keyword search

豊かな栄養

チーズは、牛乳から水分を除いて栄養成分を固めたものです。100gのチーズをつくるのに、およそ10~14倍の牛乳が使われ、栄養豊富な食品であることがわかります[表3-4]
ナチュラルチーズは、原料乳や製造方法などによってさまざまな種類があり、それぞれ栄養成分にも違いがあります。パルメザンチーズなど水分の少ないものには、たんぱく質、カルシウムが多く含まれています。脂肪は、クリームチーズのように多いものから、カッテージチーズのように少ないものまであります。
チーズは、ホエイの水分とともに乳糖が製造中にほとんど除かれるので、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロする乳糖不耐症の人でも大丈夫です。

表3-4 | チーズの栄養(100g中)
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

チーズの栄養成分

たんぱく質

乳酸菌由来のたんぱく質分解酵素やキモシンなどの働きによって熟成中にたんぱく質の分解が進み、一部はアミノ酸にまでなっているので、消化吸収されやすくなっています。

脂質

脂質もリパーゼの働きで遊離脂肪酸にまで分解され、他の食品より消化吸収が良く、吸収率は95%以上と考えられています。

ビタミン

ビタミンAやB2が豊富に含まれています。摂りにくいB2の有効な供給源になります。

カルシウム

たんぱく質と一緒に存在するため含有量が高く、小魚などのカルシウムに比べて吸収率が高いのも特徴です[図3-17]
図3-17 | 100g中のカルシウム量(mg)の比較
100g中のカルシウム量(mg)の比較
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

チーズの塩分

チーズの塩分は種類によって多いものから少ないものまで、さまざまです[表3-5]
プロセスチーズの100g中の食塩相当量は2.8g。1回に食べる量で考えると、チーズ1切れ(20g)の塩分量は約0.6gと少量です。プロセスチーズの塩分は製造時に添加するものではなく、原料のナチュラルチーズに由来しています。
ナチュラルチーズは製造過程で食塩を加えていますが、その目的はうま味をつくり出すだけでなく有害菌の繁殖を抑え、正常に発酵させるためです。
食塩を減らすと熟成がうまく行われなくなり、保存性も悪くなります。ブルーチーズやパルメザンチーズなどは食塩が多く含まれていますが、1回に食べる量は少なく、食塩摂取量の心配は少ないと思われます。
塩分の少ないチーズとしては、クリームチーズ、カッテージチーズ、モッツァレラチーズなどのフレッシュチーズがあります。料理に使うときは、チーズの味を生かして調味料を控えましょう。

表3-5 | 各種チーズの食塩相当量(g)
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

チーズのコレステロール

例えば、プロセスチーズ1切れ(20g)に含まれるコレステロール量はわずか16mgです[図3-18]
コレステロール値が正常な人では心配ありません。コレステロール値が高すぎることはいけませんが、その一方でコレステロールは生命を維持していくために欠かせない成分でもあります。コレステロールの役割や性質をよく理解して、バランスのとれた食事を心がけましょう(コレステロールの役割や性質については、41ページ「乳脂肪とコレステロール」を参照)。
図3-18 | 1食あたりのコレステロール量(mg)の比較
1食あたりのコレステロール量(mg)の比較
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」