世界の牛乳乳製品市場は異例の状況に(2022/7/20)
欧州委員会「牛乳乳製品市場観測サイト」2022年6月会合報告より

世界の牛乳乳製品市場は異例の状況に

欧州委員会「牛乳乳製品市場観測サイト」2022年6月会合報告より

欧州委員会が開設している「牛乳乳製品市場観測サイト(Milk Market Observatory = MMO)」の経済委員会6月会合が、ビデオ会議方式で開かれた。同会合の報告書では、EUの近況として、①2022年1~4月の生乳生産量は前年同期比で0.6%減少したこと、②庭先乳価が上昇を続ける一方で濃厚飼料のコストは一昨年のおよそ2倍になっていること、③乳製品価格は記録的な水準になっていること、④消費需要は食品インフレの高止まりの影響を受けていることなどを報告している。また、世界の近況として、主要な乳製品輸出国では2022年1月~4月の生乳生産は前年同期比1.2%減少した一方、世界の乳製品需要は堅調に推移し、中国の需要が減少するも東南アジアでの購買が活発化していることなどを述べている。さらに報告書は、投入資材価格の高騰、異常気象、及び環境面での制約が、世界的な生乳供給不足につながっていることや、ウクライナ紛争が牛乳乳製品の供給を含む世界の農業食料チェーンに大きな影響を与え、食品インフレを引き起こし、食料安全保障を脅かしていることを指摘している。以下に報告書の要約を紹介する。(読みやすさを考慮し、Jミルクで小見出しなどを補った)

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