GDP日本会議2015

世界的な乳の研究者が講演をした「GDP日本会議2015」フォーラム( 2015年7月28日開催)の報告書を作成いたしました。

世界の食糧・栄養問題において乳が果たす役割や、最近の米国・日本などの栄養健康課題と乳の役割を再認識いただければ幸いです。ぜひご活用ください。

GDP日本会議2015 フォーラム報告書

  • 目次
1.Massage from GDP
2.プログラム
3.主催者挨拶
  ジェイ・ウォルドボーゲル
  GDP 副会長
4.協力者挨拶
  宮原 道夫
  一般社団法人Jミルク 会長
5.報告「世界の酪農セクターにおけるGDPの機能と役割」
  ドナルド・ムーア
  GDP 専務理事
6.講演1「健康的な食事における、乳製品の役割」
  グレッグ・ミラー
  GDP 栄養安全部門 主査
7.講演2「現代日本が抱える健康問題とその解決に向けた乳の価値」
  清水 誠
  東京農業大学 教授
8.講演3「世界の食料や栄養確保におけるミルクの潜在能力」
  ポール・モーハン
  マッセ—大学 リデット研究所 教授
9. 閉会挨拶
  ジェレミー・ヒル
  国際酪農連盟(IDF)会長、GDP 理事 

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  • 世界の食料・栄養の動向と乳の役割
    GDP日本会議2015

講演別のダウンロード

1.報告 「世界の酪農セクターにおけるGDPの機能と役割」 ドナルド・ムーア氏

世界の主要な28の乳業会社、25の酪農乳業団体で組織されたGDPの沿革と、2006年設立当時から現在に至る活動内容を報告する。社会変化を背景にした顧客の需要変化、栄養面での政策・規制の変化、新興市場における新たな機会の創出、グローバル化の加速などに今後世界の酪農乳業がどのように対応していくか、GDPは「乳製品の栄養安全保障」「酪農乳業の持続可能性」「酪農乳業の発展」の3つの分野に焦点を絞り、戦略を立てている。

2.講演1 「健康的な食事における、乳製品の役割」 グレッグ・ミラー氏

世界人口の爆発的増加の中で食料増産が必要だが、その場合、栄養素に富む食品を増やさなければならないこと、さらに驚くべき速さで非感染性疾患が増加しており、そのリスクを軽減するためには健康的な食生活が重要であること、こうした基本課題に対応するため、各国及び国際機関が乳製品摂取を推奨し、それを後押しするエビデンスが次々と明らかになっていることについて強調している。それを踏まえ、脂肪酸の役割、胎児や小児の栄養、骨の健康、筋肉量、血圧、心疾患、糖尿病などにおける乳製品の栄養健康機能について解説する。

3.講演2 「現代日本が抱える健康問題とその解決に向けた乳の価値」 清水 誠氏

超高齢社会を迎えた日本は様々な健康問題を抱え、バランスの良い栄養を維持できるような食生活の改善が必要であり、カルシウムや良質のタンパク質を提供する牛乳が最良の食品である。近年、日本では「機能性食品」が定着し、牛乳は我々の健康増進に役立つ多様な機能性素材の源となった。また、日本を含むアジアやアフリカ地域等では乳糖を消化できない「乳糖不耐」の人が多く、日本人が抱える健康問題の解決に牛乳・乳製品が果たす役割は大きいと考えるべきである。

4.講演3 「世界の食料や栄養確保におけるミルクの潜在能力」ポール・モーハン氏

タンパク質不足による栄養不良は致命的であり、現代の重大な食料・栄養課題となっている。この解決には、食品に含まれるタンパク質の栄養的評価が重要な視点となるが、FAOが新たに提言した評価法(DIAAS)によれば、ミルクのタンパク質は植物性タンパク質より栄養価が高いという科学的事実が示されている。この評価は、世界の食料・栄養問題にミルクが大いに貢献できることを示しており、酪農乳業にとって大きな事業チャンスとなっている。

「GDP日本会議2015」開催のご案内 (会議は終了しました)

GDP日本会議2015準備委員会事務局
一般社団法人Jミルク
GDP(「Global Dairy Platform」世界の主要乳業者及び酪農乳業団体で構成する国際酪農乳業組織)が主催する標記の会議を、下記の内容で開催することとなりましたので、お知らせ致します。
なお、7月28日の公開フォーラム「世界の食糧・栄養の動向と乳の役割」は関係者の皆様にご参加賜りますようお願い申し上げます。

【参考:GDPとはどのような組織か?】
世界の牛乳乳製品市場は、現在、ダイナミックな展開を示しています。
特に、新興市場における新たな機会の創出、グローバル化の加速、顧客の需要変化、栄養面での政策・規制の変化などに、世界の酪農乳業がどのように対応するかが、重要な課題です。 GDPは、これらの変化を最大限に活かし、世界的なレベルで酪農乳業の産業的地位を高め確かなものにする目的で創設された「非営利団体」で、世界の主要な乳業会社や酪農業協同組合、酪農乳業団体等で構成されています。(GDPのWEBサイトより抜粋)
■設立:2006年
■本部:アメリカ合衆国 シカゴ

開催要領
1.開催目的
(1)世界の食糧・栄養問題において乳が果たす役割、最近の米国・日本などの栄養健康課題と乳の役割について、酪農乳業関係者の中で再確認するとともに、広く国民に対して情報を発信する。
(2)Global Dairy Platform(以下GDP)のマーケティング・コミュニケーション分野の事業、乳の栄養価値(乳たんぱくを中心とした)に係る戦略について、日本の酪農乳業関係者との間で議論し共有を深めるとともに、日本の酪農乳業が推進するマーケティング活動に係る諸課題の解決に繋がる有益な情報を提供する。
2.日時
2015年 7月28日(火) - 29日(水)
3.場所
東京国際フォーラム (東京都千代田区丸ノ内3-5-1)
4.名称
和名 「GDP日本会議2015」
英名 「GDP 2015 Japan Meeting」
5.主催
Global Dairy Platform 
6.協力
GDPの日本国内会員
一般社団法人Jミルク、一般社団法人日本乳業協会、株式会社明治、森永乳業株式会社、雪印メグミルク株式会社
7.スケジュール
(1)公開フォーラム「世界の食糧・栄養の動向と乳の役割」 
日時:7月28日(火) 13:30~17:20
場所:東京国際フォーラム ホールD7
(出席対象者  酪農乳業関係者、メディア、学術連合、医療・栄養関係者 定員230名)
 
-プログラム-
主催者挨拶  GDP側の代表
協力者挨拶  日本側の代表
報告  「世界の酪農セクターにおけるGDPの機能と役割」
GDP 専務理事 ドナルド・ムーア氏
講演1 「世界の食糧・栄養問題に対し、今後、乳はどのように貢献できるのか」
GDP 栄養安全部門主査 グレッグ・ミラー 博士 (National Dairy Council(全米酪農会議)科学部門 主任専門官)
講演2 「現代日本の健康・栄養の諸課題と乳の役割」
東京農業大学 教授、東京大学名誉教授 清水誠 先生 (乳の学術連合 牛乳乳製品健康科学会議 幹事)
講演3 「世界の食糧・栄養の主要課題と乳たんぱくの可能性」
マッセー大学 リデット研究所(ニュージーランド) ポール・モーガン教授
 
(2)ワークショップ「ミルクの正しい価値理解を促進するためのコミュニケーション戦略」 
日時:7月29日(水) 9:30~15:30
場所:東京国際フォーラム ガラス棟4階G409
(出席対象者 GDPの日本国内会員、「乳の学術連合」などの招待者 約50名)
 
-プログラム-
主催者挨拶  GDP  専務理事 ドナルド・ムーア氏
【課題提起】
発表1 世界の乳マーケティング
■ 「世界のミルクに係る諸言説の動向とGDPのコミュニケーション戦略」
GDP コミュニケーション担当役員 ジェロウ・ボードイン氏
発表2 乳のジェネリックマーケティング
■ 「日本ミルクに係る諸言説の動向とJミルクのコミュニケーション戦略」
Jミルク 専務理事 前田浩史 (乳の学術連合 乳の社会文化ネットワーク 事務局長)
発表3 アンチミルクに係るコミュニケーション戦略
■ 「三条市問題に係る情報拡散とメディアの対応の事例からみた課題と対策」
学習院大学 経済学部教授 上田隆穂先生 (乳の学術連合 乳の社会文化ネットワーク 幹事)
 
【ワークショップ】 (グループ討議と討議結果の共有化) 
「ミルクの正しい価値理解を促進するためのコミュニケーション戦略 -日本におけるアクションプラン-」
 
以上
開催要領等の詳細はこちらをご覧ください。