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中学・高校生期の体の特徴

中学・高校生期は筋肉量や骨量、血液量などが急激に増え、身長や体重も増加します。骨量は男子で13~16歳、女子で11~14歳ごろに最も多く蓄積され、最大骨量(peak bone mass)の約4分の1がこの間に蓄積されると見られています。この時期に食事と運動で骨量を増やしておくことが、成人後の健康にとってとても重要です。
心肺機能や運動能力も発達し、基礎代謝量がピークとなり、たんぱく質やカルシウム、鉄などの体内貯蔵能力も高まります。成人期に向けての体づくりの完成期としてとても大切な時期です。

中学・高校生期における牛乳乳製品の役割

中学・高校生期は心身ともに発達が著しく、骨量も高まる時期です。カルシウムの推奨量は12~14歳で最も多くなります。その供給源として手軽でどこででも摂ることができる牛乳乳製品の役割は大きくなります。学校給食がほとんどなくなる高校生では、牛乳の摂取頻度も摂取量も減少しやすいので、朝などに飲む習慣づけが望まれます。特に女子にとって、カルシウムの摂取は骨粗鬆症予防のためにも、将来の出産のためにも大切です。牛乳乳製品は、女子の月経前症候群緩和にも有効という報告も見られます。
また、牛乳乳製品に含まれるアミノ酸には、運動時の骨格筋のエネルギー源となり、筋肉づくりに必要とされる分岐鎖アミノ酸(BCAA/バリン、ロイシン、イソロイシン)がバランス良く含まれています。運動を行う際は、運動による筋肉の増加や発汗に見合った栄養素と水分補給が必要ですが、牛乳は両方を手軽に補える食品です。
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牛乳を飲むと太る?
1日の牛乳摂取量と体脂肪率(中高生女子)
1日の牛乳摂取量と体脂肪率(中高生女子)
出典: 上西一弘ほか「牛乳摂取を中心とした中高生の食生活の実態と身体組成」『食の科学』光琳(2002年)

中学生・高校生男女のべ6,000人を対象に、4年間にわたって実施された調査では、1日あたりの牛乳の摂取状況を①400mL以上、②200~400mL、③100~200mL、④100mL未満、⑤ほとんど飲まないの5グループに分けて検討した結果、男子では差がありませんでしたが、女子では牛乳摂取量の多いグループのほうが体脂肪率が低いという結果になりました。
また、ダイエット中の女性で試験した結果、低脂肪牛乳を摂取する群の体脂肪の低下が牛乳非摂取群に比べて大きいとの報告もあります。さらにアメリカの女児で1日あたり3品目以上の乳製品を摂取した場合、BMIのZ値※および体脂肪が低かったとの報告もあります。

※Z値:標準偏差を一単位として表されたスコアで、平均値からの偏差を示す