栄養素密度とは
「栄養素密度」とは、食品のエネルギー100kcalあたりに含まれる栄養素の量です。
エネルギーは熱量(カロリー)とも呼ばれ、人間の体温を36℃台に保ちながら、血液や脳、筋肉や各種臓器を動かし、手足を動かすなど生命活動の源となります。
体内では食事から摂る炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質の一部が消化吸収され、体全体の細胞へ血液を通して酸素と一緒に送られて、必要な量がエネルギーに変わります。
従来、食品の栄養価は食品重量100gあたりにどれだけ栄養素が含まれているかで表していました。この場合、食品に含まれる水分量により実際の栄養素の量は違ってきます。例えば、水分88%の牛乳と水分50%のめざしでは、100g中にめざしのほうがはるかに多くのカルシウムを含みます。
これに対して、食品のエネルギー量あたりの栄養素量を比較するのが栄養素密度の考え方です。すなわち食品のエネルギー100kcalあたりにどれだけの量の栄養素が含まれているかで表します。
エネルギーは熱量(カロリー)とも呼ばれ、人間の体温を36℃台に保ちながら、血液や脳、筋肉や各種臓器を動かし、手足を動かすなど生命活動の源となります。
体内では食事から摂る炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質の一部が消化吸収され、体全体の細胞へ血液を通して酸素と一緒に送られて、必要な量がエネルギーに変わります。
従来、食品の栄養価は食品重量100gあたりにどれだけ栄養素が含まれているかで表していました。この場合、食品に含まれる水分量により実際の栄養素の量は違ってきます。例えば、水分88%の牛乳と水分50%のめざしでは、100g中にめざしのほうがはるかに多くのカルシウムを含みます。
これに対して、食品のエネルギー量あたりの栄養素量を比較するのが栄養素密度の考え方です。すなわち食品のエネルギー100kcalあたりにどれだけの量の栄養素が含まれているかで表します。
牛乳は栄養素密度が高い食品
牛乳とめざしのカルシウム量を栄養素密度で比較すると、牛乳は100kcalあたり164mg、めざしは131mgとなります[表2-5]。牛乳は栄養素密度が高く、少ないエネルギー量で同じ量の栄養素を摂取できる優れた食品です。
牛乳200mLのエネルギー量(138kcal)は、成長期の1日あたりの摂取基準(15~17歳では男性2,750kcal、女性2,250kcal)の7%未満です。特に10歳代や運動部に所属している児童・生徒は学校給食のない日も含め、牛乳を毎日飲む習慣をつけることが望ましいと考えられます。また、高齢者の場合は必要なエネルギー量は少なくなりますが(70歳以上では男性2,200kcal、女性1,700kcal)、必要な栄養素成分の量は大きくは変わりません。したがって、必要とされる栄養素をより少ないエネルギーで効率良く摂取するために栄養素密度の考え方が重要となってきます。
牛乳200mLのエネルギー量(138kcal)は、成長期の1日あたりの摂取基準(15~17歳では男性2,750kcal、女性2,250kcal)の7%未満です。特に10歳代や運動部に所属している児童・生徒は学校給食のない日も含め、牛乳を毎日飲む習慣をつけることが望ましいと考えられます。また、高齢者の場合は必要なエネルギー量は少なくなりますが(70歳以上では男性2,200kcal、女性1,700kcal)、必要な栄養素成分の量は大きくは変わりません。したがって、必要とされる栄養素をより少ないエネルギーで効率良く摂取するために栄養素密度の考え方が重要となってきます。
表2-5 | 食品別栄養素密度(100kcalあたり)の比較
食品 | 重量 (g) |
たんぱく質 (g) |
カルシウム (mg) |
リン (mg) |
鉄 (mg) |
ビタミンA (レチノール当量) (μgRAE) |
ビタミンB1 (mg) |
ビタミンB2 (mg) |
ナイアシン (mg) |
ビタミンC (mg) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
普通牛乳 | 149 | 4.9 | 164 | 139 | 0.03 | 57 | 0.06 | 0.22 | 0.1 | 1 |
加工乳(低脂肪) | 217 | 8.3 | 283 | 196 | 0.2 | 28 | 0.09 | 0.39 | 0.2 | 微量 |
プロセスチーズ | 29 | 6.7 | 186 | 215 | 0.1 | 77 | 0.01 | 0.11 | 0 | 0 |
和牛肉(肩) | 35 | 6.2 | 1 | 52 | 0.3 | 微量 | 0.03 | 0.07 | 1.5 | 0 |
全卵(生) | 66 | 8.1 | 34 | 119 | 1.2 | 99 | 0.04 | 0.28 | 0.1 | 0 |
くろまぐろ(赤身) | 80 | 21.1 | 4 | 216 | 0.9 | 66 | 0.08 | 0.04 | 11.4 | 2 |
めざし(焼き) | 41 | 9.7 | 131 | 119 | 1.7 | 39 | 0 | 0.11 | 5.0 | 微量 |
木綿豆腐 | 139 | 9.2 | 119 | 153 | 1.3 | 0 | 0.10 | 0.04 | 0.1 | 微量 |
飯(精白米) | 60 | 1.5 | 2 | 20 | 0.1 | 0 | 0.01 | 0.01 | 0.1 | 0 |
うんしゅうみかん | 217 | 1.5 | 46 | 33 | 0.4 | 183 | 0.22 | 0.07 | 0.7 | 70 |
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牛乳1本で食費を約1割節約
一般社団法人中央酪農会議では、日本人の健康な食生活に必要な栄養をバランス良く摂取できる食事について、牛乳を加えた場合とそうでない場合の2つの条件で食費のコスト計算を行い比較しました(2009年)。
その結果、同様の栄養条件を満たしている食事メニューで、牛乳を加えた場合は食費が約1割節約できることが分かりました。それぞれのメニューに要するコストの平均額は、牛乳を除く場合は1食あたり519円、牛乳を入れた場合は472円。これらの結果から、牛乳1本(200mL)による栄養コスト削減額は47円となり、牛乳1本を食事メニューに加えることで1食あたり約1割の食費が削減可能となります。
その結果、同様の栄養条件を満たしている食事メニューで、牛乳を加えた場合は食費が約1割節約できることが分かりました。それぞれのメニューに要するコストの平均額は、牛乳を除く場合は1食あたり519円、牛乳を入れた場合は472円。これらの結果から、牛乳1本(200mL)による栄養コスト削減額は47円となり、牛乳1本を食事メニューに加えることで1食あたり約1割の食費が削減可能となります。
※ 各料理のコストについては、材料ごとに通常の店舗価格を家計調査(2007年度)に基づき設定し、その合計額とした。家計調査にないものは複数のスーパーマーケットの販売価格を調査し設定した。調理に伴う燃料費や労賃はコストに含まれていない。
試算の前提となる1食あたりの節約条件
エネルギーと栄養素 | 1食あたりの制約条件 |
---|---|
エネルギー | 650~750kcal |
たんぱく質 | 21.0g以上 |
脂質 | 28g以下 |
カルシウム | 210mg以上 |
鉄 | 3.5mg以上 |
ビタミンB1 | 0.32mg以上 |
ビタミンB2 | 0.39mg以上 |
ビタミンC | 35mg以上 |
コレステロール | 210mg以下 |
食物繊維 | 7.0g以上 |
食塩相当量 | 3.5g以下 |