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バターとは

バターは、乳等省令により「生乳、牛乳または特別牛乳から得られた脂肪粒を練圧したもの」で、成分は乳脂肪分80.0%以上、水分17.0%以下と定められています。製法や成分によって次のように分類されています。

製法による分類

①非発酵バター:乳酸発酵させないクリームを原料としているので、クセがありません。日本で市販されているものは、非発酵バターが主流です。
②発酵バター:原料となるクリームを乳酸菌で前もって発酵させてからつくったもので、特有の芳香があります。ヨーロッパでバターといえば、ほとんどがこのタイプです。

食塩添加による分類

①加塩(有塩)バター:バターをワーキング(練圧)する工程で食塩が加えられています。家庭で使うバターの多くはこのタイプで、食塩を加えることにより風味が良くなり、保存性も高くなります。添加する食塩の量は1.5%前後です。
②無塩バター:食塩は添加されておらず、生乳由来の成分だけでできたバターです。主に製菓用、調理用に利用されます。食塩摂取を制限している人も使用できます。食塩が入っていないため保存期間は有塩バターに比べると短くなります。また、パンなどに塗りやすくするために、気泡を含ませて柔らかくしたホイップバターがあります。
その他、商品名にバターと表示されていても、種類別「バター」ではなく、種類別「乳または乳製品を主要原料とする食品」に分類されているものがあります。外観はバターと似ていますが、乳脂肪を減らしてカロリーを抑えたものや、乳製品以外のレーズンやニンニクを加えているものなどがあります。
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家庭でのバターのつくり方
家庭でも、一般的なバター製造と同じ原理でバターをつくることができます。

◎ 用意するもの

生クリーム(乳脂肪分45%以上)
ふたつきの広口びん、わりばし、塩

◎ つくり方

①びんの4分の1くらいまで生クリームを入れ、ふたをして音がしなくなるまで振る。
②わりばしでかきまぜ、最後は水分(バターミルク)を搾り出すようによく練る。
③バターミルクを別の容器にあけ、バターに少量の塩で味をつける。

◎ 注意点

・ 材料の生クリームは冷蔵庫で冷やしておきましょう。
・ びんを振っているときに温まってしまったら、冷やしましょう。
・ 残ったバターミルクは無脂肪牛乳と同じようなものなので、そのまま飲んだり、調理に利用しましょう。
・ つくったバターはなるべく早く食べましょう。
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発酵バターについて
発酵バターは、原料のクリームに乳酸菌を加えて乳酸発酵させてからつくるため、独特の味や香りが出てきます。ヨーロッパなどでは、古くから発酵バターがつくられていました。そのころの技術では、牛乳からクリームを十分に分離するまでに自然に乳酸発酵が進むため、このクリームを使ってつくるバターは発酵バターでした。その伝統が受け継がれ、これらの国々では発酵バターが主流となりました。
日本の場合、バターは近代的な製造技術とともに導入されたため、多くは非発酵バターですが、最近では発酵バターも増えてきています。クリームを発酵させる乳酸菌は種類により風味が違うので、日本人に好まれる風味のバターをつくる研究も行われています。発酵バターの利用方法は普通のバターと同じで、パンに塗るほか、妙め料理やお菓子づくりなどに使うとコクのある仕上がりになります。
発酵バターは普通のバターと同じように冷蔵庫で保存してください。