかず
小学生のこどもを対象に、理想の学校給食を描いてもらいました。自由な発想で生まれた楽しいメニューの数々。
こどもたちが食べたい理想の学校給食メニューがいろいろ登場しました。
まず、大きな共通点は、和食より洋食を選ぶ傾向があること。
さらに、こどもたちに大人気のハンバーグやステーキなど肉料理が目立ちます。
こどもたちに料理を選んだ理由を聞いてみると、「好きだから!」という答えがほとんど。
やっぱりメイン料理は大好きなものにしたいですよね。
料理を楽しくする工夫や栄養バランスも
自分で作れるセルフメニューも人気のよう。たとえば、ハンバーグをはさんでハンバーガーを作ったり、素材から好きな料理を作ったりと、自ら作って参加することで楽しさが広がるメニューが見られます。
注目したいのは、牛乳や野菜もメニューに加えている点。
ただ好きなものを選ぶだけでなく、栄養バランスも考えている一面が見受けられます。
きっと「栄養バランスの大切さ」も日頃の食事から学んでいるのでしょう。
元気が出る食材、おいしい料理、楽しい給食ですくすくと大きく育ってほしいですね。

こどもたちの生きた教材「学校給食」

全国各地で実施中! しっかり食べてよく学ぼう

学校給食は、こどもたちにとって食を学ぶ大切な時間。 
全国各地の学校や給食センターなどでは、学校給食に関するさまざまな取り組みが行われています。 
その中の一部をピックアップして紹介します。
郷土食を通して、学校給食にかかわる人と交流
■茨城県ひたちなか市 ひたちなか市立阿字ヶ浦小学校
▲生産者や給食センター職員といっしょに楽しく給食の時間
保護者、生産者、給食センター職員を招いて「交流給食」を実施。伝統食の“さつま汁”を給食メニューに加え、参加者全員で味わいました。こどもたちにとって学校給食にかかわる人の存在を感じるいい機会となりました。
行事食とお祝い献立で食材への感謝の心をもつ!
■埼玉県さいたま市 さいたま市立大宮小学校
▲5月のメニューには「カツオの竜田揚げ(新タマネギソース)」を
旬の食材を使用した行事食やお祝い献立を学校給食に。5月は「初物をいただく」をテーマに、「カツオの竜田揚げ(新タマネギソース)」が登場。旬を知ることで、食材に感謝する気持ちを養っていきます。
バイキング給食で、料理を選ぶチカラを養う!
■鳥取県東伯郡(とうはくぐん) 三朝町(みささちょう)調理センター
▲赤・黄・緑・ピンクに色分けして並べられた料理
こどもたちに食を選ぶ楽しさを知ってもらうバイキング給食。生徒は、自分の嗜好や必要量を考えながら、牛乳と汁物のほかに主食・主菜・副菜・デザートを選びます。料理の組み合わせや栄養について学んでいます。
100%地産地消給食で地域のことを知る!
■宮城県気仙沼市 (社)気仙沼青年会議所
▲食材から調味料まですべて地元産の給食メニュー
こどもたちに、もっと地域の食材や産業、食文化を知ってもらおうと、食材だけでなく、調味料まですべて地元産を使った「学校給食100%地産地消運動」を実施。こどもたちの食への理解が深まったのでは? 
食物アレルギーのこどもも楽しい給食体験
■滋賀県東近江市 能登川学校給食センター
▲対応食ごとに名札をつけ、ランチジャーに盛りつけ
食物アレルギー対応は、原因の食材を取り除く「除去食」が基本です。そんな中、保護者と学校の連携、調理員の協力により、一人ひとりの症状に合わせた「対応食」を実施。楽しい食体験を支えています。
地域の人とふれあい、心を育てる学校給食
■神奈川県横浜市 横浜市立笹野台小学校
▲地域の人とゲームや会食をしながら交流
こどもが地域の方を学校に招き、いっしょにゲームをしたり、給食を食べたりしながら交流する「ふれあい給食」。地域への理解を深めるとともに、お年寄りに対する思いやりの心を育てる取り組みです。

[記事協力]全国学校給食協会

牛乳が学校給食に必要なワケ

 学校給食の時間に、いつも登場する牛乳。その理由は?
■祖父母世代より、体格がよい今のこどもたち
  • 今のこどもたちの平均身長は、祖父母世代に比べ10cm以上も高いことをご存じですか。1955年は、戦争の影響でまだまだ栄養が不足していた時代。その後、魚や野菜中心の食事から、牛乳などの乳製品、肉や卵が加わったことが成長に影響していると考えられています。
■こどもの頃の食生活が、未来の健康にまで影響!
  • 小中学生の牛乳飲用がなんと50歳代の健康にまで影響。こどもの頃に牛乳をほとんど飲まなかった人は、毎日400ml以上飲んでいた人に比べ骨量が低いという結果に。その分、骨粗しょう症のリスクが高まります。こどもの頃からコツコツとカルシウムを摂取することが大切なんですね。
■学校給食がない日は、カルシウムが不足しがち
  • 丈夫な骨づくりのためにも、こどもたちは成長期のこの時期にカルシウムをしっかりと摂取しておくことが必要。しかし、学校給食がある日とない日では、カルシウムの摂取量に大きな差があります。学校給食のない日でも牛乳を飲んでカルシウムを摂取するように心がけましょう。

こどもたちの成長に大切な牛乳 牛乳パワーを知って、飲み残しを減らそう!

だけど、牛乳を飲み残す生徒も

全国47都道府県の中学生を対象にしたJミルクの調査「学校給食用牛乳の飲用実態調査」を見てみると、牛乳を全部飲んでいる生徒は約8割。しかし残りの約2割は違うようです。
そこで、以前は飲み残すこともあったけれど、今は飲むようになった生徒にその理由を聞いてみました。
すると、牛乳がカラダづくりに必要なことや、牛乳には栄養があることなど、牛乳のもつ役割を知ったことがきっかけになったと回答。牛乳パワーについてしっかり伝えることは、飲み残し対策に大切なポイントのようです。牛乳のもつ役割をしっかりと知って、毎日牛乳パック1本から習慣化していってほしいですね。

こどもとのコミュニケーションが飲み残しを減らす!

今、学校では牛乳の飲み残し対策にどのようなことを行っているかを調べました。
まず、飲み残し対策の実施状況を聞いてみると、3割を超える学校が取り組みを行っています。その内容について詳しく聞いてみると、「牛乳の栄養素についての学習」「飲み残しが減ったクラスを表彰する」など生徒の意欲を引き出す工夫をしているところが多いようです。
そのほかにも、「骨密度測定を実施してこどもたちの骨の状態を教える」など自分のカラダと牛乳とのいい関係を知らせるといった答えもありました。
こどものうちから牛乳が好きになるような、こども目線でのコミュニケーションが大切なのですね。学校給食や普段の生活の中で、もっとこどもたちと対話することが対策につながるのではないでしょうか?

こどものカラダづくりにもっと牛乳を! こどもが牛乳好きになる魔法のことば

こどもにもっと牛乳を好きになってもらうためには、こども目線でのコミュニケーションが大切。
そこで、家庭や学校給食の現場で使える、こどもに響く「魔法のことば」を紹介します。

元気いっぱいのカラダになろう!

「元気」ということばに、こどもはとても好反応。牛乳に含まれるたんぱく質には、カラダの免疫力を高めたり、ウイルスの感染を抑えたりする働きがあります。
ほかにも、粘膜を丈夫に保つビタミンAや細胞の再生や成長に欠かせないビタミンB2なども。

未来の美人さんを目指そう!

女の子ならみんな、きれいになりたいもの。牛乳には、美しい素肌づくりに欠かせないたんぱく質や、ビタミンA、B2が含まれています。
またカルシウムには、イライラを抑える働きがあるので、「笑顔の素敵な美人さんになるよ!」も魔法のことばかもしれません。

牛乳を飲むと、大きくなるよ!

大きくなりたい成長期のこどもたちには、やっぱりこの言葉が一番!牛乳200mlに含まれるカルシウムは227mg。
なんと小学6年生の男の子に必要な1日のカルシウム量の約1/4も摂取することができます。
ほかにも成長期のこどもに必要な栄養がいろいろ含まれています。

骨を丈夫にするのは今のうち!

10代は骨量を増やすもっとも重要な時期であることを、こどもたちへしっかりメッセージ!骨量は10代でどんどん増え、20歳前後で最大骨量に達します。
その後、ゆるやかに骨量は減少し、年齢を重ねるほど増やすことは困難に。だからこそ、今が大切なのです。

ほわいと給食センター

牛乳・乳製品でもっとおいしくなーる 「まごわやさしい」

  • 豆のサラダにチーズを加えたり、
    豆腐のあんかけ料理に牛乳を加えたり。
  • すりゴマとハチミツを牛乳に入れて混ぜたら
    ゴマシェーク。きな粉も◎。
  • 酢の物やヌタなど、ワカメの和え物に
    ヨーグルトをひとさじ。酸味がやわらかく。
  • なんでも季節の野菜を入れてミルクスープに。
    みそ仕立てにするのがミソ!
  • チーズをのせてチーズ焼き。
    すり身にスキムミルクやチーズを加えて団子にも。
  • シイタケ、シメジにエノキダケ。
    グラタンや、バターソテーにするとさらに風味豊かに。
  • ふかしたてのジャガイモにバターや溶けるチーズを。
    サツマイモはミルク煮にして。

こどもたちの大切なカルシウム源、ミルクで今日も元気! 元気満点レシピをご紹介

学校給食の基準では、エネルギーは1日の33%、ビタミンは33~40%なのに対して、カルシウムは50%を摂れるようにと設定されているの。
そうした中で牛乳はとても大切な役割を果たしているのね!
乳製品も料理に加えると、栄養もおいしさもグンッとふくらみますわよー。
そこで郷土料理やその土地の名物と組み合わせた元気満点レシピをご紹介します。

ミルクがふるさとの味に合うワケ

牛乳・乳製品は和食にも合う
慣れ親しんだミルクのまろやかな風味。実は、みそ、しょうゆなどの調味料や、シソ、ショウガなど日本でよく使われるハーブとも好相性。納豆・漬け物など発酵食品とも合います。
旬を感じる食材、野菜や魚といっしょに
四季折々の旬の食材が、昔から日本の食卓を彩ってきました。ミルクのコクが、野菜、魚、そして米など昔なじみの日本の味わいに深みを添えます。
純和食が苦手なこどもにも◎
ハンバーグやカレーなどが大好物のこどもたち。純和食だとあまり手をのばさないことも。そんな時、和食の新しいおいしさを引き出してくれるのが牛乳・乳製品。味が丸くなります。

元気満点レシピ

j-milk magazine ほわいと 2011春号より