加塩が終了したばかりのチーズは「グリーンチーズ」と呼ばれ、組織が固く、風味に乏しく淡泊です。このグリーンチーズを一定期間、特定の温度と湿度で保蔵することで各種の酵素が働き、それぞれのチーズに特有の組織と風味がつくられます。この工程を「熟成」といいます。熟成の条件はチーズの種類によって異なります[表3-3]。
熟成には、もともと乳中に存在していた各種酵素(プラスミンなど)、製造工程で添加した凝乳酵素、乳酸菌やカビなどの微生物由来の各種酵素(プロテアーゼ、リパーゼなど)が働きます。熟成中は、チーズ中の各種乳成分の分解が進み、生成した化合物同士が再び反応することで非常に複雑な風味がつくられます。
カゼイン(たんぱく質)は、凝乳酵素や微生物由来の各種プロテアーゼの働きにより、うま味成分であるペプチドやアミノ酸に分解されます。熟成が進むにしたがって、アミノ酸からアルデヒド、アミン、含硫化合物などのチーズの香り成分も生成されます。
乳脂肪からは、微生物(主にカビ)由来のリパーゼの働きにより、遊離の脂肪酸が産生されます。酢酸、酪らく酸、カプロン酸、カプリル酸などの揮発性の脂肪酸は、チーズの香り成分となります。遊離脂肪酸が酸化されることで、青カビタイプに特有の香り成分であるメチルケトンが生成されます。
乳糖からは、乳酸菌の発酵によって、乳酸、エタノール、二酸化炭素が産生されます。乳酸からは、アルデヒド、アセトンなどのチーズの香り成分が生成されます。ある種の乳酸菌は発酵によりクエン酸からジアセチルや酢酸を産生します。また、プロピオン酸菌は、乳酸からプロピオン酸、酢酸、二酸化炭素を産生します。
チーズの風味成分の組成は非常に複雑ですが、それは多種多彩なチーズという食品の独特の風味につながるため、熟成はチーズ製造において極めて重要な工程に位置づけられています。
熟成には、もともと乳中に存在していた各種酵素(プラスミンなど)、製造工程で添加した凝乳酵素、乳酸菌やカビなどの微生物由来の各種酵素(プロテアーゼ、リパーゼなど)が働きます。熟成中は、チーズ中の各種乳成分の分解が進み、生成した化合物同士が再び反応することで非常に複雑な風味がつくられます。
カゼイン(たんぱく質)は、凝乳酵素や微生物由来の各種プロテアーゼの働きにより、うま味成分であるペプチドやアミノ酸に分解されます。熟成が進むにしたがって、アミノ酸からアルデヒド、アミン、含硫化合物などのチーズの香り成分も生成されます。
乳脂肪からは、微生物(主にカビ)由来のリパーゼの働きにより、遊離の脂肪酸が産生されます。酢酸、酪らく酸、カプロン酸、カプリル酸などの揮発性の脂肪酸は、チーズの香り成分となります。遊離脂肪酸が酸化されることで、青カビタイプに特有の香り成分であるメチルケトンが生成されます。
乳糖からは、乳酸菌の発酵によって、乳酸、エタノール、二酸化炭素が産生されます。乳酸からは、アルデヒド、アセトンなどのチーズの香り成分が生成されます。ある種の乳酸菌は発酵によりクエン酸からジアセチルや酢酸を産生します。また、プロピオン酸菌は、乳酸からプロピオン酸、酢酸、二酸化炭素を産生します。
チーズの風味成分の組成は非常に複雑ですが、それは多種多彩なチーズという食品の独特の風味につながるため、熟成はチーズ製造において極めて重要な工程に位置づけられています。
表3-3 | 代表的なチーズの熟成条件
チーズの種類 | チーズ名 | 熟成温度(℃) | 熟成湿度(%) | 熟成期間 |
---|---|---|---|---|
シェーブル | サント・モール | 12~14 | 85~90 | 2~3週間 |
白カビ | カマンベール | 12~13 | 85~95 | 3~4週間 |
青カビ | ロックフォール | 8~10 | 90~95 | 3~4カ月 |
ウォッシュ | ポン・レヴェック | 8~10 | 85~90 | 5~8週間 |
リンバーガー | 10~16 | 90~95 | 2カ月 | |
セミハード | ゴーダ | 10~13 | 75~85 | 4~5カ月 |
ハード | グリュイエール | 15~20 | 90~95 | 6~10カ月 |
パルミジャーノ・レッジャーノ | 12~18 | 80~85 | 2年 |