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チーズの規格

「不当景品類及び不当表示防止法」に基づき、「ナチュラルチーズ、プロセスチーズ及びチーズフードの表示に関する公正競争規約」が定められています。消費者が適正な商品を選べるようにすることと、業界の公正な競争を確保することを目的としています。この規約によるナチュラルチーズ、プロセスチーズ、チーズフードの規格は表3-6の通りです。
表3-6 | 公正競争規約による定義
種類別名称 規格
チーズ ナチュラルチーズ (1)乳(乳等省令のもの)、バターミルク、クリームまたはこれらを混合したもののほとんどすべてまたは一部のたんぱく質を酵素その他の凝固剤により凝固させた凝乳から乳清の一部を除去したもの、またはこれらを熟成したもの
(2)(1)に掲げるもののほか、乳等を原料として、たんぱく質の凝固作用を含む製造技術を用いて製造したものであって、(2)に掲げるものと同様の化学的、物理的および官能的特性を有するもの
・なお、ナチュラルチーズには、香りおよび味を付与する目的で、乳に由来しない風味物質を添加することができる
プロセスチーズ ナチュラルチーズを粉砕し、加熱溶融し、乳化したもので、乳固形分が40%以上のもの。なお、次のものを添加することができる
①食品衛生法で認められている添加物
②脂肪量の調整のためのクリーム、バターおよびバターオイル
③香り、味、栄養成分、機能性および物性を付与する目的の食品(添加量は製品の固形分重量の1/6以内とする。ただし、②以外の乳等の添加量は製品中の乳糖含量が5%を超えない範囲とする)
チーズフード 一種以上のナチュラルチーズまたはプロセスチーズを粉砕し、混合し、加熱溶融し、乳化してつくられるもので、製品中のチーズ分の重量が51%以上のものをいう。なお、次のものを添加することができる
①食品衛生法で認められている添加物
②香り、味、栄養成分、機能性および物性を付与する目的の食品(添加量は製品の固形分重量の1/6以内とする)
③乳に由来しない脂肪、たんぱく質または炭水化物(添加量は製品重量の10%以内とする)

必要表示

図3-20 | 一括表示の例
一括表示の例
※輸入品のみ表示する

表示すべき項目として、次の項目を一括表示するよう定められています[図3-20]。
①種類別または名称
②原材料名
③内容量
④賞味期限
⑤保存方法
⑥輸入品にあっては原産国名
⑦製造業者または輸入業者の氏名または名称および所在地

特定表示

商品名に国名を使う場合は、75%以上(チーズフードは51%以上)がその国でつくられたチーズで、その使用率を表示し、かつその国の承認を受けたものであることが定められています。
商品名に原産地名やナチュラルチーズ名(ゴーダ、チェダーなど)を使う場合は、60%以上(チーズフードは51%以上)そのチーズを使用して風味があることとし、含有率を表示します。
ブルーチーズ、カマンベールチーズなどの香味の強いチーズが含まれている旨の表示をする場合は、当該チーズに占める割合を見やすい場所に表示します。

不当表示と不当公告の禁止

次のような表示や広告は禁止されています。
・ 規格に合わない製品について、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、チーズフードであるかのような表示と広告。
・ 商品の内容が実際よりも著しく優良であると誤認されるおそれがある表示や広告。
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家庭でのカッテージチーズのつくり方
カッテージチーズは、牛乳(脱脂乳)などを主原料として、乳酸菌と凝乳酵素(レンネットなど)を加えてつくった熟成させないフレッシュチーズです。たんぱく質が多く、脂肪は少ない低カロリーのチーズです。ここで紹介するものは、カッテージチーズそのものではありませんが、似たようなものをレモン汁や酢を使って家庭でも手軽につくることができます。インドのパニールは、レモン果汁でつくっています。

◎ 材料(できあがり約1カップ)

牛乳 1L
レモン汁(または酢) 大さじ5(75mL)

※牛乳の代わりにスキムミルク(水4カップにスキムミルク100g)でも可

◎利用法

・ しょうゆをかけて、そのまま
・ サラダやカナッペに
・ チーズケーキの材料に
・ 豆腐の代わりに白あえの衣に

◎つくり方

①牛乳を90℃くらいまで加熱し、レモン汁を加え軽く混ぜ合わせ、火からおろす。
②しばらくそのままにしておくと、白い固まりと薄黄緑色の透明な液に分かれる。
③清潔なふきんでこす。

※できあがったものは日もちしないので、その日のうちに食べてください。

◎ホエイの利用法

②の透明な液はホエイ(乳清)であり、たんぱく質やカルシウムなどをまだたくさん含んでいます。捨てずに料理などに利用してください。
・ はちみつなど甘味をつけてドリンクに
・ 酸味を利用して甘酢あん、すし酢に