【新しい生活様式】家庭で食育実践!親子で学ぶ

新型コロナウイルス関連情報

藤本勇ニ・武庫川女子大学准教授

(2)「醍醐味」の「醍醐」とはなに?

2020年6月19日 
  •     牛乳の歴史から日本の歴史や言葉の探究へ
 このプログラムは、牛乳の歴史を通して、日本の歴史をより身近に感じることができるようになっています。ホームページ上にある「牛乳丸とミルちゃんのミルク学習教室」の動画なども一緒に視聴すると、「へー」「そうだったのか」と、大人でも感心することがあるでしょう。
 保護者の皆さんは、子どもが感じたことや興味を持ったことをぜひ、聞いてあげてください。そして「どうして興味を持ったの?」と子どもに問いかけると、それを足場に自分の関心事を深めていくことが、主体的に学ぶ姿勢にもつながります。
 また、子どもは少し背伸びをして知識を獲得することを楽しみます。「醍醐味」と聞いても、すぐには意味が分からないでしょう。しかしその言葉の成り立ちを国語辞典やインターネット検索などで調べて知ると、言葉への関心を自然に高めてくれます。
  •     子どもの学びが深まる、広がる
 「醍醐味」についての学習で興味・関心が広がった食と言葉のつながりを、さらに探究する学習にもチャレンジしてみてください。学習ステップの巻末に書いてある「さらなる探究をしてみましょう」では「探究の手立て」を二つ例示してみましたので、参考にしてください。
 一つめは、たくさんある食べ物の名前が含まれている言葉の由来を調べる活動です。国語辞典を丹念に探すと、多くの慣用句にいろいろな食べ物の名前が使われていることに気づくでしょう。「手前みそ」や「手塩にかける」など、食べものの名前が入った言葉を見つけたら、醍醐味の例があるので、その成り立ちや由来を調べたくなります。知るたびに言葉への関心を高めていくでしょう。もし見つけられないようなら、台所で見つけた食べ物をヒントに、辞書で引くようサポートしてあげるとよいでしょう。
 また、国語から社会科へ学びを広げる可能性もあります。「敵に塩を送る」といった言葉からは日本の歴史への関心を高めるでしょう。「サラリーマン」のサラリー(salary)はラテン語のサラーリウム(salarium)に由来し、このsalariumの語源はsalすなわち「塩」であることを知ることになれば、世界の歴史まで関心を高めていくでしょう。食べ物の名前が含まれている言葉には、そんな力があるのです。
 二つめでそれぞれの時代の日本人の食生活の特徴を調べると、日本の歴史がぐっと自分と近づき、歴史が実感のあるものになります。ご家庭でも子どもに実践してみてください。

・対象学年:保護者と一緒に調べるなら小学校3・4年
 子どもが調べることを、保護者が見守るなら小学校5・6年
 子どもが一人で調べるなら中学生以上

・学習活動のねらい:日本における牛乳の歴史を知り、「醍醐」を例に、言葉の成り立ちに関心を持つ

・関連する学習:小学校6年生 社会「日本の歴史(奈良時代、明治維新、戦後の復興)」
 小学校4年生~ 国語「国語辞典の使い方」
【家庭での学習ステップ】
  •     ステップ1 牛乳の歴史を視聴する。 [先生・保護者の方へ]

動画を視聴しながら「初めて知ったこと」「面白いと思ったこと」などについて、子どもと一緒に話し合うようにします。
牛乳の歴史 https://www.j-milk.jp/tool/hn0mvm0000003z5n.html
  •     ステップ2 「戦後の復興の様子」「文明開化」「奈良時代の人々のくらし」について調べる。
[先生・保護者の方へ]いずれも6年生社会科の内容です。三つの内容から興味を持ったものを教科書や資料集、インターネットなどを使って調べるようにします。どうして興味を持ったのかも聞いてあげるようにしてください。
  • ステップ3 「醍醐」の成り立ちを知る。
[先生・保護者の方へ]
 「醍醐」という言葉をステップ1の動画視聴以外でも知っていたかを聞いてみてください。
以下のサイトの補助教材のイラスト(ア)(イ)や指導案の教師の問いかけを参考に「醍醐」の言葉の成り立ちを知って、「醍醐味」のいろいろな使い方を考えてみましょう。
 給食献立から文化・言葉を考える https://www.j-milk.jp/tool/hn0mvm0000007m7w.html
  • *醍醐味とは「物事の本当の面白さ」「深い味わい」を表現する言葉です。
  • ステップ4 食べ物の名前が含まれている言葉を探す。
[先生・保護者の方へ]
子どもに国語辞典や教科書の中から食べ物の言葉(「手前みそ」や「手塩にかける」など)を探すよう促します。
  • さらなる探究をしてみましょう
A  ステップ4で見つけた食べ物の名前が含まれている言葉の由来を調べる
B 日本人は何を食べてきたかを調べる
[先生・保護者の方へ]
米、小麦、魚、肉、牛乳、芋など身近な食べ物がどのように食べられていたか調べてみてもよいでしょう。

(1) オリジナルみそ汁に挑戦!

2020年6月12日

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う3月の休校から、ようやく全国的に児童・生徒が学校へ登校する日常が戻ってきました。しかし、学校に子どもが登校できない日々が続いたことで、心のケアや授業時数確保などの問題にどう対応していくかが学校現場の大きな課題です。
 また、新しい生活様式のなかで感染防止に配慮することも必要で、食育の学習活動に十分な時間を割くことが難しくなってくる学校もあるかもしれません。今後、学校と家庭が連携して子どもの食育を推進していくための工夫が必要になってくることでしょう。
 そこで、武庫川女子大学准教授の藤本勇二先生に学校の食育活動を家庭で楽しみながら実践できるアイデアをお寄せいただきました。

「オリジナルみそ汁に挑戦!」
  • “ミルクみそ汁”作りから親子で健康を学ぶ
  子どもと一緒にみそ汁を作りませんか。みそ汁は、小学校の家庭科の教材にも取り上げられているように、子どもにとって、比較的ハードルの低い調理です。家庭科の教科書を参考にして作ることもできますが、様々な学習の目的にあわせて「みそ汁」づくりを工夫することもできます。
 その工夫の一つとして、牛乳を使った減塩みそ汁を作ってみましょう。そうすると、家庭科だけでなく、保健の学習にもつながります。健康な生活を送るための食生活について親子で学ぶことができます。こうした調理の際は、できるだけ子どもに任せることが大切です。危なっかしくても、食材の無駄が多少出ても、明日からの暮らしを自分で作っていくその一歩を見守ってあげてください。食材の無駄が出た場合は、保護者が別の料理で使用するなどして工夫するとよいでしょう。
  • より良い暮らしを“みそ汁”から子どもが探究
 本プログラムには、自らが「学び」「考える」といった子どもに求められている探究型の学習を家庭で実践できるヒントがあります。プログラムの最後で、住んでいる地域の食材や旬の食材を子どもと一緒に考えることで、社会科の内容も学ぶことができます。また、「探究の手立て」として、二つの手立てを用意しました。みそ汁を作る活動を通して学んだ、地域や旬の食材のよさを生かして「地域の食材を活かした料理を調べる」「旬の食材のよさを調べる」では、環境に配慮した生活の工夫やSDGs(国連の「持続可能な開発目標」)についても発展させていくことができます。子どもが自分の生活を振り返ったり、学んだこと、よりよい生活を送るためにどうしたらよいと考えたのかなど、家族や友達と話したり、ノートにまとめたりするとよいでしょう。

・対象学年:保護者と一緒に作るなら小学校低学年
 子どもが作るのを保護者が見守るなら小学校高学年
 子どもが一人で作るなら中学生以上

・学習活動のねらい:減塩みそ汁を作ったり、みそ汁の具を工夫したりすることを通して、牛乳や和食・食材の良さを理解する。

・関連する学習
 小学校5・6年生 家庭「ご飯とみそ汁」
 小学校5・6年生 保健「病気の予防」
 中学校 保健「健康な生活と疾病の予防」
 【家庭での学習ステップ】

  ・    ステップ1 「家庭科の教科書でみそ汁の作り方を知る」
    [先生・保護者の方へ]
    家庭科の教科書を読んで、みそ汁作りのポイントを子どもに聞くようにします。
    ※低学年などで家庭科の教科書が手元にない場合は、子どもとインターネット「みそ汁の作り方」を調べます。

  ・    ステップ2 「みそ汁を作る」
    [先生・保護者の方へ]
    子どもが準備や調理できることは、学年によってできるだけ見守りながら子どもにやらせてあげてください。
    ※ただし、包丁や火の扱いについては十分にご注意ください。

  ・    ステップ3 「日本人の適切な塩分量を知る」
    [先生・保護者の方へ]
    子どもとインターネットや「保健」の教科書を使って、1日の食塩摂取量を調べてみましょう。
    参考:「日本人の食事摂取基準2020年版」(厚生労働省)
・    ステップ4 「乳和食で減塩みそ汁を作る」
    [先生・保護者の方へ]
    まず、牛乳を使用した「乳和食」の減塩みそ汁を、「乳和食」ウェブサイトで子どもと一緒に調理動画を視聴します。2回目のみそ汁作りですから、子どもに任せることを増やしていきます。
    https://www.j-milk.jp/recipes/recipe/hn0mvm0000002f99.html
・    ステップ5 「地域の食材や旬の食材を入れた乳和食の減塩みそ汁を作る」
    [先生・保護者の方へ]
    子どもに減塩みそ汁に入れる具材を地域の食材や旬の食材で考えてもらうようにします。スーパーの食品売り場(*)をヒントにしたり、インターネットで調べたりして探します。
    *スーパーマーケットへ子どもが出向くことは、状況をよく判断して行いましょう。無理をせず、インターネットなど代替の手段を選びましょう。

  ・     さらなる探究をしてみましょう。
    A 地域の食材を生かした料理を調べる
    B 旬の食材の良さを調べる