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2014年3月に厚生労働省は、2015年度から2019年度までの5 年間使用する「日本人の食事摂取基準(2015年版)」を発表しました。

設定指標

エネルギーについては1種類、栄養素については5種類の指標を設定した。

1. エネルギー:「推定エネルギー必要量」

◎推定エネルギー必要量(estimated energy requirement:EER)
エネルギー出納が0(ゼロ)となる確率が最も高くなると推定される習慣的な1日あたりのエネルギー摂取量。

※エネルギー出納:成人の場合、(エネルギー摂取量)-(エネルギー消費量)

2. 栄養素:「推定平均必要量」「推奨量」「目安量」「耐容上限量」「目標量」

健康の維持・増進と欠乏症予防のために、「推定平均必要量」と「推奨量」の2つの値を設定し、この2指標を設定することができない栄養素については、「目安量」を設定した。また、過剰摂取による健康障害を未然に防ぐことを目的として、「耐容上限量」を設定した。さらに、生活習慣病の一次予防を目的として食事摂取基準を設定する必要のある栄養素については「目標量」を設定した。
◎推定平均必要量(estimated average requirement:EAR)
ある母集団における平均必要量の推定値。ある母集団に属する50%の人が必要量を満たすと推定される1日の摂取量。
◎推奨量(recommended dietary allowance:RDA)
ある母集団のほとんど(97~98%)の人において1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量。理論的には「推定平均必要量+標準偏差の2倍(2SD)」として算出。
◎目安量(adequate intake:AI)
推定平均必要量および推奨量を算定するのに十分な科学的根拠が得られない場合に、特定の集団の人々がある一定の栄養状態を維持するのに十分な量。
◎耐容上限量(tolerable upper intake level:UL)
ある母集団に属するほとんどすべての人びとが、健康障害をもたらす危険がないとみなされる習慣的な摂取量の上限を与える量。
◎目標量(tentative dietary goal for preventing life-style related diseases:DG)
生活習慣病の一次予防を目的として、現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量。

2010年版からの主な改定点

● エネルギーについては、エネルギーの摂取量及び消費量のバランス(エネルギー収支バランス)の維持を示す指標として「体格(BMI:body mass index)」を採用した。
● ナトリウム(食塩相当量)について、高血圧予防の観点から男女とも値を低めに変更した(18歳以上男性:9.0g未満→8.0g未満、18歳以上女性:7.5g未満→7.0g未満)。
● 小児期からの生活習慣病予防のため、食物繊維とカリウムについて、新たに6~17歳における目標量を設定した。
● コレステロールは、目標量を設定する上で十分な科学的根拠が得られていないため設定を見送った。