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一般的なバターの製造方法

バターは生乳中の乳脂肪を取り出し、練り上げたものです。19世紀に機械化され、現在では連続式製造機で生産されています。乳脂肪分にもよりますが、200gのバターをつくるのに約4.2~4.4Lほどの生乳が必要となります。バターの製造方法を工程ごとに説明します[図3-21]。
①分離:生乳から遠心分離によりクリームを分離します。乳脂肪分35~40%のクリームがバターの原料に適しています。
②殺菌・冷却:クリームを95℃で60秒間加熱殺菌し、脂肪分解酵素(リパーゼ)も失活させ、保存性を高めます。殺菌後、直ちに5℃前後に冷却します。
③エージング:殺菌・冷却されたクリームを5℃前後のタンクで8~12時間、低温保持します。この操作はエージングとも呼ばれ、この間にクリームの脂肪分は結晶化し、形や大きさが一定になり脂肪球が安定します。
④チャーニング(攪拌):バターづくりの中心的な工程で、エージングしたクリームを10℃以下の温度で激しく攪拌することにより、脂肪球皮膜たんぱく質を除き、脂肪球を凝集させて、大豆くらいの大きさのバター粒をつくり、それ以外の成分とに分けます。バター粒以外の液体はバターミルクと呼ばれ、液状のままもしくは粉末にして業務用に利用されます。
⑤水洗:バターの風味を良くし、バター粒の硬さを調節するため、バター粒を冷水で洗い、バターミルクを完全に除きます。
⑥加塩:バターの風味を良くし、保存性を高めるために食塩を加えます。
⑦ワーキング(練圧):バター粒を練り合わせ、粒子中の水分や塩分を均一に分散させ、滑らかで良質のバター組織にします。④チャーニングから⑦ワーキングまでの工程を連続式製造機で一貫して行います。
⑧充填・包装:できあがったバターを用途に応じた大きさ、形に包装し、貯蔵します。硫酸紙やアルミパウチ(アルミ箔で裏打ちした紙)などに包み、紙箱に入れたものが主流ですが、びん、缶、プラスチック容器入りもあります。
図3-21 | バターの製造方法
バターの製造方法