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ビタミンA

ビタミンAは、小学生の1日あたり推奨量に対し、牛乳200mLで約16%前後補給できます。牛乳のビタミンAはレチノールとして多く含まれ、そのままビタミンAの働きをします。
緑黄色野菜に多いカロテン(主にβ-カロテン)は吸収率が低いため、カロテン6に対しレチノール1として計算され、全体では「レチノール当量」として表されます。緑黄色野菜のカロテンは、例えばほうれんそうをバターで炒めると吸収率が上がるといわれています。
ビタミンAには視力を正常に保つ働きがあります。薄暗い場所でも目が慣れるのは、光の明暗を感じる物質ロドプシンがあるためで、その主成分はビタミンAだと分かりました。
また、ビタミンAは成長促進や生殖・免疫機能の維持、皮膚や上皮組織(口、鼻、喉、肺、胃、腸)の粘膜を正常に保つため、病原菌などが体内に入るのを防ぐ働きがあることや、皮膚がかさつく乾燥肌の人にも良いことが知られています。

ビタミンD

牛乳は、脂溶性ビタミンのうち、ビタミンDとEの含有量が少ないといわれています。ビタミンDは骨の生成に欠かせないビタミンですが、他のビタミンと違い体内ではホルモンとして働きます。ビタミンD欠乏症はほとんど見られません。
皮膚にはビタミンDのもとになるプロビタミンD3があるため、ビタミンDの多くは日光の紫外線にあたることで生成し、体内で活用されます。30分程度の日光浴や木陰でも十分に生成されるため、むしろ強い紫外線を浴びすぎないよう注意することが大切です。

ビタミンE

ビタミンEはトコフェロールという物質の総称で、体の脂肪組織、副腎、肝臓、心筋などの多くの組織に蓄えられています。細胞膜に含まれ、細胞膜が活性酸素で酸化されるのを防ぐ抗酸化ビタミンの代表格です。「老化防止ビタミン」と呼ばれることもあります。
ビタミンEはマーガリンを含む植物性油脂や小麦胚芽、アーモンド、ひまわりの種や落花生、あんこうの肝、さけのすじこ、生のたらこなどに多く含まれており、現状では摂取不足の指摘がないビタミンです。
ビタミンEの働きは、ビタミンCの代謝に関係するほか、ビタミンAなど他の抗酸化物質の酸化防止にも関係しています。

ビタミンK

ビタミンKは、カルシウムが骨に沈着するのを助ける、たんぱく質のオステオカルシンの合成に欠かせないビタミンです。また、血液の凝固を促進・抑制し、バランスをとる作用があります。

脂溶性ビタミンと上限量

脂溶性ビタミンにはビタミンKを除き上限量が設けられていますが、食品からの摂取では問題になる量ではありません。しかし、サプリメントなどでの過剰摂取には注意が必要です。

牛乳に関係するその他のビタミン物質

牛乳に比較的多く含まれるビタミンU(キャベジンとも呼ばれる)は胃酸の分泌を抑え、胃粘膜の修復を助けて胃潰瘍や十二指腸潰瘍を防止する作用があると考えられます。また、PABA(パラアミノ安息香酸)はビタミンB群の仲間で、体内での葉酸合成に欠かせない物質です。皮膚を紫外線から守り、赤血球の産生に関与するなどの働きがあるとされています。

水分

人間の体は水分量が一番多く、約50~65%を占め、年齢が若いほど多いようです。自然条件にもよりますが、食事が摂れなくても水があれば数日から1週間くらいは生きることができるといわれています。
「日本食品標準成分表 2015年版(七訂)」によると、普通牛乳・種類別「牛乳」の乳脂肪を含む乳固形分は標準で12.6%、残り87.4%は水分です。成人の場合、食事から摂る量も含めて1日に2.5~3L程度の水が必要といわれ、牛乳は水分の主要な補給源でもあります。