人類が羊や山羊の乳を利用し始めたのは、今からおよそ1万年前の西アジアでのことといわれています。そして、羊や山羊の搾乳開始からほどなくして、牛の乳の利用が始まりました。
現在では、酪農家が生産した生乳は牛乳工場で牛乳や乳製品として製品化されています。牛乳は生乳に何も加えることなく、消化吸収を良くするため脂肪球の均質化を行い、殺菌したものです。牛乳はすべての工程で冷却され、ほとんど空気に触れることなく衛生的に生産・配送されています。
一般社団法人Jミルクが毎年実施しているアンケート調査によると、15歳以上の人が牛乳類を飲む頻度は2014年まで少しずつ減少する傾向にありましたが、2015年は「毎日」飲む人の割合が上昇して30%を上回りました。
牛乳は、生体に不可欠な三大栄養素をはじめ各種ミネラルやビタミンをバランス良く含み、栄養素密度にも優れた理想的な食品です。日本人に慢性的に不足しているといわれるカルシウムの主な摂取源でもあります。学校や家庭においては、牛乳の栄養素や体の仕組みとの関わりについて今後も正しく情報発信していく必要があります。